18 / 58
第2章 冒険者編 ~シャルモンの街~
D級冒険者になりました
しおりを挟む エミリーと私は言葉を交わすことは無かったけど、二人揃って自然とテラスに足が向く。
庭の中でひときわ目立つんだもん。遠目には白で統一された素敵なテーブルセットにブドウの蔦なんてものも見えてて、とても気になるの。
「う、まあ、そうよね」
「お掃除すれば綺麗になりますよ!」
騎士団は週に何度もルルーシュ僻地を訪れるわけではない。
更に訪問しても宿泊しないこともある。
ハウスキーパーがいるわけでもなく……となると汚れ放題になってしまうわよね。
きっとこのお屋敷は貴族の別荘感覚で作ったのだと思う。たまにきて掃除を……となると掃除をしているだけで一日が終わってしまう。
騎士団が宿泊するのはたったの一泊。
つまり……設計と用途が合っていないの。時間はあるのだし、使うところからお掃除すればいいかな。
うー、それにしても地面なら砂がいくらあっても気にならないけど、泥の上に砂が積もってこびりついていると気になるものなのよね。
水で洗い流してゴシゴシとすれば綺麗になるかな?
「ご安心ください」
私の気持ちを察したのかエミリーが胸の前で両手をぎゅっと握りしめる。
彼女のメイド魂に火が付いたのか背後からメラメラとした炎が浮かんでいるような。
わ、私だって、お掃除するんだから。一緒にやろうね、エミリー。
カサリ。
伸び膨大の雑草が不自然に動いたような。
う、ううん。気のせいじゃない。
真っ黒の棒に先に丸い球をつけたようなものがぴょこっとしているのが見えたわ!
「あ、あれ」
「は、はい。動物の何か、でしょうか」
気が付いたのはエミリーと同時だったみたい。
眉をひそめ、お互いに目くばせする。
「や、やっぱり動いた!」
「は、はいい」
しかも、ぴょこぴょこが二本に増えた!
何かしらあれ、水辺に住むぬめっとした生き物にああいう角を持つ生き物がいたかも。
ひゃ、う、うわあ。
黒い頭が出てきた!
ん、でも、意外に可愛いかも。動いてなかったらぬいぐるみに見間違えるかもしれないほど。
その子は毛の生えていない黒と白のツートンカラーで、人間だと髪の毛が生えている部分が黒で顔の部分が白になっている。
さっき見た棒状のものは触覚に当たるのかなあ。
三角の目に鼻がなく唇がない口。
背中から小さな翼が生えていて、長い黒の尻尾を備えていた。胴体と頭のサイズが同じくらいで手足が短い。
宙に浮くその子の大きさは30~40センチくらいだろうか(尻尾を除く)。
「キイ!」
「きゃああ」
黒い二頭身の子が金切り声をあげたから、エミリーと抱き合って悲鳴をあげる。
な、何。可愛い見た目とは裏腹に凶暴なの?
