変な貴族様と平民

葉叶

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出会いはいつも突然に

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時間が過ぎるのはあっという間で、私は王都に来た。
道中は幸いな事に変な人は居らず何とか耐える事ができた。

「デカイなぁ…
えっと、理事長室…どこだろ」

特待生は、まず理事長室に来るように、と合格通知の下の方に書いてあった。
制服の受け渡しや諸々の説明や契約等があるらしい。

キョロキョロしながら学校の中を彷徨う。
まだ早いからか人は居なかった。

「あ、あった。」

迷う事30分近く…やっとの思い出見つけた理事長は
昇降口右手を少し進んだ所にあった。
勘で左側に行ってしまった私は遠回りに遠回りを重ねてしまったようだ。

コンコン

「どうぞ。」

中から渋い声が聞こえ扉を開けると
茶色の髪の毛を後ろで軽く結んだ爽やかな男の人がいた

「今日此方へ入学する事になったサラディンです。」

ペコッと頭を下げると

「あぁ、君がか。
私はディアブロ学園理事長、ジョナサン・ラングバット。
そちらにかけるといい。」

『この子が…例の子か…』

例の子…?
理事長の声に疑問を持ったが例の子って何のことですか?なんて聞けるわけない。
この力は知られてはいけない。
それは両親達で身にしみてわかってる。

「ありがとうございます。」

理事長の向かい側に座り鞄を足元に置く。

「契約や説明をしたい所だが
もう一人の特待生がまだ来てなくてね…
先に制服に着替えるといい。
その部屋を使ってくれ」

『本当にあの子は自分で望んたくせに遅刻とは…はぁ…』

「わかりました。」

理事長から制服を受け取り私は別室に入り一息つく。
いつからだったか覚えてないけど、私は表情を変える事が難しくなった。
できない訳ではないけど、頑張っても作り笑いなのはわかるしどんな表情も何処かぎこちなくおかしいのだ。
だから、私は表情を変える事を諦めた。故に常に無表情である。

「…高そう。」

白のロングスカートに黒の縁取りされた白のブレザー。
ネクタイは黒。

生地はいうまでもなく高いだろう。
こんな質のいい服着てもいいのだろうか…
いや、着なきゃ駄目なのか
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