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第2章 冒険者編 ~シャルモンの街~
まさかここで会うとはおもいませんでした
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シャルモンの街に着いて数日後。
私たちはその間、街付近の依頼を淡々とこなしていた。
理由は、お金を稼ぐためだ。
あの夜の夕食の時に、次は帝都に行く事に決めていた。
そのため、旅ができる程度のお金を用意する事にする。
いつもの通り朝ギルドに行くと、声をかけられた。
「やあ、ロランくん。セリーくん」
「ギルド長、今日は珍しいですね。どうしました?」
いつも部屋に篭って仕事をしているらしいギルド長が目の前にいた。
そして少し困ったような、疲れたような顔をしている。
「ごめんよー、二人に会いたいって人たちがいるんだけど‥‥時間あるかい?」
「いいですが‥‥セリーも問題ないよな?」
「はい、大丈夫です」
その返事にホッとしたのか、肩の力が抜けたようだ。
「ああ、ごめんね。じゃあ案内するから、僕の後に着いてきて」
足取りが重いギルド長の後ろを私たちは着いて行く。
ーーーおい、あの子、喋ったぞ。
凄い綺麗な声だった!美人で声が透き通ってて、女神みたいだな。
という騒めきは、私たちの耳には届かなかった。
連れてこられた部屋は、以前ゴブリン退治の時に報告をした部屋だった。
ギルド長は一声かけ、ドアを開けて中に入る。
続いてロランと私が部屋に入ったところ、いきなり目の前が真っ暗になった。
誰かに抱きしめられたらしい‥‥強すぎて息が苦しい。
「セリーヌ!会いたかったよ!!!元気だったかい?ああ、僕の可愛いセリーヌ‥‥」
扉を閉めておいて良かった‥‥と思う。この声はお父様の声だ。
「あなた‥‥戻れ!!!」
「はいいぃぃぃっっ!!!」
物凄いスピードでお母様の元に走って行くお父様。そしてお母様の横に座る。
「身体拘束」
お父様はお母様の魔法により、ソファーから動けなくなったようだ。しかも口も塞がれていた。
恐るべし、お母様‥‥
お父様の挙動に驚いて、隣に来ていたロランは「まじかよ‥‥」と呟いている。
「ごめんね、セリーヌ。静かにさせておいたから気にしないでね」
笑顔だが、後ろに般若の姿が見えるお母様。
「うふふ、一週間も経っていないけれども、懐かしい気分だわ。今日はよろしくね?」
よろしくね?ってどういう事だ?と首を傾げる。
ギルド長は頭を抱えて、私たちに説明してくれた。
「アウラウネの件のご報告をお二人にお願いしようと思っていたのだけれど‥‥」
「ああ、旦那は黙らせておくから。ロランくん‥‥だったかしら?報告お願いできる?」
指名されたロランは、緊張しながらも、お母様に報告をし始めたのだった。
「禁忌魔法が使える魔人‥‥ねえ」
一通り全てを説明し終えたロランは、ギルド長が用意した椅子に座っていた。
私もその隣の椅子に座っている。
途中、ロランが操られて私と撃ち合いになったところで、お父様が烈火のごとく怒り出した(拘束されたままだ)が、お母様の「黙りなさい!」でとても静かになった。
「私は敵に不覚を取られました。セリー‥‥娘さんを守れず、申し訳ございませんでした!!」
ロランはいつの間にか土下座をして謝り始めている。
私はお母様に向かって土下座をしているロランを慌てて立たせる。
そして足を組んでこちらを見ているお母様に私も話し始めた。
「お母様、あれは仕方ない事です。私ももっと頭を働かせれば最善策が取れたはずです‥‥。決してロランのせいではありません」
私がお母様に主張したのは初めてかもしれない。すぐに怖くて下を向いてしまった。
でも、私はロランを庇った事は後悔していない。お父様はもごもご言っているが無視する。
すると、ぽん、と肩に白くて細い手が乗せられた。お母様の手だ。
思い切って顔をあげると、そこには満面の笑みのお母様がいた。
「セリーヌもロランくんも、私が怒っていると思って?そんな訳ないじゃない」
あっけらかんと言われて、開いた口が塞がらない。ロランも驚いたのか、顔をあげてお母様を見ていた。
「うふふ、娘の成長を見れて嬉しいわ。ロランくん、君なら今回のことを糧にして、もっと強くなれると思うわ。私も安心してセリーヌを任せられる。娘をよろしくね?」
「お、お嬢さんを危険な目にあわせたことは‥‥?」
「あら、うちの娘なら大丈夫よ。セリーヌの強さなら知っているから。アウラウネ位じゃ負けないわ」