「ル、ル、ルチルさ、様あ。わ、私が、ま、護りま、す」
「う、ううん。エミリーは後ろに。私が出るわ」
「だ、ダメです。ルチル様は魔法が。わ、私が、何とか。むぐう」
「っし!」
エミリーの魔法ならば襲い掛かって来ても護ることはできると思うわ。
だけど、これほど動揺していては、魔法を使うことなんて無理よ。魔法を使うには多少の集中がいるんだもの。
じりじりと睨み合う黒い子と私たち……。
じわりと手に汗が滲み、相手も警戒と緊張から動けないのかと考えたの。
だったら――。
半歩だけ前へ踏み出す。
「キイイイ!」
すると、さっきより遥かに大きな金切り声をあげて、黒い子はぴゅうと飛んで行った。
へなへなと力が抜ける。
さすがに膝が落ちるまではいかなかったけど。
エミリーの肩を支え、「大丈夫?」と目配せする。対する彼女は小さく頷き、胸に手を当てた。
「と、とてもビックリしました。取り乱してしまい、申し訳ありません」
「ううん。私も似たようなものだったもの。一緒だね」
「そ、そうですね」
「うん!」
あははと笑い合う。
これが壁の外なのね。魔法の壁で護られたシルバークリムゾン王国の中では、さっきのような生物に出会うこともない。
あれもきっとモンスターの一種よ。可愛らしいけど。
私たちにはモンスターと出会った経験がない。だから、小さいモンスターでも取り乱してしまう。
今回は幸い強くはないモンスターだったから、逃げて行ってくれたからよかったものの。好戦的なモンスターだったとしたら、と思うとゾッとするわ。
その後、エミリーとしっかり手を繋いで庭の探索に向かう。
内心かなりびくびくしていたから、歩みも遅く小屋を発見したところでレオが戻って来た。
「レオー!」
門のところで待つ彼の姿に安堵し、エミリーと手を繋いだまま駆け寄る。
「おいおい、どうしたんだ?」
「小さな黒いモンスターがいたの!」
「小さな黒い? こう角みたいなのと尻尾が生えた」
「そうそう、翼もあったわ。小さくて見た目は可愛らしい」
「ふむ」と顎に手をやった彼はパチリと指を鳴らす。
「インプだな。ルルーシュ僻地でたまに見かける」
「危ない子なの?」
「直接人間に危害を加えてきたりはしないみたいだぜ。剣を向けると逃げて行く」
「そ、そうなんだ。他にも村の中にモンスターがいたりするの?」
「いんや。インプ以外は見かけねえな。たまに凶暴なのも来るとか聞いたけど、見たことねえや」
「い、いるんだ……」
「村の『外』にな。もし来襲したとしたら、家の中に隠れろ。エミリーの魔法で固めて凌げば何とかなるはずだ」
「が、頑張ります」
青い顔でエミリーがそう言ってくれたけど、声が震えている。
ゆっくりと時間をかけて彼女に落ち着いてもらい、魔法を使ってもらうようにしなきゃ。
彼女が安心して魔法を使えるように手を考えなきゃね。
「レオ、少し付き合ってもらう時間はある?」
「おう。隊長からも出発まではルチルとエミリーを見ててくれと言われて、戻ってきたんだよ」
「ありがとう!」
「俺の代わりに騎士団が荷物を届けてくれるから安心してくれ」
レオが付いていてくれたから、足どり軽くお屋敷の中まで見回ることができたわ。
小屋の中は鋤やクワ、ガーデニングに使うような道具が入っていたけど、錆が浮いていてそのまま使うと怪我をしそうだった。
お屋敷には一通りの家具や食器が置いてあり、こちらは埃で汚れてはいるけど使用するに支障は無さそう。
「これ、紅茶かな?」
「はい! まだ使えそうですよ! ルチル様、お茶にいたしませんか?」
棚の中に銀色の箱があって、開けてみたら中に入っていたのは茶葉だった。
ちょうど一息入れたいと思っていたところだったの。
このお屋敷、今のところ井戸を発見できてないのよね。だから、私だと紅茶を淹れることもできない。
そのため、エミリーが気を利かせて自分から誘ってくれたのね。
「頼んでもいいかしら」
「もちろんです! 先ほどからもう喉がカラカラで」
「レオも一緒にね」
「おお。いいのか」
嬉しそうな顔をしたレオに笑顔で雑巾を渡す。
もちろん、私の分もあるわよ。
「エミリー。先にこっちにお水をお願いできるかしら?」
「え、お二人がお掃除なさるのですか!」
「うん。待っている間にせめて座れるようにしたいなって」
「そ、そんな畏れ多い」
「二人で協力していかなきゃ。お屋敷は広いのよ」
と言うと、納得してくれたのかエミリーがバケツに手をかざす。
庭の中でひときわ目立つんだもん。遠目には白で統一された素敵なテーブルセットにブドウの蔦なんてものも見えてて、とても気になるの。
「う、まあ、そうよね」
「お掃除すれば綺麗になりますよ!」
騎士団は週に何度もルルーシュ僻地を訪れるわけではない。
更に訪問しても宿泊しないこともある。
ハウスキーパーがいるわけでもなく……となると汚れ放題になってしまうわよね。
きっとこのお屋敷は貴族の別荘感覚で作ったのだと思う。たまにきて掃除を……となると掃除をしているだけで一日が終わってしまう。
騎士団が宿泊するのはたったの一泊。
つまり……設計と用途が合っていないの。時間はあるのだし、使うところからお掃除すればいいかな。
うー、それにしても地面なら砂がいくらあっても気にならないけど、泥の上に砂が積もってこびりついていると気になるものなのよね。
水で洗い流してゴシゴシとすれば綺麗になるかな?
