7 / 42
第1章 親から幸せを…
第7話 プレゼント買いに行かない?
しおりを挟む
「あつーい!」
そう言いながら進吾が学校から帰ってきた。外の気温は30度で晴れていた。
「おかえりー、ちゃんと水飲みなよ?」
「はーい」
そう返事をしながらランドセルを置き、手を洗いに行った。戻ってくると水飲み、扇風機の前をサッと座った。
「あしたからなつ休みだー!!」
元気良く、扇風機に向かって言っていた。今日は1学期最後の登校日であり、終業式であった。
「進吾ー、夏休み何日までなのー?」
「わかんなーい」
そう言われたため、仕方なくカレンダーを確認する。
「えーっと…8月の…19日か」
「そうだったかもー」
「もー、自分で把握しといてよー」
7月の予定を見ていると、ハッと思い出したことがあった。
「そういやパパの誕生日もうすぐだったね」
「へぇー、何日?」
「7月22日だよ。無関心すぎない?」
「はじめてしったー」
「去年もお祝いしたでしょー?」
半分飽きれ気味に答えながらも、想像以上に進吾が興味を持っていなかったことに衝撃を受けた。去年は遊園地に出掛けて、ケーキを買って一緒に食べた思い出がある。おそらく遊園地の記憶でいっぱいで、旦那の誕生日を忘れている…と勝手に解釈をした。せめて私の誕生日だけは覚えていて欲しい…と切に願う…
「せっかくだしプレゼント買いに行かない?進吾が好きなもの選んでいいよ」
「わかったー」
「パパには秘密だからね?」
「はーい」
「じゃあちょっと涼んでから買いに行こうね」
きっと息子から旦那への誕生日プレゼントは最後になってしまうだろう。やはり私はどうしてもネガティブに考えてしまう…ただ、突然のお別れになってしまって貰えなかったよりはまだ良いだろう。そう考えることにした。
「なにあげようかなー!」
ショッピングモールに着いた進吾は誕プレ選びに乗り気なようで、ワクワクしていた。
「やっぱずっと使えるものとかが良いんじゃない?」
「うーん…たとえば?」
「そうだなー…ペンとか?ハンカチとか?」
「なんこでもいいの?」
「別にいいよ。すごい高いものはダメだけど…」
進吾は少し考えた後、買うものを決めた。
「じゃあハンカチとキーホルダーにする」
「OK、買いに行こっか」
まずはハンカチを買いに行くことにした。店に着くと、進吾は色んな種類のハンカチに悩んでいた。考えた末に、黒と紺色のかっこいいハンカチを買うことにした。ついでに進吾用のも買っておいた。
「そういえばなんでキーホルダー買おうと思ったの?」
「えー、パパがかぎをなくしそうだから」
聞いた途端にふと笑ってしまった。たまに旦那は"車や家の鍵がない"と家中を探す時がある。そして私が
「キーホルダーとか買えばいいのにね」
と進吾に最近言ったからであろう。子供はそういうことを良く覚えているなと実感した。
その後は良さそうな物があるまで数店舗回った。少し時間はかかったが、やっと気に入ったものを見つけられたようだ。
「これにする!」
元気に買うキーホルダーを手に取り、渡してきた。進吾が選んだものはおしゃれなブラウン色の革のキーボードだった。そしてそれには小さな写真を入れるスペースがあった。これはなかなかセンスが良いと思った。
会計を済ませて車に乗り込む。帰ってる頃はすっかり夕暮れだった。帰りながら、私たちは渡した時の旦那の反応を予想して、ウキウキとしていた。
そう言いながら進吾が学校から帰ってきた。外の気温は30度で晴れていた。
「おかえりー、ちゃんと水飲みなよ?」
「はーい」
そう返事をしながらランドセルを置き、手を洗いに行った。戻ってくると水飲み、扇風機の前をサッと座った。
「あしたからなつ休みだー!!」
元気良く、扇風機に向かって言っていた。今日は1学期最後の登校日であり、終業式であった。
「進吾ー、夏休み何日までなのー?」
「わかんなーい」
そう言われたため、仕方なくカレンダーを確認する。
「えーっと…8月の…19日か」
「そうだったかもー」
「もー、自分で把握しといてよー」
7月の予定を見ていると、ハッと思い出したことがあった。
「そういやパパの誕生日もうすぐだったね」
「へぇー、何日?」
「7月22日だよ。無関心すぎない?」
「はじめてしったー」
「去年もお祝いしたでしょー?」
半分飽きれ気味に答えながらも、想像以上に進吾が興味を持っていなかったことに衝撃を受けた。去年は遊園地に出掛けて、ケーキを買って一緒に食べた思い出がある。おそらく遊園地の記憶でいっぱいで、旦那の誕生日を忘れている…と勝手に解釈をした。せめて私の誕生日だけは覚えていて欲しい…と切に願う…
「せっかくだしプレゼント買いに行かない?進吾が好きなもの選んでいいよ」
「わかったー」
「パパには秘密だからね?」
「はーい」
「じゃあちょっと涼んでから買いに行こうね」
きっと息子から旦那への誕生日プレゼントは最後になってしまうだろう。やはり私はどうしてもネガティブに考えてしまう…ただ、突然のお別れになってしまって貰えなかったよりはまだ良いだろう。そう考えることにした。
「なにあげようかなー!」
ショッピングモールに着いた進吾は誕プレ選びに乗り気なようで、ワクワクしていた。
「やっぱずっと使えるものとかが良いんじゃない?」
「うーん…たとえば?」
「そうだなー…ペンとか?ハンカチとか?」
「なんこでもいいの?」
「別にいいよ。すごい高いものはダメだけど…」
進吾は少し考えた後、買うものを決めた。
「じゃあハンカチとキーホルダーにする」
「OK、買いに行こっか」
まずはハンカチを買いに行くことにした。店に着くと、進吾は色んな種類のハンカチに悩んでいた。考えた末に、黒と紺色のかっこいいハンカチを買うことにした。ついでに進吾用のも買っておいた。
「そういえばなんでキーホルダー買おうと思ったの?」
「えー、パパがかぎをなくしそうだから」
聞いた途端にふと笑ってしまった。たまに旦那は"車や家の鍵がない"と家中を探す時がある。そして私が
「キーホルダーとか買えばいいのにね」
と進吾に最近言ったからであろう。子供はそういうことを良く覚えているなと実感した。
その後は良さそうな物があるまで数店舗回った。少し時間はかかったが、やっと気に入ったものを見つけられたようだ。
「これにする!」
元気に買うキーホルダーを手に取り、渡してきた。進吾が選んだものはおしゃれなブラウン色の革のキーボードだった。そしてそれには小さな写真を入れるスペースがあった。これはなかなかセンスが良いと思った。
会計を済ませて車に乗り込む。帰ってる頃はすっかり夕暮れだった。帰りながら、私たちは渡した時の旦那の反応を予想して、ウキウキとしていた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ぼくたちは異世界に行った
板倉恭司
ファンタジー
偶然、同じバスに乗り合わせた男たち──最強のチンピラ、最凶のヤクザ、最狂のビジネスマン、最弱のニート──は突然、異世界へと転移させられる。彼らは元の世界に帰るため、怪物の蠢く残酷な世界で旅をしていく。
この世界は優しくない。剥き出しの残酷さが、容赦なく少年の心を蝕んでいく……。
「もし、お前が善人と呼ばれる弱者を救いたいと願うなら……いっそ、お前が悪人になれ。それも、悪人の頂点にな。そして、得た力で弱者を救ってやれ」
この世界は、ぼくたちに何をさせようとしているんだ?
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
【短編集2】恋のかけらたち
美和優希
恋愛
魔法のiらんどの企画で書いた恋愛小説の短編集です。
甘々から切ない恋まで
いろんなテーマで書いています。
【収録作品】
1.百年後の未来に、きみと(2020.04.24)
→誕生日に、彼女からどこにでも行ける魔法のチケットをもらって──!?
魔法のiらんど企画「#つながる魔法で続きをつくろう」 で書いたSSです。
2.優しい鈴の音と鼓動(2020.11.08)
→幼なじみの凪くんは最近機嫌が悪そうで意地悪で冷たい。嫌われてしまったのかと思っていたけれど──。
3.歌声の魔法(2020.11.15)
→地味で冴えない女子の静江は、いつも麗奈をはじめとしたクラスメイトにいいように使われていた。そんなある日、イケメンで不真面目な男子として知られる城野に静江の歌と麗奈への愚痴を聞かれてしまい、麗奈をギャフンと言わせる作戦に参加させられることになって──!?
4.もしも突然、地球最後の日が訪れたとしたら……。(2020.11.23)
→“もしも”なんて来てほしくないけれど、地球消滅の危機に直面した二人が最後に見せたものは──。
5.不器用なサプライズ(2021.01.08)
→今日は彼女と付き合い始めて一周年の記念日。それなのに肝心のサプライズの切り出し方に失敗してしまって……。
*()内は初回公開・完結日です。
*いずれも「魔法のiらんど」で公開していた作品になります。サービス終了に伴い、ページ分けは当時のままの状態で公開しています。
*現在は全てアルファポリスのみの公開です。
アルファポリスでの公開日*2025.02.11
表紙画像は、イラストAC(がらくった様)の画像に文字入れをして使わせていただいてます。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる