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第2章 冒険者編 ~シャルモンの街~
魔人アウラウネとの遭遇
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「問題はなさそうだな」
「はい」
村を見て回ったが、ケヴィンのように支配を受けている人はいないようだ。
私たちはそのまま村長さんに会いに行く。
再度村長さんに先程のお礼を伝え、見回りについても許可をもらった。
「ありがとうございます、ありがとうございます」
と土下座をする勢いで、村長さんがお礼をし出したのですぐに止めたが‥‥。
ロランと共に、村を出て走り出す。
以前のゴブリン退治で走るスピードを見ていたのだろう。
今回は非常に走りやすい速さで、疲れもなく進むことができた。
「ロラン、もっと早く走れますよ」
「いや、これで行くぞ。準備運動になる位が一番、身体の動きが良くなると思うからな」
ロランの顔は見えないが、私に気を使ってくれていることは何となくだが分かった。
「‥‥ありがとう」
以前砕けた喋り方を、と言われたのを思い出して、ぼそっとお礼を伝える。
ロランも反応しないので、聞こえたかどうかは分からないけど。
少しだけ、頑張ってみようかな、と思う。
走り続けてどれくらい経っただろうか。
朝早く起きたため、まだ昼過ぎくらいだろう。
気づくとロランが走るスピードを緩めていた。追跡魔法が消えた場所に近づいているようだ。
すぐに私は防音魔法を張る。
ロランはまだ詠唱をしないと張れないらしいので、ここは私の仕事だ。
「助かった。この辺りが消えた場所だ」
森の奥までは見えないが、ここが魔の森との境目付近らしい。
「どうする?探索魔法を掛けるか?だが、消えたことを考えると‥‥」
その通りだ。探索魔法は自身の魔力を薄く延ばして張り巡らせるイメージで使う魔法だ。
この魔法だと、魔力を敏感に感知できる上位種は勘付いてしまうかもしれない。
「ロラン。MPポーションはありましたよね」
「ああ、あるが‥‥何をするつもりだ?」
「少々魔力を使います。〝樹々の目〟」
樹々の目、これは土魔法の派生、植物魔法になる。
土から育っている植物を操ったり、目として利用できる森の中なら便利な魔法だ。
ただし、目として利用する場合は対象が多く、情報過多になるので注意が必要だ。
「‥‥いない、いない‥‥いない‥‥いた。11時の方向、あれはアウラウネです」
「アウラウネだと!?A、もしくはS級の植物の魔人か!」
遠くの木から見たので、まだ気づかれていないようだ。
だが、これ以上魔法を使うと気づかれるので、一つを残して魔法を中断する。
長時間使ったわけでないが、久しぶりに魔力を使いすぎたようで、足元がふらついた。
「無理させて悪い‥‥ほら、ポーション。立つのが辛ければ、俺に寄りかかっていいぞ?」
お言葉に甘えて寄りかかる。
思った以上に身長が高くて、私はロランの胸に頭を預けて一気にポーションを飲み干した。
触れ合っているところが、とても暖かくて安心する。
だが、すぐにフラつきも治ったので、お礼を伝えて彼の胸から離れた。
少し名残惜しい‥‥けれど、そうも言ってられない。
「植物の魔人は火に弱いはずだが‥‥森では火は使いにくいな、どうするか?」
「植物もアウラウネでは、無効化されて使えませんね‥‥!!」
魔力の気配が強くなった。
そして残しておいた一つの樹々の目はアウラウネによって消されたようだ。
まずい、存在がバレた。バレたのならしょうがない。探索魔法を使う。
「ロラン、11時の方向、アウラウネがこちらに向かっています」
「なんだと!?ここで迎え撃つしかないな」
「そうですね、それでは私特製の防御魔法を張っておきますね」
攻撃が当たらないように防御魔法をロランにかけておく。
そして私たちは、11時の方向に身体を向けて、息を飲んだ。
「私の邪魔をしたのは二人?」
目の前には上半身が女性、下半身が花と棘のある太い蔓を持つ魔人アウラウネがいる。
肌の色は緑色、髪の毛は金色、吊り上がった濃い緑の瞳、そして笑った口からチロチロと見える長い舌。
そして言葉を喋れるのは、更に上位の魔人の証拠だった。
「違うと言ったら‥‥?」
見逃してくれるわけでは無いだろうけれど、ロランはそう答える。
アウラウネは深緑色の目を細めた後、すぐに笑い始めた。
「バカな人間。私が見逃すはずない。二人とも養分にしてやる」
そしてロランと私の戦いの火蓋が落とされたのである。
「はい」
村を見て回ったが、ケヴィンのように支配を受けている人はいないようだ。
私たちはそのまま村長さんに会いに行く。
再度村長さんに先程のお礼を伝え、見回りについても許可をもらった。
「ありがとうございます、ありがとうございます」
と土下座をする勢いで、村長さんがお礼をし出したのですぐに止めたが‥‥。
ロランと共に、村を出て走り出す。
以前のゴブリン退治で走るスピードを見ていたのだろう。
今回は非常に走りやすい速さで、疲れもなく進むことができた。
「ロラン、もっと早く走れますよ」
「いや、これで行くぞ。準備運動になる位が一番、身体の動きが良くなると思うからな」
ロランの顔は見えないが、私に気を使ってくれていることは何となくだが分かった。
「‥‥ありがとう」
以前砕けた喋り方を、と言われたのを思い出して、ぼそっとお礼を伝える。
ロランも反応しないので、聞こえたかどうかは分からないけど。
少しだけ、頑張ってみようかな、と思う。
走り続けてどれくらい経っただろうか。
朝早く起きたため、まだ昼過ぎくらいだろう。
気づくとロランが走るスピードを緩めていた。追跡魔法が消えた場所に近づいているようだ。
すぐに私は防音魔法を張る。
ロランはまだ詠唱をしないと張れないらしいので、ここは私の仕事だ。
「助かった。この辺りが消えた場所だ」
森の奥までは見えないが、ここが魔の森との境目付近らしい。
「どうする?探索魔法を掛けるか?だが、消えたことを考えると‥‥」
その通りだ。探索魔法は自身の魔力を薄く延ばして張り巡らせるイメージで使う魔法だ。
この魔法だと、魔力を敏感に感知できる上位種は勘付いてしまうかもしれない。
「ロラン。MPポーションはありましたよね」
「ああ、あるが‥‥何をするつもりだ?」
「少々魔力を使います。〝樹々の目〟」
樹々の目、これは土魔法の派生、植物魔法になる。
土から育っている植物を操ったり、目として利用できる森の中なら便利な魔法だ。
ただし、目として利用する場合は対象が多く、情報過多になるので注意が必要だ。
「‥‥いない、いない‥‥いない‥‥いた。11時の方向、あれはアウラウネです」
「アウラウネだと!?A、もしくはS級の植物の魔人か!」
遠くの木から見たので、まだ気づかれていないようだ。
だが、これ以上魔法を使うと気づかれるので、一つを残して魔法を中断する。
長時間使ったわけでないが、久しぶりに魔力を使いすぎたようで、足元がふらついた。
「無理させて悪い‥‥ほら、ポーション。立つのが辛ければ、俺に寄りかかっていいぞ?」
お言葉に甘えて寄りかかる。
思った以上に身長が高くて、私はロランの胸に頭を預けて一気にポーションを飲み干した。
触れ合っているところが、とても暖かくて安心する。
だが、すぐにフラつきも治ったので、お礼を伝えて彼の胸から離れた。
少し名残惜しい‥‥けれど、そうも言ってられない。
「植物の魔人は火に弱いはずだが‥‥森では火は使いにくいな、どうするか?」
「植物もアウラウネでは、無効化されて使えませんね‥‥!!」
魔力の気配が強くなった。
そして残しておいた一つの樹々の目はアウラウネによって消されたようだ。
まずい、存在がバレた。バレたのならしょうがない。探索魔法を使う。
「ロラン、11時の方向、アウラウネがこちらに向かっています」
「なんだと!?ここで迎え撃つしかないな」
「そうですね、それでは私特製の防御魔法を張っておきますね」
攻撃が当たらないように防御魔法をロランにかけておく。
そして私たちは、11時の方向に身体を向けて、息を飲んだ。
「私の邪魔をしたのは二人?」
目の前には上半身が女性、下半身が花と棘のある太い蔓を持つ魔人アウラウネがいる。
肌の色は緑色、髪の毛は金色、吊り上がった濃い緑の瞳、そして笑った口からチロチロと見える長い舌。
そして言葉を喋れるのは、更に上位の魔人の証拠だった。
「違うと言ったら‥‥?」
見逃してくれるわけでは無いだろうけれど、ロランはそう答える。
アウラウネは深緑色の目を細めた後、すぐに笑い始めた。
「バカな人間。私が見逃すはずない。二人とも養分にしてやる」
そしてロランと私の戦いの火蓋が落とされたのである。
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