「ご安心ください」
私の気持ちを察したのかエミリーが胸の前で両手をぎゅっと握りしめる。
彼女のメイド魂に火が付いたのか背後からメラメラとした炎が浮かんでいるような。
わ、私だって、お掃除するんだから。一緒にやろうね、エミリー。
カサリ。
伸び膨大の雑草が不自然に動いたような。
う、ううん。気のせいじゃない。
真っ黒の棒に先に丸い球をつけたようなものがぴょこっとしているのが見えたわ!
「あ、あれ」
「は、はい。動物の何か、でしょうか」
気が付いたのはエミリーと同時だったみたい。
眉をひそめ、お互いに目くばせする。
「や、やっぱり動いた!」
「は、はいい」
しかも、ぴょこぴょこが二本に増えた!
何かしらあれ、水辺に住むぬめっとした生き物にああいう角を持つ生き物がいたかも。
ひゃ、う、うわあ。
黒い頭が出てきた!
ん、でも、意外に可愛いかも。動いてなかったらぬいぐるみに見間違えるかもしれないほど。
その子は毛の生えていない黒と白のツートンカラーで、人間だと髪の毛が生えている部分が黒で顔の部分が白になっている。
さっき見た棒状のものは触覚に当たるのかなあ。
三角の目に鼻がなく唇がない口。
背中から小さな翼が生えていて、長い黒の尻尾を備えていた。胴体と頭のサイズが同じくらいで手足が短い。
宙に浮くその子の大きさは30~40センチくらいだろうか(尻尾を除く)。
「キイ!」
「きゃああ」
黒い二頭身の子が金切り声をあげたから、エミリーと抱き合って悲鳴をあげる。
な、何。可愛い見た目とは裏腹に凶暴なの?
「ル、ル、ルチルさ、様あ。わ、私が、ま、護りま、す」
「う、ううん。エミリーは後ろに。私が出るわ」
「だ、ダメです。ルチル様は魔法が。わ、私が、何とか。むぐう」
「っし!」
エミリーの魔法ならば襲い掛かって来ても護ることはできると思うわ。
だけど、これほど動揺していては、魔法を使うことなんて無理よ。魔法を使うには多少の集中がいるんだもの。
じりじりと睨み合う黒い子と私たち……。
じわりと手に汗が滲み、相手も警戒と緊張から動けないのかと考えたの。
だったら――。
半歩だけ前へ踏み出す。
「キイイイ!」
すると、さっきより遥かに大きな金切り声をあげて、黒い子はぴゅうと飛んで行った。
へなへなと力が抜ける。
さすがに膝が落ちるまではいかなかったけど。
エミリーの肩を支え、「大丈夫?」と目配せする。対する彼女は小さく頷き、胸に手を当てた。
「と、とてもビックリしました。取り乱してしまい、申し訳ありません」
「ううん。私も似たようなものだったもの。一緒だね」
「そ、そうですね」
「うん!」
あははと笑い合う。
これが壁の外なのね。魔法の壁で護られたシルバークリムゾン王国の中では、さっきのような生物に出会うこともない。
あれもきっとモンスターの一種よ。可愛らしいけど。
私たちにはモンスターと出会った経験がない。だから、小さいモンスターでも取り乱してしまう。
今回は幸い強くはないモンスターだったから、逃げて行ってくれたからよかったものの。好戦的なモンスターだったとしたら、と思うとゾッとするわ。
その後、エミリーとしっかり手を繋いで庭の探索に向かう。
内心かなりびくびくしていたから、歩みも遅く小屋を発見したところでレオが戻って来た。
「レオー!」
門のところで待つ彼の姿に安堵し、エミリーと手を繋いだまま駆け寄る。
「おいおい、どうしたんだ?」
「小さな黒いモンスターがいたの!」
「小さな黒い? こう角みたいなのと尻尾が生えた」
「そうそう、翼もあったわ。小さくて見た目は可愛らしい」
「ふむ」と顎に手をやった彼はパチリと指を鳴らす。
「インプだな。ルルーシュ僻地でたまに見かける」
