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第2章 冒険者編 ~シャルモンの街~
討伐をしましょう
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日が沈んだ小屋の中。
私たちは二人で外の監視をしていた。
私は光魔法で明かりを作り、ロランが監視をしていた。
「なあ、セリー」
そんな時にロランに声を掛けられた私は、どうしたのだろうか?と思いつつ顔を上げる。
ロランの目線は窓の外を向いているが、顔は心配そうな顔をしている。
「息子さんの家で話してから、考え込むことが多くなったが大丈夫か?」
「ん、大丈夫です」
「そうか」
彼は私がこれ以上話さない事に気づいたのだろう。無言で外を見守っている。
話せば良いのかもしれないが、流石に不確定要素だ‥‥どうするべきか、と考えていると
「‥‥おい、来たぞ」
それは急に現れた。
私たちが外に出ると、ワイルドボアが集団で村の畑を囲っている木の柵に向かって走っている。
柵は壊される事を考えて、強固に作ってはいない。すぐに突破されるだろう。
ロランと共に村を背にして並ぶ。そして私は光の魔法を展開する。
「灯」
少し魔力を込めれば、それほど明るくないが畑一帯を照らすことができる。ついでにワイルドボアの目くらましの意味もあった。
そしていち早く魔物を見つけたロランが私に声をかけた。
「セリー!上位種の可能性があるぞ、お前は何体相手できる?」
ロランに言われて一体のワイルドボアに目を凝らす。
通常のワイルドボアであれば、毛並みは茶色、立髪は白色のセリーの身長くらいの大きさである。
だが、今見ているワイルドボアはロランの身長より少し小さいくらいだ。大きさはふた回り以上違っている。
確かに上位種と呼ばれるのも仕方ない。
そんなワイルドボアが10体ほどいるようだった。
「半数は任せてください!」
「わかった!倒して手伝うからなっ、気をつけろ!」
ロランは右へ、私は左へステップを踏む。
ワイルドボアは動いた私たちを認識したのだろう。綺麗に半分づつに別れて、向かってくる。
「さて、久しぶりに会えて嬉しいわ」
と私の気持ちをワクワクさせてくれた彼らに感謝だ。
ワイルドボアの性質は一直線に敵に向かってくることだ。それを利用する。
頭の中に防御魔法の魔法陣を思い浮かべると同時に魔法陣が手の前に現れ、中心に触れる。
すると、ワイルドボアの進行方向10mほど前に防御魔法が展開された。
先頭のワイルドボアが予想通り、防御魔法に頭を打つける。
ぶつかり続けるが、こちらの防御魔法は攻撃力がドラゴン並みと言われている母の攻撃も防ぐ魔法である。よほどのことがない限り、壊れない。
全てのワイルドボアが防御魔法範囲に入ると、ワイルドボアたちを包むかのように防御魔法を張り巡らせ、最終的に出れない檻のようなものになった。
「こちらのワイルドボアの無効化完了」
そこに下級魔法の石の弾丸を打ち込む。
自分の張り巡らせた防御魔法である。私の魔法攻撃は通じるようになっている。
ちらっとロランを見ると、ロランは剣と魔法を使用して大半のワイルドボアを倒していた。
遠距離の敵には風魔法を使い、近距離に入り込んできた敵は剣で切り落とす。
魔法詠唱を省略せず、必ず唱えているところを見ると、本当に得意なのは剣技だとわかる。
最後の一体を剣で倒し終えたところで、こちらを見たロランがギョッとする。
「おい、これは‥‥?」
「防御魔法です」
先頭のワイルドボアは後ろから押されたからか、頭から血を流して息絶えていた。
防御魔法にもワイルドボアの血と思われる赤い液体がべっとりとついている。
ごそごそとしている。まだ生き残りがいるようだ。
「2体残っていたか‥‥セリー、あいつらも倒そう」
「分かりました」
2体とも倒したあと、防御魔法を解除する。
すると後ろから数体のワイルドボアがこちらに向かっているのが見えた。第二部隊か。
