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呪われの旅仕度編
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振り返ると着替えを済ませたアリシアがモニカさんと共に戻ってきた。
「おぉぉっ! パティ君、よく似合ってるじゃない! その格好!」
「えへへへ、カッコイイでしょ。モニカさん」
「うーん、やっぱり一式揃えると印象がグッと変わってくるねー! 町の少年パティ君から、旅の少年パティ君になっちゃった!」
「それは……良くなったの、かな?」
「ん? あっはは! 分かんない! でもーーーー男らしくなったと思うよ?」
と、自身のアゴに手を当て何やら含みのある笑いを浮かべるモニカさん。
「ーーーーっ⁉︎」
パティは顔を真っ赤にしてうつむき、己が下唇を噛みつつ笑っている。
そんな奇妙な行動からパティの心を読み解くに、恐らく一人の男として認められた事は嬉しいが、一人前の男がそのくらいの褒め言葉でへらへら笑うのはおかしいので、自身の下唇を噛んでどうにか静止を掛けようとしたのだが、喜びがどうにも抑えられず口元に漏れてしまい、この度のような奇妙な結果になってしまったのだろうと、俺はなんとなくそう思った。
いや、
たぶん当たりだな。
「あっはは! パティ君もそうなんだけど、こっちのアリシアちゃんもよく見てあげて。すっごい可愛いんだから! 私が十代の頃にそっくりなんだから!」
そう、モニカさんに促され若干の疑問や違和感といったものを感じつつもアリシアを視界に捉える。
すると、アリシアもアリシアでパティと同じくうつむいており顔を真っ赤にしている。
恥ずかしさに耐えるアリシアの顔は見ているだけで、ついつい抱きしめてしまいたくなるほどの可愛いさなのだが、ドイルさんの例の手刀《豪快すぎる木こりの手斧》が脳裏にちらつき、何とか思いとどまった。
視界正面、アリシアを凝視する。
深い森を想起させる落ち着いた雰囲気のグリーンマント、清潔感のある柔らかいベージュのビスチェ、各所に可愛らしく添えられた幼さを思わせるピンクがアリシアのイメージによく合っている。
「おぉっー! アリシア! よく似合っているよ!」
「そう……ですか? 何だか恥ずかしいです……」
「しかし、なんとなくイメージしていた感じと違うな……。もっと女の子っぽい感じの格好になるものだとばかり思っていたよ」
俺の発言に対しアリシアは微かな苦笑いを浮かべて、
「町に遊びに行くんじゃないんですから……それに、」
ディープグリーンのマントはお母さん達が普段から愛用している物でもありますから。と、ちゃんと小声で付け足すアリシア。
ふむ。エルフ達はディープグリーンのマントを愛用しているのか。
森の中で、グリーンマントを風になびかせているエルフの姿を想像すると、なんだかもの凄く神秘的で格好いい姿になってしまった。
絵本に登場するエルフの印象がどうしても前に前に出てきてしまうので、そういう想像をしてしまうのは仕方のない事ではあるが。
しかし、いつか会えるのなら会ってみたいものだ。
伝説に語り継がれる奇跡の生命体ーーーーエルフ族。
「わぁ! パティ君、まるでお城の護衛騎士団みたい! それにじろうちゃんのスカーフも素敵!」
「えっへへへ!」
「おっほっほっー!」
「お姉ちゃんも前よりずっと大人っぽく見えて綺麗だよ!」
それぞれの身なりの変化に嬉しさと恥ずかしさを織り交ぜつつ会話がよくはずんでいる。
俺はそんな光景を少し離れた場所から見つめるのが好きだ。
装備品は単に能力値を上げるものでなく、パーティー内の雰囲気まで変える効果がある。
新しい格好、新しい気持ち、新しい目標。
それらはパーティー内の行動力を高めてくれる重要なファクターなのだ。