「危ない子なの?」
「直接人間に危害を加えてきたりはしないみたいだぜ。剣を向けると逃げて行く」
「そ、そうなんだ。他にも村の中にモンスターがいたりするの?」
「いんや。インプ以外は見かけねえな。たまに凶暴なのも来るとか聞いたけど、見たことねえや」
「い、いるんだ……」
「村の『外』にな。もし来襲したとしたら、家の中に隠れろ。エミリーの魔法で固めて凌げば何とかなるはずだ」
「が、頑張ります」
青い顔でエミリーがそう言ってくれたけど、声が震えている。
ゆっくりと時間をかけて彼女に落ち着いてもらい、魔法を使ってもらうようにしなきゃ。
彼女が安心して魔法を使えるように手を考えなきゃね。
「レオ、少し付き合ってもらう時間はある?」
「おう。隊長からも出発まではルチルとエミリーを見ててくれと言われて、戻ってきたんだよ」
「ありがとう!」
「俺の代わりに騎士団が荷物を届けてくれるから安心してくれ」
レオが付いていてくれたから、足どり軽くお屋敷の中まで見回ることができたわ。
小屋の中は鋤やクワ、ガーデニングに使うような道具が入っていたけど、錆が浮いていてそのまま使うと怪我をしそうだった。
お屋敷には一通りの家具や食器が置いてあり、こちらは埃で汚れてはいるけど使用するに支障は無さそう。
「これ、紅茶かな?」
「はい! まだ使えそうですよ! ルチル様、お茶にいたしませんか?」
棚の中に銀色の箱があって、開けてみたら中に入っていたのは茶葉だった。
ちょうど一息入れたいと思っていたところだったの。
このお屋敷、今のところ井戸を発見できてないのよね。だから、私だと紅茶を淹れることもできない。
そのため、エミリーが気を利かせて自分から誘ってくれたのね。
「頼んでもいいかしら」
「もちろんです! 先ほどからもう喉がカラカラで」
「レオも一緒にね」
「おお。いいのか」
嬉しそうな顔をしたレオに笑顔で雑巾を渡す。
もちろん、私の分もあるわよ。
「エミリー。先にこっちにお水をお願いできるかしら?」
「え、お二人がお掃除なさるのですか!」
「うん。待っている間にせめて座れるようにしたいなって」
「そ、そんな畏れ多い」
「二人で協力していかなきゃ。お屋敷は広いのよ」
と言うと、納得してくれたのかエミリーがバケツに手をかざす。
10
お気に入りに追加
1,392
あなたにおすすめの小説
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!
みん
恋愛
双子の姉として生まれたエヴィ。双子の妹のリンディは稀な光の魔力を持って生まれた為、体が病弱だった。両親からは愛されているとは思うものの、両親の関心はいつも妹に向いていた。
妹は、病弱だから─と思う日々が、5歳のとある日から日常が変わっていく事になる。
今迄関わる事のなかった異母姉。
「私が、お姉様を幸せにするわ!」
その思いで、エヴィが斜め上?な我儘令嬢として奮闘しているうちに、思惑とは違う流れに─そんなお話です。
最初の方はシリアスで、恋愛は後程になります。
❋主人公以外の他視点の話もあります。
❋独自の設定や、相変わらずのゆるふわ設定なので、ゆるーく読んでいただけると嬉しいです。ゆるーく読んで下さい(笑)。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
愛を語れない関係【完結】
迷い人
恋愛
婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。
そして、時が戻った。
だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる