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目指せ!第5高官国!

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第四高官国…



 聖女は、二人目の王子を試したあと、第十二高官国を目指し、専用の移動用の馬車に揺られていた。



「ねぇ、なんで偶数と奇数で綺麗に保守派と改革派に分かれてるのかしら?」



「それは、西側諸国の方が魔物に近い場所に住んでいるからと言われていますが…」



「魔王城の現れる南じゃなくて?」



「はいご説明いたしますと…人が多く住むところは、一般的に魔物が必要とする魔素が薄く、モンスターには住みづらく、人口が安定している全高官国内では、ほぼモンスターの類は見られなくなってきています。」



「じゃあ、あのサキュバスは?」



「はい…高官国内で多く生存しているのは、魔素に対する依存の少ないオークや、人間の精気を糧にする淫魔などがほとんどで、強力な魔物は、ノルン=オルガーノのような、サキュバスやインキュバスがほとんどで、前回の魔王復活前も強力なサキュバスが現れる傾向にあります。」



「あ~…確かに、こっちの人生でも、オークには気を付けろって言われてた。」



「また、オークは家畜としての価値があり、回復力の強いオークの血は、薬草から作るよりも、効率よく回復ポーションを作る事ができ、精液などは媚薬や強壮剤などの原料などに使われます。」



「そんな話は、聞いたことがないんだけど」



「そうですね、表立った産業ではないので、奇数国内では知ることは無いと思います。ですから表向きには、魔物に近い場所に住んでいるから、っとなっています。しかし、保守派になった最大の要因は、エロール人…亜人の存在です。」



「それなんだけど、私は13国出身だから、亜人って呼び方は違うんじゃないかって人が多かったんだけど、どうしてそんなことに?」



「まずは歴史書のように、人口の増えすぎの防止のために、聖女の力を解析して、避妊と性病防止の魔紋が開発されました。もともと同じ神を持たないエロール人との間に亀裂が入り、王国を創設するさいに、亜人だからこの国の教義には含まれません、なんて建前が生じました。」



「そこは知ってる。」



「問題は、数百年前、勇者の童貞が奪われたことがあるのです。」



「まあ、こんなヤリまくりの国じゃあね…当たり前な気も…」



「ですよね~…奇数国では、それも仕方ない国じゃんで済みましたが、偶数諸国はそうもいきませんでした。勇者の童貞か奪われたのは第六高官国、そのせいもあり、西側では魔素が一時的に活性化し、西方からのモンスターの襲来に加え、国内での淫魔やオークの大発生をまねきました。俗に言う、大魔活化事件ですね」



「歴史書じゃボカされてたけど、エロール人が童貞を奪ったのが原因?」



「はい、聖女や騎士たちの力で、魔王の復活は直前に防ぐことが出来ましたが、退廃した偶数諸国は、その責任を亜人に求めました。」



「え~、それってたまたまヤッたのがエロール人ってだけでしょ?」



「そうなのかも知れませんが、他の勇者たちは不思議と、聖女と出会うまで童貞を貫いていました。そのため、宗教が違い、同じ神を崇拝しないエロール人は、神の庇護の対象外という考え方が広まり、亜人への風当たりは勢いを増しました。」



「素晴らしさとキモさを兼ね備えた話ね」



「その時は、童貞喪失後に他の女ともヤリまくっていたので、コイツだから仕方ないなと思う人も居ました。しかしその次の代で、また問題が起こったのです。」



「次の代もエロール人がやっちゃったの?」



「まあ、前回の対策で王子連中や勇者候補は、童貞は手厚く守られていたんですけど…」



「ですけど?」



「エロール人の奴隷が、ウチの若様が女性に興味がないんです~って漏らしたのが、サキュバスだったんです。」



「オーマイ、ガッッ!!」



「ときは50年後、前回の生存者がまだまだいる第四高官国の出来事です。そのせいで、亜人は悪魔に勇者を売る不浄な生き物…っと言われるようになり、宗教色の強い、閉鎖的で封建的な国になって行ったのです。ちなみに奇数国は、第一高官国が落ちない以上、領土は無傷と言うわけです。」



「勇者が居なくてもなんとかなるなら、エロール人は只々損してない?」



「ですが、結果として国々は安定し、犠牲者も出さなくて済んでいます。」



「まあ、そういうモノかしら…」



「そうです。民衆がそういうモノだと思いやすい形が、良いんだと思います。」



 馬車の外の景色を眺める。



 この世界で聖女として覚醒してから、世界は違って見えていた。



 でも今、なんとなくうつる世界は…









第三高官国



 オークたんが6回目の絶頂を、正常位で終えたあと、ベッドで仰向けでМ字開脚のまま放心しているロコックの股の間を、クロエは撮っていた。



「少しでもベットが汚れないように集めるか…」



 オークたんは、ロコックのあそこから流れ出る精液を、小瓶に集めた。



「手が邪魔で良い絵とれねぇだどぅるぅがぁぁぁぁぁぁ!!」



 クロエはキレた。なぜかクリエイター魂に目覚めたらしい、それと同時に、あることに気付いていた。



 あれ?コレって水晶に記憶するってことは、クーオ様の『上っ面錯視』って、まぐれでも直接見た人に効いてるんだから…ただの記録映像なら、錯視は起こらないで、普通にオークに見えているのでは?



「ロコック様、コレって映像の編集とかってどうするんですか?」



 イキ疲れたロコックは、左腕で目を隠して、息を整えている。



「ふぅ…興味があるなら、あとで専門家を紹介してやろう。」



「ありがとうございます。今撮ったのは、編集したらご覧にいれます~♪」



 これ絶対に編集まで見せれない…



 クロエのファインプレーにより、オークが聖騎士を犯している映像は、モザイクの向こう側に行った。
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