124 / 135
ベネツィ大食い列伝
34
しおりを挟む
「ぜ……全部?」
「はい。みんな寝てたから独り占めしちゃいました」
「で、で、でも……かなりの量だったよね?」
「ですねー。杏仁豆腐が運ばれて来た時は私もびっくりしました。こんなにたくさん食べていいの⁉︎ って、内心飛び跳ねちゃってましたから」
あ、そっちでびっくりするんだね。特大のカモが特大のネギを背負ってやって来た、みたいな。
さすが女子って感じだ。
俺には最悪のラスボスとしか見えなかったけど、アリシアにはここまで頑張ったご褒美に見えたんだね。
そんな見方をされたんじゃ、あの杏仁豆腐も形無しだ。
「しかし、あの状況からよく全部食べられたね。結構お腹パンパンだったんじゃない?」
「はい。もう三日は何も食べなくていいや、って思ってたんですけど杏仁豆腐を一目見たら何だかもう少し入るかなって思えてきて……それで一口食べてみたらとっても美味しくて、予選からずっと揚げ物とか味の濃いものばかり食べてきたじゃないですか? だから杏仁豆腐で口の中がスッキリして気が付いたらもうほとんど残ってなくて、タケルさん達のために少し残しとかないとって思ったんですけど……誘惑に負けちゃいました。だからごめんなさい」
なるほど、そう言う事か。
満腹状態であるにもかかわらず食べられた理由。
ーーーー女子の別腹。
好物を目の前にして食べたいとは思うのだが、胃の中はすでに許容限界。
食べたいが、食べられない。
食べられないが、食べたい。
そんな矛盾を何とかしようと太古の時代にとある女性が編み出したのが、かの有名な《欲張り女子の食事法!》である。
言わずとしれたその能力は許容限界を迎えた胃に直接作用し、食べたい物を受け入れる為のスペースを無理矢理に作り出すご都合主義よろしくの必殺技である。
それから長き時を、時代を渡って伝承され続け女性のみならず男性も《欲張り女子の食事法!》を習得するに至った。
男性の場合は《酒池肉林への羨望!》とでも言うべきか?
かくして、欲張りなわがまま女性の苦肉の策から生まれたこの必殺技は、食料の乏しい冬季を生き延びるための栄養確保手段として一躍かっていたのはあまり知られていない事実である。
つまり、欲張り女性のわがままが人類の生命維持能力を一ステージ向上させたのである。
しかし、太古の時代から受け継がれ改良され続けてきたとはいえ、あれほどのレベルのものをまさかこんな所で拝めるとは思いもしなかった……。
女性の底知れない食欲、と言ったところか。
と、まあ。俺達のチームが見事に優勝した経緯も、杏仁豆腐消失の謎も溶けた。
と言うことは?
「タケルさん、いつまでもそんな所にいないで早く上がってきて下さいよ! 何だか予選から決勝までほとんどの料理を私一人で食べたみたいな雰囲気になってるんですから、早く誤解を解いて下さいよ! すっごい食いしん坊みたいで恥ずかしいんですから!」
「あ、あぁ……そうだね。ちょっと待っててくれ、パティとじろうも連れてくるから!」
「早くして下さいよー!」
俺は急ぎ選手席へと戻り、未だ眠るじろうとパティを抱きかかえてアリシアの元へと走った。
俺達のチーム全員が高台の上に揃うと更に多くの観客や新聞の取材陣から取り囲まれ、怒涛の質問責めに合った。
眼下に広がる群集から視線をきって、ふいに視線を上げた高台から見える景色はとても新鮮で心が躍るものだった。
実況席ではカルロス様の鼻ちょうちんが自身の身体を浮かせようとしていたり、特設キッチンでは役目を終えた調理スタッフが芝生の上に大の字になって倒れ込んでいる、また選手席ではカルロス餃子を持ったまま気絶した大柄な謎の女性、未だ腕組みしたままでいるデュークと顔色が真緑に変色しテーブルに突っ伏したシド、身体中汗だくで未だに食べ続けようとするおデブちゃん達、今しがたようやく入れ歯を発見しこれから四品に挑もうとする御老人。
こうして愉快な人々による、愉快な大食い大会はようやく終わりを迎えた。
その後、頃合いだと判断したのかセバス・チャンタロウのその見事なまでの洗練された動きから放たれる一撃により、敢えなくカルロス様の鼻ちょうちんは破裂してしまった。
破裂の衝撃でようやく目を覚ましたカルロス様より、念願の優勝商品、屋台(博多一号)が授与される事となった。
カルロス様は屋台(博多一号)が飾られている特設ステージへと上がると、まるで少年のように目を輝かせ屋台のあちこちを触り、何やら楽しまれている。側近のセバス・チャンタロウはこちらへ手を向けて合図を送っており、その合図からは『しばし、待て』というセバス・チャンタロウの意図を汲み取れた。
しかし、カルロス様は開発に掛かる費用をかなり負担したと聞いていたのだが、完成品を見るのはこれが始めてなのだろうか? やがて、
ガッタン!