そう、言って貰えて、認めてもらった気がして嬉しい。だが、それ以上にお母様の強さも実感した。
私はまだまだ、強くなれる、そう思った。
私たちはその間、街付近の依頼を淡々とこなしていた。
理由は、お金を稼ぐためだ。
あの夜の夕食の時に、次は帝都に行く事に決めていた。
そのため、旅ができる程度のお金を用意する事にする。
いつもの通り朝ギルドに行くと、声をかけられた。
「やあ、ロランくん。セリーくん」
「ギルド長、今日は珍しいですね。どうしました?」
いつも部屋に篭って仕事をしているらしいギルド長が目の前にいた。
そして少し困ったような、疲れたような顔をしている。
「ごめんよー、二人に会いたいって人たちがいるんだけど‥‥時間あるかい?」
「いいですが‥‥セリーも問題ないよな?」
「はい、大丈夫です」
その返事にホッとしたのか、肩の力が抜けたようだ。
「ああ、ごめんね。じゃあ案内するから、僕の後に着いてきて」
足取りが重いギルド長の後ろを私たちは着いて行く。
ーーーおい、あの子、喋ったぞ。
凄い綺麗な声だった!美人で声が透き通ってて、女神みたいだな。
という騒めきは、私たちの耳には届かなかった。
連れてこられた部屋は、以前ゴブリン退治の時に報告をした部屋だった。
ギルド長は一声かけ、ドアを開けて中に入る。
続いてロランと私が部屋に入ったところ、いきなり目の前が真っ暗になった。
誰かに抱きしめられたらしい‥‥強すぎて息が苦しい。
「セリーヌ!会いたかったよ!!!元気だったかい?ああ、僕の可愛いセリーヌ‥‥」
扉を閉めておいて良かった‥‥と思う。この声はお父様の声だ。
「あなた‥‥戻れ!!!」
「はいいぃぃぃっっ!!!」
物凄いスピードでお母様の元に走って行くお父様。そしてお母様の横に座る。
「身体拘束」
お父様はお母様の魔法により、ソファーから動けなくなったようだ。しかも口も塞がれていた。
恐るべし、お母様‥‥
お父様の挙動に驚いて、隣に来ていたロランは「まじかよ‥‥」と呟いている。
「ごめんね、セリーヌ。静かにさせておいたから気にしないでね」
笑顔だが、後ろに般若の姿が見えるお母様。
「うふふ、一週間も経っていないけれども、懐かしい気分だわ。今日はよろしくね?」
よろしくね?ってどういう事だ?と首を傾げる。
ギルド長は頭を抱えて、私たちに説明してくれた。
「アウラウネの件のご報告をお二人にお願いしようと思っていたのだけれど‥‥」
「ああ、旦那は黙らせておくから。ロランくん‥‥だったかしら?報告お願いできる?」
指名されたロランは、緊張しながらも、お母様に報告をし始めたのだった。
「禁忌魔法が使える魔人‥‥ねえ」
一通り全てを説明し終えたロランは、ギルド長が用意した椅子に座っていた。
私もその隣の椅子に座っている。
途中、ロランが操られて私と撃ち合いになったところで、お父様が烈火のごとく怒り出した(拘束されたままだ)が、お母様の「黙りなさい!」でとても静かになった。
「私は敵に不覚を取られました。セリー‥‥娘さんを守れず、申し訳ございませんでした!!」
ロランはいつの間にか土下座をして謝り始めている。
私はお母様に向かって土下座をしているロランを慌てて立たせる。
そして足を組んでこちらを見ているお母様に私も話し始めた。
「お母様、あれは仕方ない事です。私ももっと頭を働かせれば最善策が取れたはずです‥‥。決してロランのせいではありません」
私がお母様に主張したのは初めてかもしれない。すぐに怖くて下を向いてしまった。
でも、私はロランを庇った事は後悔していない。お父様はもごもご言っているが無視する。
すると、ぽん、と肩に白くて細い手が乗せられた。お母様の手だ。
思い切って顔をあげると、そこには満面の笑みのお母様がいた。
「セリーヌもロランくんも、私が怒っていると思って?そんな訳ないじゃない」
あっけらかんと言われて、開いた口が塞がらない。ロランも驚いたのか、顔をあげてお母様を見ていた。
「うふふ、娘の成長を見れて嬉しいわ。ロランくん、君なら今回のことを糧にして、もっと強くなれると思うわ。私も安心してセリーヌを任せられる。娘をよろしくね?」
「お、お嬢さんを危険な目にあわせたことは‥‥?」
「あら、うちの娘なら大丈夫よ。セリーヌの強さなら知っているから。アウラウネ位じゃ負けないわ」
そう、言って貰えて、認めてもらった気がして嬉しい。だが、それ以上にお母様の強さも実感した。
私はまだまだ、強くなれる、そう思った。
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