「よーっし! それでは参ろうではないかっ! 心ときめく大冒険へ!」
「「はいっ!」」
新たな装いになって、俺達は歩き出した。
「おぉぉっ! パティ君、よく似合ってるじゃない! その格好!」
「えへへへ、カッコイイでしょ。モニカさん」
「うーん、やっぱり一式揃えると印象がグッと変わってくるねー! 町の少年パティ君から、旅の少年パティ君になっちゃった!」
「それは……良くなったの、かな?」
「ん? あっはは! 分かんない! でもーーーー男らしくなったと思うよ?」
と、自身のアゴに手を当て何やら含みのある笑いを浮かべるモニカさん。
「ーーーーっ⁉︎」
パティは顔を真っ赤にしてうつむき、己が下唇を噛みつつ笑っている。
そんな奇妙な行動からパティの心を読み解くに、恐らく一人の男として認められた事は嬉しいが、一人前の男がそのくらいの褒め言葉でへらへら笑うのはおかしいので、自身の下唇を噛んでどうにか静止を掛けようとしたのだが、喜びがどうにも抑えられず口元に漏れてしまい、この度のような奇妙な結果になってしまったのだろうと、俺はなんとなくそう思った。
いや、
たぶん当たりだな。
「あっはは! パティ君もそうなんだけど、こっちのアリシアちゃんもよく見てあげて。すっごい可愛いんだから! 私が十代の頃にそっくりなんだから!」
そう、モニカさんに促され若干の疑問や違和感といったものを感じつつもアリシアを視界に捉える。
すると、アリシアもアリシアでパティと同じくうつむいており顔を真っ赤にしている。
恥ずかしさに耐えるアリシアの顔は見ているだけで、ついつい抱きしめてしまいたくなるほどの可愛いさなのだが、ドイルさんの例の手刀《豪快すぎる木こりの手斧》が脳裏にちらつき、何とか思いとどまった。
視界正面、アリシアを凝視する。
深い森を想起させる落ち着いた雰囲気のグリーンマント、清潔感のある柔らかいベージュのビスチェ、各所に可愛らしく添えられた幼さを思わせるピンクがアリシアのイメージによく合っている。
「おぉっー! アリシア! よく似合っているよ!」
「そう……ですか? 何だか恥ずかしいです……」
「しかし、なんとなくイメージしていた感じと違うな……。もっと女の子っぽい感じの格好になるものだとばかり思っていたよ」
俺の発言に対しアリシアは微かな苦笑いを浮かべて、
「町に遊びに行くんじゃないんですから……それに、」
ディープグリーンのマントはお母さん達が普段から愛用している物でもありますから。と、ちゃんと小声で付け足すアリシア。
ふむ。エルフ達はディープグリーンのマントを愛用しているのか。
森の中で、グリーンマントを風になびかせているエルフの姿を想像すると、なんだかもの凄く神秘的で格好いい姿になってしまった。
絵本に登場するエルフの印象がどうしても前に前に出てきてしまうので、そういう想像をしてしまうのは仕方のない事ではあるが。
しかし、いつか会えるのなら会ってみたいものだ。
伝説に語り継がれる奇跡の生命体ーーーーエルフ族。
「わぁ! パティ君、まるでお城の護衛騎士団みたい! それにじろうちゃんのスカーフも素敵!」
「えっへへへ!」
「おっほっほっー!」
「お姉ちゃんも前よりずっと大人っぽく見えて綺麗だよ!」
それぞれの身なりの変化に嬉しさと恥ずかしさを織り交ぜつつ会話がよくはずんでいる。
俺はそんな光景を少し離れた場所から見つめるのが好きだ。
装備品は単に能力値を上げるものでなく、パーティー内の雰囲気まで変える効果がある。
新しい格好、新しい気持ち、新しい目標。
それらはパーティー内の行動力を高めてくれる重要なファクターなのだ。
「よーっし! それでは参ろうではないかっ! 心ときめく大冒険へ!」
「「はいっ!」」
新たな装いになって、俺達は歩き出した。
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