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第2章 冒険者編 ~シャルモンの街~
ロランと模擬戦をしました
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昇級試験は準備もあるので明日という事になる。
本当は、推薦者→ギルド職員→ギルド長の順で、最終的に決定するのがギルド長だ。
だから本当は、昇級試験を受ける判断は数日ほどかかるらしいのだが……
「ん?僕が推薦するから、セリーくんの昇級試験はもう決定だよ」
と笑顔で言われて、私は撃沈した。
そしてついでと言わんばかりに、訓練場を貸してくれるという。
「今日は予約していた人もいないし、明日セリーくんも昇級試験だし使いなよ。それに、ロランくんとセリーくんも、お互いの実力を知っていた方が良いって。あ、貸し切りにしておくから!」
と早口で一気に言ったと思ったら、すぐにマリオンさんを呼び出し、訓練場の手続きまでしてしまった。
恐るべし、ギルド長の権力。
お言葉に甘えて、訓練場を借りることにした。
ちなみに報酬は昇級試験後に一緒に渡す手筈となっているらしい。
「じゃあ、ごゆっくり~」
と手を振ってギルド長は去っていった。
「折角の時間だ。セリーに俺のステータスを教えるよ」
ロランはLv35 だ。この歳(20)でそのレベルは高いらしい。そして使用できる魔法は風魔法のみ。無属性魔法もいくつか使えるようだ。
そういえば、さっきドアに外から開けられないように施錠魔法の魔法も使ってたっけ。
カードを見るだけでは分からないだろうと、いくつか風魔法を使ってくれた。
正直、もったいない。磨けば無詠唱もできると思う。
魔力の量はそこまで多くは無いけれども、魔力操作が上手くできれば別に問題ない。
「見た通り武器は剣だ。基本は魔法を使わない、昔パーティーを組んでいた時は前衛を担当した。正直今でも剣があれば充分だが、念の為魔法の訓練はしている。セリーも教えられる範囲で教えてくれ」
と言われたので、教える。3属性+光魔法が使えること、Lvは45であること。
最初は目が飛び出るくらい驚いていたようだが、しばらくすると納得したような顔になっている。
「なるほどな。ギルド長が推薦するわけだ」
といって頷かれたけれども、どういうことなのだろう?
悩んでいる私の顔を不審に思ったらしいロランが、笑いながら私に問いかけてくる。
「セリーはさ、何で俺らが昇級試験に推薦したか分からないんだろう?きっと」
首を縦に振る。私なんてお母様と比べればまだまだだと思っている。
「俺らのような普通の冒険者から見れば、セリーはA級冒険者以上の部類に入るからだよ」
そう言われて思わず顔を顰める。
「セリーの普通は普通じゃないってことだ。前に火魔法を見せたウスターシュが冒険者の平均だ」
少しだけ理解できた気がする。
私の周りにいた人、特に家族は全員A級以上の冒険者だ。それが普通かと言われれば、普通でないのかもしれない。
「納得しました」と答えたら、ロランは嬉しそうに私の頭をクシャっと撫でた。
「能力の確認も終えたし、次は何かしたいことがあるか?」
ロランが私に尋ねる。
この際だからと私は思い切って聞いてみることにした。
「私と模擬戦をしてくれませんか?」
「分かった」
返事がとても早い。ロランは後ろのリュックから剣を2本取り出す。
「一応剣は木刀を持っているが……セリーは魔法で戦うか?」
「剣も訓練はしたので、木刀で戦います」
そして剣での模擬戦が始まった。
ロランと戦ってみて思う事。やはり強い。
前衛を担当してきたからであろう、フェイントの掛け方、私が剣を受けたときの対処……
どれをとっても素晴らしい。
私がロランに劣っているとしたら力と経験だ。ロランもそれを分かっているから、少しだけ力押の攻撃になっている。
今も私はロランの頭上からの剣の攻撃を剣を横にして受けている。
そしてニタリ、とロランが笑う。
「思った以上にセリーは剣が使えるな、驚いたぞ」
その声が終わると同時に、私たちは間合いを取る。そして私が攻撃に走る。
ロランは動かない。そして私から視線を外さない。
ロランの目の前で少しだけ飛び上がり、渾身の力を込めて木刀を振るう。ロランもそれに気づいていたようで、剣で受けた。
「あっ」
思わず声が出てしまった。私の木刀は、折れている。
呆然と折れた木刀を見ていた私に、ロランは首をかしげて声をかけてきた。
「俺の勝ちだが……セリー、強化の魔法を何故使わなかったんだ?」
そう、木刀に強化魔法の魔法を掛ければよかったのだ。
久しぶりに剣を持ったから忘れていた……これはお母様に怒られる案件だ。
素直に忘れていた、と声を掛ければロランは苦笑い。
「セリーは強いが、忘れやすいのと迷子になるのが心配だな」
同じことをお兄様にも言われたことがある気がする……
だから、どうしたら迷子は治るのか?と聞いて、私はロランを困らせてしまったのだった。
ちなみに昇級試験もロランとの対決だった。
私たちは口をあんぐり開けて、ギルド長を睨んだのだった。
本当は、推薦者→ギルド職員→ギルド長の順で、最終的に決定するのがギルド長だ。
だから本当は、昇級試験を受ける判断は数日ほどかかるらしいのだが……
「ん?僕が推薦するから、セリーくんの昇級試験はもう決定だよ」
と笑顔で言われて、私は撃沈した。
そしてついでと言わんばかりに、訓練場を貸してくれるという。
「今日は予約していた人もいないし、明日セリーくんも昇級試験だし使いなよ。それに、ロランくんとセリーくんも、お互いの実力を知っていた方が良いって。あ、貸し切りにしておくから!」
と早口で一気に言ったと思ったら、すぐにマリオンさんを呼び出し、訓練場の手続きまでしてしまった。
恐るべし、ギルド長の権力。
お言葉に甘えて、訓練場を借りることにした。
ちなみに報酬は昇級試験後に一緒に渡す手筈となっているらしい。
「じゃあ、ごゆっくり~」
と手を振ってギルド長は去っていった。
「折角の時間だ。セリーに俺のステータスを教えるよ」
ロランはLv35 だ。この歳(20)でそのレベルは高いらしい。そして使用できる魔法は風魔法のみ。無属性魔法もいくつか使えるようだ。
そういえば、さっきドアに外から開けられないように施錠魔法の魔法も使ってたっけ。
カードを見るだけでは分からないだろうと、いくつか風魔法を使ってくれた。
正直、もったいない。磨けば無詠唱もできると思う。
魔力の量はそこまで多くは無いけれども、魔力操作が上手くできれば別に問題ない。
「見た通り武器は剣だ。基本は魔法を使わない、昔パーティーを組んでいた時は前衛を担当した。正直今でも剣があれば充分だが、念の為魔法の訓練はしている。セリーも教えられる範囲で教えてくれ」
と言われたので、教える。3属性+光魔法が使えること、Lvは45であること。
最初は目が飛び出るくらい驚いていたようだが、しばらくすると納得したような顔になっている。
「なるほどな。ギルド長が推薦するわけだ」
といって頷かれたけれども、どういうことなのだろう?
悩んでいる私の顔を不審に思ったらしいロランが、笑いながら私に問いかけてくる。
「セリーはさ、何で俺らが昇級試験に推薦したか分からないんだろう?きっと」
首を縦に振る。私なんてお母様と比べればまだまだだと思っている。
「俺らのような普通の冒険者から見れば、セリーはA級冒険者以上の部類に入るからだよ」
そう言われて思わず顔を顰める。
「セリーの普通は普通じゃないってことだ。前に火魔法を見せたウスターシュが冒険者の平均だ」
少しだけ理解できた気がする。
私の周りにいた人、特に家族は全員A級以上の冒険者だ。それが普通かと言われれば、普通でないのかもしれない。
「納得しました」と答えたら、ロランは嬉しそうに私の頭をクシャっと撫でた。
「能力の確認も終えたし、次は何かしたいことがあるか?」
ロランが私に尋ねる。
この際だからと私は思い切って聞いてみることにした。
「私と模擬戦をしてくれませんか?」
「分かった」
返事がとても早い。ロランは後ろのリュックから剣を2本取り出す。
「一応剣は木刀を持っているが……セリーは魔法で戦うか?」
「剣も訓練はしたので、木刀で戦います」
そして剣での模擬戦が始まった。
ロランと戦ってみて思う事。やはり強い。
前衛を担当してきたからであろう、フェイントの掛け方、私が剣を受けたときの対処……
どれをとっても素晴らしい。
私がロランに劣っているとしたら力と経験だ。ロランもそれを分かっているから、少しだけ力押の攻撃になっている。
今も私はロランの頭上からの剣の攻撃を剣を横にして受けている。
そしてニタリ、とロランが笑う。
「思った以上にセリーは剣が使えるな、驚いたぞ」
その声が終わると同時に、私たちは間合いを取る。そして私が攻撃に走る。
ロランは動かない。そして私から視線を外さない。
ロランの目の前で少しだけ飛び上がり、渾身の力を込めて木刀を振るう。ロランもそれに気づいていたようで、剣で受けた。
「あっ」
思わず声が出てしまった。私の木刀は、折れている。
呆然と折れた木刀を見ていた私に、ロランは首をかしげて声をかけてきた。
「俺の勝ちだが……セリー、強化の魔法を何故使わなかったんだ?」
そう、木刀に強化魔法の魔法を掛ければよかったのだ。
久しぶりに剣を持ったから忘れていた……これはお母様に怒られる案件だ。
素直に忘れていた、と声を掛ければロランは苦笑い。
「セリーは強いが、忘れやすいのと迷子になるのが心配だな」
同じことをお兄様にも言われたことがある気がする……
だから、どうしたら迷子は治るのか?と聞いて、私はロランを困らせてしまったのだった。
ちなみに昇級試験もロランとの対決だった。
私たちは口をあんぐり開けて、ギルド長を睨んだのだった。
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