「セリー、土の下級魔法でいけるか?」
「はい、勿論」
3体ほど石の弾丸で倒すと、残ったワイルドボアは戦意を喪失したのか反対へ逃げていく。
と同時にロランから声がかけられた。
「ちなみにセリーは追跡魔法使えるか?」
「‥‥使えますが、今回は風魔法を使用した追跡魔法がいいかもしれません」
訓練場の時に教えて貰ったから使えるはずだ。
ロランは私の発言に一瞬言葉を失ったが、すぐに答えてくれた。
「分かった、俺の風魔法を使おう」
小声で詠唱を始めるロランから離れたあと、防音魔法の状況の確認しておく。
ロランが近くに来た時に掛けておいたものだ。それが終わるとロランの詠唱が完成するのを待った。
と言っても、私が顔を戻した瞬間終わっていたようだが。
すると先ほど私たちがいた小屋の影から、すっと人影が村へ走っていくように見えた。気のせいだろう。
ワイルドボアの襲撃は以上だったようだ。見張りの村人が光に気づき、村長さんと息子さんを呼んできてくれたようである。私たちはワイルドボアの襲撃状況を彼らに話した後、解散する。
村では明日の朝以降に状況の整理と被害確認が行われる。倒したワイルドボアはすぐさま村に運ばれ、解体される事になった。
「セリー、寝るか?」
私たちはもう村内にある宿屋に戻ってきていた。昼食の時についでにロランが予約してくれたのだ。
先ほどから黙っている私に気を使ってくれたのか、先に私を部屋まで連れてきてくれた‥‥と思いきや、隣がロランの部屋らしい。
「‥‥ロランの部屋に防御魔法を部屋に張らせてもらえますか?」
「俺の部屋?いいけど‥‥」
「失礼します」
ロランがロランが慌てて私を外に出そうとするが、「魔法を張るため」と言うとロランは黙った。
静かになったロランを横目で見ながら、私は2つの魔法陣を展開した。ロランが、驚いているようだけれど気にしない。
魔法を張り終えると、ロランが近づいてくる。
「セリー、防御魔法と防音魔法を掛けて何があった?」
「それは今から話します」
そう答えて、私はドアの近くにある机の椅子に腰をかけた。
私たちは二人で外の監視をしていた。
私は光魔法で明かりを作り、ロランが監視をしていた。
「なあ、セリー」
そんな時にロランに声を掛けられた私は、どうしたのだろうか?と思いつつ顔を上げる。
ロランの目線は窓の外を向いているが、顔は心配そうな顔をしている。
「息子さんの家で話してから、考え込むことが多くなったが大丈夫か?」
「ん、大丈夫です」
「そうか」
彼は私がこれ以上話さない事に気づいたのだろう。無言で外を見守っている。
話せば良いのかもしれないが、流石に不確定要素だ‥‥どうするべきか、と考えていると
「‥‥おい、来たぞ」
それは急に現れた。
私たちが外に出ると、ワイルドボアが集団で村の畑を囲っている木の柵に向かって走っている。
柵は壊される事を考えて、強固に作ってはいない。すぐに突破されるだろう。
ロランと共に村を背にして並ぶ。そして私は光の魔法を展開する。
「灯」
少し魔力を込めれば、それほど明るくないが畑一帯を照らすことができる。ついでにワイルドボアの目くらましの意味もあった。
そしていち早く魔物を見つけたロランが私に声をかけた。
「セリー!上位種の可能性があるぞ、お前は何体相手できる?」
ロランに言われて一体のワイルドボアに目を凝らす。
通常のワイルドボアであれば、毛並みは茶色、立髪は白色のセリーの身長くらいの大きさである。
だが、今見ているワイルドボアはロランの身長より少し小さいくらいだ。大きさはふた回り以上違っている。
確かに上位種と呼ばれるのも仕方ない。
そんなワイルドボアが10体ほどいるようだった。
「半数は任せてください!」
「わかった!倒して手伝うからなっ、気をつけろ!」
ロランは右へ、私は左へステップを踏む。
ワイルドボアは動いた私たちを認識したのだろう。綺麗に半分づつに別れて、向かってくる。
「さて、久しぶりに会えて嬉しいわ」
と私の気持ちをワクワクさせてくれた彼らに感謝だ。
ワイルドボアの性質は一直線に敵に向かってくることだ。それを利用する。
頭の中に防御魔法の魔法陣を思い浮かべると同時に魔法陣が手の前に現れ、中心に触れる。
すると、ワイルドボアの進行方向10mほど前に防御魔法が展開された。
先頭のワイルドボアが予想通り、防御魔法に頭を打つける。
ぶつかり続けるが、こちらの防御魔法は攻撃力がドラゴン並みと言われている母の攻撃も防ぐ魔法である。よほどのことがない限り、壊れない。
全てのワイルドボアが防御魔法範囲に入ると、ワイルドボアたちを包むかのように防御魔法を張り巡らせ、最終的に出れない檻のようなものになった。
「こちらのワイルドボアの無効化完了」
そこに下級魔法の石の弾丸を打ち込む。
自分の張り巡らせた防御魔法である。私の魔法攻撃は通じるようになっている。
ちらっとロランを見ると、ロランは剣と魔法を使用して大半のワイルドボアを倒していた。
遠距離の敵には風魔法を使い、近距離に入り込んできた敵は剣で切り落とす。
魔法詠唱を省略せず、必ず唱えているところを見ると、本当に得意なのは剣技だとわかる。
最後の一体を剣で倒し終えたところで、こちらを見たロランがギョッとする。
「おい、これは‥‥?」
「防御魔法です」
先頭のワイルドボアは後ろから押されたからか、頭から血を流して息絶えていた。
防御魔法にもワイルドボアの血と思われる赤い液体がべっとりとついている。
ごそごそとしている。まだ生き残りがいるようだ。
「2体残っていたか‥‥セリー、あいつらも倒そう」
「分かりました」
2体とも倒したあと、防御魔法を解除する。
すると後ろから数体のワイルドボアがこちらに向かっているのが見えた。第二部隊か。
「セリー、土の下級魔法でいけるか?」
「はい、勿論」
3体ほど石の弾丸で倒すと、残ったワイルドボアは戦意を喪失したのか反対へ逃げていく。
と同時にロランから声がかけられた。
「ちなみにセリーは追跡魔法使えるか?」
「‥‥使えますが、今回は風魔法を使用した追跡魔法がいいかもしれません」
訓練場の時に教えて貰ったから使えるはずだ。
ロランは私の発言に一瞬言葉を失ったが、すぐに答えてくれた。
「分かった、俺の風魔法を使おう」
小声で詠唱を始めるロランから離れたあと、防音魔法の状況の確認しておく。
ロランが近くに来た時に掛けておいたものだ。それが終わるとロランの詠唱が完成するのを待った。
と言っても、私が顔を戻した瞬間終わっていたようだが。
すると先ほど私たちがいた小屋の影から、すっと人影が村へ走っていくように見えた。気のせいだろう。
ワイルドボアの襲撃は以上だったようだ。見張りの村人が光に気づき、村長さんと息子さんを呼んできてくれたようである。私たちはワイルドボアの襲撃状況を彼らに話した後、解散する。
村では明日の朝以降に状況の整理と被害確認が行われる。倒したワイルドボアはすぐさま村に運ばれ、解体される事になった。
「セリー、寝るか?」
私たちはもう村内にある宿屋に戻ってきていた。昼食の時についでにロランが予約してくれたのだ。
先ほどから黙っている私に気を使ってくれたのか、先に私を部屋まで連れてきてくれた‥‥と思いきや、隣がロランの部屋らしい。
「‥‥ロランの部屋に防御魔法を部屋に張らせてもらえますか?」
「俺の部屋?いいけど‥‥」
「失礼します」
ロランがロランが慌てて私を外に出そうとするが、「魔法を張るため」と言うとロランは黙った。
静かになったロランを横目で見ながら、私は2つの魔法陣を展開した。ロランが、驚いているようだけれど気にしない。
魔法を張り終えると、ロランが近づいてくる。
「セリー、防御魔法と防音魔法を掛けて何があった?」
「それは今から話します」
そう答えて、私はドアの近くにある机の椅子に腰をかけた。
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