と、特設ステージの方から非常に大きな音がしてみんなの視線に心配の色が見え出した。
カタタタ、カタタターーーー
屋台の車輪が回り始め、屋台が後退し始めたように思えた。
バキッ! バキキッ! ベキッ!
特設ステージの一部が悲鳴とともに破損したようだ。
カタタタ、カタタタ、カタタターー
屋台は見間違いではなく、はっきりと後退し始めそして、屋台を引くための持ち手部分が天に向かって真っ直ぐ伸びた。
それとほぼ同時に屋台は特設ステージの上から忽然と姿を消して、カタタタという車輪が回る音だけが特設ステージの遥か後方から聞こえてきた。
カルロス様はステージ上で振り返り、屋台の行く末を心なしか心配そうに見守っている。
俺とパティとアリシアは居ても立っても居られず、屋台が姿を消した特設ステージ裏側へと走る。俺達に次いで多くの人達も走った。
屋台は持ち手部分を上下に動かし、器用にバランスを取って後退を続けている。銀色の歯車が陽の光を反射してより一層その輝かしさを増した、
その直後。
ーーーードッポォウン!
と、屋台は再び俺達の視界から姿を消し、代わりに見事なまでの水柱が一番街の水路から上がった。
その光景を見ただけで状況を理解した町の人々は、一斉に特別町長たるカルロス様へと視線を送る。
カルロス様は右手を自身の後頭部に当てこう言った、
「ボタン……間違えたんじゃぜ……。てへっ」
町の人々はしばらくの間、言葉を失いただ力無くカルロス様を見つめていたが、やがて数人の町の人達からちらほらと無言の拍手が鳴り響きだした。
静まりかえった大食い大会会場には、あまりにも弱々しい寂しげな拍手の音だけが少しの間鳴り響いた。
『てへっ』じゃあねぇぇぇ!
とは、流石に突っ込めない俺であった。
ベネツィ大食い列伝
終わり。
「はい。みんな寝てたから独り占めしちゃいました」
「で、で、でも……かなりの量だったよね?」
「ですねー。杏仁豆腐が運ばれて来た時は私もびっくりしました。こんなにたくさん食べていいの⁉︎ って、内心飛び跳ねちゃってましたから」
あ、そっちでびっくりするんだね。特大のカモが特大のネギを背負ってやって来た、みたいな。
さすが女子って感じだ。
俺には最悪のラスボスとしか見えなかったけど、アリシアにはここまで頑張ったご褒美に見えたんだね。
そんな見方をされたんじゃ、あの杏仁豆腐も形無しだ。
「しかし、あの状況からよく全部食べられたね。結構お腹パンパンだったんじゃない?」
「はい。もう三日は何も食べなくていいや、って思ってたんですけど杏仁豆腐を一目見たら何だかもう少し入るかなって思えてきて……それで一口食べてみたらとっても美味しくて、予選からずっと揚げ物とか味の濃いものばかり食べてきたじゃないですか? だから杏仁豆腐で口の中がスッキリして気が付いたらもうほとんど残ってなくて、タケルさん達のために少し残しとかないとって思ったんですけど……誘惑に負けちゃいました。だからごめんなさい」
なるほど、そう言う事か。
満腹状態であるにもかかわらず食べられた理由。
ーーーー女子の別腹。
好物を目の前にして食べたいとは思うのだが、胃の中はすでに許容限界。
食べたいが、食べられない。
食べられないが、食べたい。
そんな矛盾を何とかしようと太古の時代にとある女性が編み出したのが、かの有名な《欲張り女子の食事法!》である。
言わずとしれたその能力は許容限界を迎えた胃に直接作用し、食べたい物を受け入れる為のスペースを無理矢理に作り出すご都合主義よろしくの必殺技である。
それから長き時を、時代を渡って伝承され続け女性のみならず男性も《欲張り女子の食事法!》を習得するに至った。
男性の場合は《酒池肉林への羨望!》とでも言うべきか?
かくして、欲張りなわがまま女性の苦肉の策から生まれたこの必殺技は、食料の乏しい冬季を生き延びるための栄養確保手段として一躍かっていたのはあまり知られていない事実である。
つまり、欲張り女性のわがままが人類の生命維持能力を一ステージ向上させたのである。
しかし、太古の時代から受け継がれ改良され続けてきたとはいえ、あれほどのレベルのものをまさかこんな所で拝めるとは思いもしなかった……。
女性の底知れない食欲、と言ったところか。
と、まあ。俺達のチームが見事に優勝した経緯も、杏仁豆腐消失の謎も溶けた。
と言うことは?
