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第2章 冒険者編 ~シャルモンの街~
魔人アウラウネとの戦闘 前
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アウラウネは最初は私に向かって走ってくる。
まあ、どう見てもロランより私の方が弱そうだもんね‥‥
でもこのアウラウネは魔力量を測ってないのかな?私の方が量が多いんだけどな‥‥
「セリー!」
ロランが声を掛けると同時に、アウラウネの目が光る。
ロランも気づいたのだろう、目を見ると精神支配か精神操作の魔法にかかってしまう可能性が高い。
見てはいけない、と私の頭の中で警鐘が鳴らされている。
一瞬でも目を見てしまったので、横にズレながら念のため状態異常回復魔法を唱えておいた。
一瞬だったからか、すぐ魔法を唱えたからか分からないが、アウラウネの魔法は問題なく解除される。
「人間。私の魔法効いてない」
目を見開いて驚いたアウラウネだったが、すぐに怒りの表情になる。
「人間ごときが」
そう口に出したかと思うと、魔法は諦めたのか、蔓や植物魔法で攻撃を始めるアウラウネ。
それにしても蔓が多い。ロランも風魔法と、剣を使って蔓を切り落としているが、切り落とされた蔓は砂となって消えるも、すぐに代わりの蔓が生えてくる。
「くっそ、蔓が再生するなんて聞いてないぞ」
普通のアウラウネであれば、蔓の再生回数も限度は2~3回ほどだ。
理由は蔓の再生にも魔力を使うからだ。私の光魔法と同じと考えればわかりやすい・。
過去に戦ったことがあるが、その時は魔力切れで回復ができないとわかると、アウラウネはすぐに逃げ出そうとした記憶がある。
だがこのアウラウネは何かがおかしい。
アウラウネの魔力を測った結果、そこまで魔力量は多くない。
だが、目の前のアウラウネは魔力が無尽蔵にあるのかと思うくらい、再生を繰り返している。
「蔓を再生するにも魔力が必要な筈‥‥どうしてかしら?」
そう呟いてしまうが、答えてくれる者は誰もいない。
そして考える暇をアウラウネが与えてくれる筈がない。
私の前にもアウラウネの蔓が現れ、私を襲おうとやってくる。
それを見て先程の警鐘がより強く頭の中で響いている。
これは早く終わらせないとやばい、そう勘が物語っていた。
‥‥これは使いたくなかったのだけど‥‥
収納魔法から武器を出す時間はない。
私は扇を手に持ち、振りやすい長さの片手剣のイメージをする。
そしてそのイメージと火魔法を組み合わせると‥‥
「炎の剣」
「セリー!?」
ロランは驚いているが、実体化させた炎の片手剣の出来上がりだ。
扇を動かすだけで思う通りの動きをしてくれる。
本当は扇がなくてもできるのだが、扇を持つことでイメージが楽になる。
その分魔法の発動が早くなるので、時間の惜しい私は扇を手に持った。
炎の剣は想像通りに仕上がっている。その剣を見てアウラウネは一瞬目を見張った。
「火だと」
やはり植物なので火は苦手なのだろう。私から距離を取ろうとするアウラウネ。
しかし絶好のチャンスを見逃す私ではない。
逃げるアウラウネを上回る速さで、私はそれを追い詰めて剣を振った。
「ぎゃあああああ!!!!」
蔓の一つを炎の剣で切ると、蔓が燃え上がる。
蔓に炎がまとわりついているので、再生するたびに焼かれていく。
瞬く間にアウラウネの蔓を一本、また一本と燃やしていった。
「うぐううううううう、あああああ」
アウラウネが燃えている蔓を自身で全て切り取ると、蔓は残り2本となっていた。
その間にロランと私が攻撃するが、蔓によって弾かれ、切っても再生する。
何かマズイ予感がする。
けれどもアウラウネの必死の攻撃に私たちは本体まで辿りつくことができないでいた。
そんな中、ボソッと声が聞こえる。
「使うしか、ない」
そうアウラウネが言葉を発した瞬間に、アウラウネの上半身の手から何かが口の中に入る。
その輝きは、まるで魔石のようだったが、普通のものより大きいように見える。
しまった!あれが原因だったか!と思ったのも後の祭り。
残りの2本の蔓をロランと二人で切った瞬間、アウラウネは魔石らしい物を飲み込んでいた。
そしてすぐにロランから警告が発せられる。
「セリー、アウラウネが大きい魔石を飲み込みやがった!」
ロランはアウラウネの近くにいたからだろう。
飲み込んだそれが、魔石だと判断している。
ロランが魔石を見間違えるはずがないので、あれは確実に魔石なのだろう。
「くっそ、セリー!なにが起こるか分からねぇ!!少し離れろ!」
ロランが離れながら私に告げる。私も彼の言う通りに少し離れた。
しかし何故アウラウネが魔石を持っているのかが分からない。
アウラウネ自身が倒したから持っていたか‥‥もしくは‥‥
急に眩しくなり、私は警戒しながら目を閉じる。
昔聞いたことがある。能力が高い魔人が魔力量の多い魔石を取り入れるとどうなるか。
「力。これが力!」
アウラウネが叫ぶと同時に、炎の剣で燃やした蔓が全て再生する。
そう、能力が1段階以上上がるのである‥‥
「人間。お遊びはここまでだ」
そうして完全体のアウラウネと対峙することになった。
まあ、どう見てもロランより私の方が弱そうだもんね‥‥
でもこのアウラウネは魔力量を測ってないのかな?私の方が量が多いんだけどな‥‥
「セリー!」
ロランが声を掛けると同時に、アウラウネの目が光る。
ロランも気づいたのだろう、目を見ると精神支配か精神操作の魔法にかかってしまう可能性が高い。
見てはいけない、と私の頭の中で警鐘が鳴らされている。
一瞬でも目を見てしまったので、横にズレながら念のため状態異常回復魔法を唱えておいた。
一瞬だったからか、すぐ魔法を唱えたからか分からないが、アウラウネの魔法は問題なく解除される。
「人間。私の魔法効いてない」
目を見開いて驚いたアウラウネだったが、すぐに怒りの表情になる。
「人間ごときが」
そう口に出したかと思うと、魔法は諦めたのか、蔓や植物魔法で攻撃を始めるアウラウネ。
それにしても蔓が多い。ロランも風魔法と、剣を使って蔓を切り落としているが、切り落とされた蔓は砂となって消えるも、すぐに代わりの蔓が生えてくる。
「くっそ、蔓が再生するなんて聞いてないぞ」
普通のアウラウネであれば、蔓の再生回数も限度は2~3回ほどだ。
理由は蔓の再生にも魔力を使うからだ。私の光魔法と同じと考えればわかりやすい・。
過去に戦ったことがあるが、その時は魔力切れで回復ができないとわかると、アウラウネはすぐに逃げ出そうとした記憶がある。
だがこのアウラウネは何かがおかしい。
アウラウネの魔力を測った結果、そこまで魔力量は多くない。
だが、目の前のアウラウネは魔力が無尽蔵にあるのかと思うくらい、再生を繰り返している。
「蔓を再生するにも魔力が必要な筈‥‥どうしてかしら?」
そう呟いてしまうが、答えてくれる者は誰もいない。
そして考える暇をアウラウネが与えてくれる筈がない。
私の前にもアウラウネの蔓が現れ、私を襲おうとやってくる。
それを見て先程の警鐘がより強く頭の中で響いている。
これは早く終わらせないとやばい、そう勘が物語っていた。
‥‥これは使いたくなかったのだけど‥‥
収納魔法から武器を出す時間はない。
私は扇を手に持ち、振りやすい長さの片手剣のイメージをする。
そしてそのイメージと火魔法を組み合わせると‥‥
「炎の剣」
「セリー!?」
ロランは驚いているが、実体化させた炎の片手剣の出来上がりだ。
扇を動かすだけで思う通りの動きをしてくれる。
本当は扇がなくてもできるのだが、扇を持つことでイメージが楽になる。
その分魔法の発動が早くなるので、時間の惜しい私は扇を手に持った。
炎の剣は想像通りに仕上がっている。その剣を見てアウラウネは一瞬目を見張った。
「火だと」
やはり植物なので火は苦手なのだろう。私から距離を取ろうとするアウラウネ。
しかし絶好のチャンスを見逃す私ではない。
逃げるアウラウネを上回る速さで、私はそれを追い詰めて剣を振った。
「ぎゃあああああ!!!!」
蔓の一つを炎の剣で切ると、蔓が燃え上がる。
蔓に炎がまとわりついているので、再生するたびに焼かれていく。
瞬く間にアウラウネの蔓を一本、また一本と燃やしていった。
「うぐううううううう、あああああ」
アウラウネが燃えている蔓を自身で全て切り取ると、蔓は残り2本となっていた。
その間にロランと私が攻撃するが、蔓によって弾かれ、切っても再生する。
何かマズイ予感がする。
けれどもアウラウネの必死の攻撃に私たちは本体まで辿りつくことができないでいた。
そんな中、ボソッと声が聞こえる。
「使うしか、ない」
そうアウラウネが言葉を発した瞬間に、アウラウネの上半身の手から何かが口の中に入る。
その輝きは、まるで魔石のようだったが、普通のものより大きいように見える。
しまった!あれが原因だったか!と思ったのも後の祭り。
残りの2本の蔓をロランと二人で切った瞬間、アウラウネは魔石らしい物を飲み込んでいた。
そしてすぐにロランから警告が発せられる。
「セリー、アウラウネが大きい魔石を飲み込みやがった!」
ロランはアウラウネの近くにいたからだろう。
飲み込んだそれが、魔石だと判断している。
ロランが魔石を見間違えるはずがないので、あれは確実に魔石なのだろう。
「くっそ、セリー!なにが起こるか分からねぇ!!少し離れろ!」
ロランが離れながら私に告げる。私も彼の言う通りに少し離れた。
しかし何故アウラウネが魔石を持っているのかが分からない。
アウラウネ自身が倒したから持っていたか‥‥もしくは‥‥
急に眩しくなり、私は警戒しながら目を閉じる。
昔聞いたことがある。能力が高い魔人が魔力量の多い魔石を取り入れるとどうなるか。
「力。これが力!」
アウラウネが叫ぶと同時に、炎の剣で燃やした蔓が全て再生する。
そう、能力が1段階以上上がるのである‥‥
「人間。お遊びはここまでだ」
そうして完全体のアウラウネと対峙することになった。
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