「タケルさん、いつまでもそんな所にいないで早く上がってきて下さいよ! 何だか予選から決勝までほとんどの料理を私一人で食べたみたいな雰囲気になってるんですから、早く誤解を解いて下さいよ! すっごい食いしん坊みたいで恥ずかしいんですから!」
「あ、あぁ……そうだね。ちょっと待っててくれ、パティとじろうも連れてくるから!」
「早くして下さいよー!」
俺は急ぎ選手席へと戻り、未だ眠るじろうとパティを抱きかかえてアリシアの元へと走った。
俺達のチーム全員が高台の上に揃うと更に多くの観客や新聞の取材陣から取り囲まれ、怒涛の質問責めに合った。
眼下に広がる群集から視線をきって、ふいに視線を上げた高台から見える景色はとても新鮮で心が躍るものだった。
実況席ではカルロス様の鼻ちょうちんが自身の身体を浮かせようとしていたり、特設キッチンでは役目を終えた調理スタッフが芝生の上に大の字になって倒れ込んでいる、また選手席ではカルロス餃子を持ったまま気絶した大柄な謎の女性、未だ腕組みしたままでいるデュークと顔色が真緑に変色しテーブルに突っ伏したシド、身体中汗だくで未だに食べ続けようとするおデブちゃん達、今しがたようやく入れ歯を発見しこれから四品に挑もうとする御老人。
こうして愉快な人々による、愉快な大食い大会はようやく終わりを迎えた。
その後、頃合いだと判断したのかセバス・チャンタロウのその見事なまでの洗練された動きから放たれる一撃により、敢えなくカルロス様の鼻ちょうちんは破裂してしまった。
破裂の衝撃でようやく目を覚ましたカルロス様より、念願の優勝商品、屋台(博多一号)が授与される事となった。
カルロス様は屋台(博多一号)が飾られている特設ステージへと上がると、まるで少年のように目を輝かせ屋台のあちこちを触り、何やら楽しまれている。側近のセバス・チャンタロウはこちらへ手を向けて合図を送っており、その合図からは『しばし、待て』というセバス・チャンタロウの意図を汲み取れた。
しかし、カルロス様は開発に掛かる費用をかなり負担したと聞いていたのだが、完成品を見るのはこれが始めてなのだろうか? やがて、
ガッタン!
と、特設ステージの方から非常に大きな音がしてみんなの視線に心配の色が見え出した。
カタタタ、カタタターーーー
屋台の車輪が回り始め、屋台が後退し始めたように思えた。
バキッ! バキキッ! ベキッ!
特設ステージの一部が悲鳴とともに破損したようだ。
カタタタ、カタタタ、カタタターー
屋台は見間違いではなく、はっきりと後退し始めそして、屋台を引くための持ち手部分が天に向かって真っ直ぐ伸びた。
それとほぼ同時に屋台は特設ステージの上から忽然と姿を消して、カタタタという車輪が回る音だけが特設ステージの遥か後方から聞こえてきた。
カルロス様はステージ上で振り返り、屋台の行く末を心なしか心配そうに見守っている。
俺とパティとアリシアは居ても立っても居られず、屋台が姿を消した特設ステージ裏側へと走る。俺達に次いで多くの人達も走った。
屋台は持ち手部分を上下に動かし、器用にバランスを取って後退を続けている。銀色の歯車が陽の光を反射してより一層その輝かしさを増した、
その直後。
ーーーードッポォウン!
と、屋台は再び俺達の視界から姿を消し、代わりに見事なまでの水柱が一番街の水路から上がった。
その光景を見ただけで状況を理解した町の人々は、一斉に特別町長たるカルロス様へと視線を送る。
カルロス様は右手を自身の後頭部に当てこう言った、
「ボタン……間違えたんじゃぜ……。てへっ」
町の人々はしばらくの間、言葉を失いただ力無くカルロス様を見つめていたが、やがて数人の町の人達からちらほらと無言の拍手が鳴り響きだした。
静まりかえった大食い大会会場には、あまりにも弱々しい寂しげな拍手の音だけが少しの間鳴り響いた。
『てへっ』じゃあねぇぇぇ!
とは、流石に突っ込めない俺であった。
ベネツィ大食い列伝
終わり。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説


三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

回帰した貴公子はやり直し人生で勇者に覚醒する
真義あさひ
ファンタジー
名門貴族家に生まれながらも、妾の子として虐げられ、優秀な兄の下僕扱いだった貴公子ケイは正妻の陰謀によりすべてを奪われ追放されて、貴族からスラム街の最下層まで落ちぶれてしまう。
絶望と貧しさの中で母と共に海に捨てられた彼は、死の寸前、海の底で出会った謎のサラマンダーの魔法により過去へと回帰する。
回帰の目的は二つ。
一つ、母を二度と惨めに死なせない。
二つ、海の底で発現させた勇者の力を覚醒させ、サラマンダーの望む海底神殿の浄化を行うこと。
回帰魔法を使って時を巻き戻したサラマンダー・ピアディを相棒として、今度こそ、不幸の連鎖を断ち切るために──
そして母を救い、今度こそ自分自身の人生を生きるために、ケイは人生をやり直す。
第一部、完結まで予約投稿済み
76000万字ぐらい
꒰( ˙𐃷˙ )꒱ ワレダイカツヤクナノダ~♪

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる