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≪過去②≫
27 薄情な女は大っ嫌いだ 前
しおりを挟む文香は会社に退職届を出した。
初めは上司に引き留められたが、退職の意思が変わらないと分かった後はなかなか陰湿な態度を取られた。
退職金の話や業務の引継ぎなど。
人事の者も交えて幾度も話を変えて引き留められた。
若しくは退職するなら文香の希望する一ヵ月後ではなく後半年、一年働かないと認められないと脅しめいた無茶なことも言われたが、文香には何一つ響かず、意思もまた変わらなかった。
正式な手続きで退職届を出したのだ。
会社が文香の退職を認めない権利はないし、引継ぎが見つからないからと言われても文香が会社のために残る義務もない。
冷たい話だが、一ヵ月という猶予がある内一社員の引継ぎを見つけられない、業務の穴を埋められないのは会社側の責任である。
そんな含みを持たせて言い返せば、当然のように文香に対する当たりは強くなった。
それでも文香は最後の自分の仕事として星田の同期である新人二人に残り一ヵ月間みっちりと引継ぎの業務を教え込んだ。
二人には申し訳ないと思っている。
きっと、一ヵ月ぐらい前の文香なら他人に迷惑をかけることと自分の自由を天秤にかけ、当然のように前者に傾いたはずだ。
自分が特別頑張ったとか、会社のために尽くして来たとか言うつもりはない。
それでも、三年もの間同じ職場で働き、それなりの関係を築いて来た上司に文香はその程度に見られていたのかと、今更ながら自分の三年間はなんだったのだろうと思った。
ある程度予想通り、文香の左手から指輪がないことについても色んな噂が立った。
直接聞かれたわけではない。
ただ、突然退職届を出して、指輪もしていない文香に妙な邪推をする者は多い。
面白可笑しく陰でこそこそ言われているのが分かった。
(直接言えばいいのに)
文香が近くを通るたびに、わざとらしく立ち去る。
高校時代、いや中学時代にも頻繁にこんな光景を見た。
ただ歳を経るだけで人の精神年齢は変わらない。
良くも悪くも、皆どこかしら幼稚なのだと思う。
それは文香自身のことも含めて。
そんな中で文香は上司に離婚したことを報告した。
今はまだ別居用に借りたマンションで暮らしているが、既に新しい住居は確保している。
退職後に送られてくる書類や手続きなどで色々混乱する可能性を考えた末、離婚したことを伝えることにした。
「君はいつか離婚されると思っていたよ」
文香の目を見ず、早口でボソッと嫌味を言う上司に、文香は呆れるという感情すら湧かなかった。
そういえば昔、初めて優が文香の夫として軽い挨拶をした日の後、文香はこの上司に言われたのだ。
出来れば、優みたいな社交的な者を採用したかったと。
文香が専業主婦になり、代わりに優が入社すればいいのにと笑いながら言われた。
あのとき自分がどんな返答をしたのかは覚えていない。
ただ、怒りも失望もなく、いつものように虚しく感じたのだ。
とっくに忘れていたと思っていたのに。
(意外と、よく覚えてるのね……)
最近は、よくそんな昔のことを思い出す。
その時々に小さく感じた棘がゆっくりと抜かれていくように。
痛みを伴いながら、文香は自分がかつて我慢して吐き出せなかった色んな感情をゆっくりと回顧という形で再び向き合うことが多くなった。
*
ある晩、文香は義父と会う約束をした。
義母はいない。
「息子と、家内のことも…… 文香さんには本当に申し訳ないことをした。改めて謝りたい」
義父は一人で文香に会いに来た。
深々と下げられた白髪頭。
あの夜と同じ光景に文香の胸がつきんと痛んだ。
「いえ、こちらこそ…… 挨拶にも行かず、不義理なことをしてしまい申し訳ないです」
義父はもう文香が他人になってしまったことを知っているのだ。
そのことについて結局なんの相談もしなかった。
不義理だと思っている。
けど、もう関わり合いになりたくなかった。
関われば関わるほど、泥沼になっていく。
こうして、義父と話すのですら本当は少し息苦しい。
「いや、全部あいつが…… あの馬鹿がいけないんだ! あんたを裏切るような、あいつが……」
「お義父さん……」
ふと、この老いた男はもう自分の「お義父さん」ではないことに気づいてしまったが、今更なんて呼べばいいのかも分からない。
出会ったときからこの男は恋人の父親で、文香の義父だったのだから。
(もう、お義父さんって呼べないんだ……)
きっと、会うのも今日で最後だ。
なら、最後まで甘えようと文香は思った。
「……あんたは被害者だ。本当なら、あの馬鹿と…… あんな恥知らずなものを送って来た気違いを、訴えるべきだ」
忌々しく、そして悔しそうに歯を食いしばる義父。
自慢の息子だった優が不貞をしたこと、そしてそれをわざわざ実家に送る浮気相手に対する怒りもあるのだ。
もしも優の浮気相手が同じく既婚の身であったと知ったら、義父は憤死するかもしれない。
そう思うほど、両膝の上で握りしめられた義父の手は震えていた。
「……だが、俺は、俺も家内も………… 本当に、どうしようもない親馬鹿だ」
義父が持っていた鞄を差し出す。
「……頼む、受け取ってくれ」
それは以前義父達が置いて行った封筒と同じものだ。
優の実家はどちらかといえば裕福であることは知っているが、限度というものがある。
「受け取れません。私は、お金が欲しいわけじゃないんです」
文香の声に微かな震えが混じる。
不倫した夫からの慰謝料とて文香は受け取らなかった。
文香の奨学金や、夫婦で払うはずだったローン。
返すべきものと貰うもの。
後者の方が断然重く、割に合わないと知りながらも一切の財産分与も慰謝料もいらない代わりに文香はそれらの借りを消化したのだ。
ただ、一分一秒でも優と離れたかった。
そして、理屈ではなく気持ちの問題として文香は優からの慰謝料も分け与えられる財産も全てが悍ましく汚らわしいと思ってしまう。
そんなことを全て正直に言うわけにもいかない。
文香はただもう優からは貰うべきものは全て貰ったと、懸命に義父を宥めることしかできなかった。
けど、義父はとても頑固だ。
頭を下げたまま、文香が鞄を受け取るまで動かないと言う。
脅しに近い。
「迷惑だと分かっている…… どんな大金を積んでも、あんたの心は二度と癒えない…… ただの独りよがりで、真っ直ぐなあんたを、文香さんを傷つけて侮辱しているだけだと…… 分かってるんだ……っ」
けど、涙ながらに文香に謝罪する義父を責める気にはなれなかった。
「俺も、家内も…… どっちも大馬鹿者だ。どうしようもない親馬鹿だ…… 息子が過ちを犯したことが信じられず、一番傷ついているはずの文香さんに…… 縋り付こうとした」
とても頼りになると思っていた義父が、今は酷く小さく見える。
元々優の父親とは思えないほど小柄で、それでいて芯の強い無口な人だ。
そんな寡黙な義父を慕う優と、夫婦仲の良い義母。
それはまさに文香の理想の家族像だった。
「俺達は、卑怯にも…… あんたの好意を、利用しようとした。本当に、優が不倫したとしても、あんたなら、文香さんならきっと大丈夫だと…… 身勝手な気持ちを押し付けようとしていた……」
義父は文香に懺悔するように、自分の、自分達の汚い打算を吐き捨てた。
「……あんたの優しさにつけこもうとしていた。被害者のあんたに、全部押し付けて…… 事をうやむやにしようとしていた」
「……」
義父の話に文香は動揺しなかった。
なんとなく、覚っていたからだ。
「……一瞬でも、馬鹿な考えに囚われた」
苦悩を滲ませ、義父はひたすら頭を下げていた。
* *
あのとき、自分はどうかしていた。
ある日、家に送られて来た荷物。
平和ボケした男と妻は送り主が分からない荷物に首を傾げながらも、なんの気負いもなく封を切った。
それが、どれだけ悍ましいものかも知らず。
ビデオも写真も、録音テープも、最後まで見ることはできなかった。
男が取り上げなければ、感情のままに妻は証拠隠滅しようとしただろう。
可愛い息子の、怖気が走る所業を、罪を無かったことにするために。
できれば男だってそうしたかった。
見てしまったもの全部、悪い夢だと思いたかった。
ヒステリックに泣く妻を宥めようと、あえて冷静なふりをしていたが、本当は男も同じぐらい、或いはそれ以上の衝撃を受けていた。
ただ、妻の恐慌と違い、男はどちらかといえば静かに絶望していた。
もう、二人とも若くない。
何をどうすればいいのか分からず、そのときの感情のままに息子に問い詰める気力もなかった。
老いたからこそ、二人は臆病になっていたのだ。
けど、黙っていることもできなかった。
そして、可愛がっていた息子の嫁が家を出たという事実を前に二人は嫌でも覚った。
合成だ、何かの陰謀だと喚く妻も最後には喉が枯れ果てたように無口になり、男もまたどうすればいいのか分からなかった。
馬鹿息子を叱りに行くべきなのか、それとも夫婦二人の問題としてここは黙っているべきか。
だが、妻がぽつぽつと零すようになった不安に、いつしか男もまた囚われてしまった。
このまま静観し、もしも家に送られて来たものが他に、例えば息子の職場にも送られたら?
近所にビラのように配られたら?
このまま離婚という形になったとして、嫁が息子を訴えたら?
苦労して入社し、慣れないまでも懸命に働いていた息子が解雇されるかもしれない、路頭に迷うことになってしまうかもしれない……
テレビでやっていたように、復讐としてあの淫らな証拠がインターネットなどに流されるかもしれない……
息子の心配ばかりをする妻を叱りながらも、男もまた引きずり込まれるように不安の渦に呑み込まれた。
どちらも馬鹿な親だ。
ただ、唯一違うのは父親である男は息子に対してどうしようもない怒りを抱いていたことだ。
母親である妻のように、息子のことを心配するよりも、むしろ懲らしめてやりたい思いの方が強く、だからこそ憔悴する妻の姿を見て男は狂いそうな激情と戦っていた。
夜も眠れない妻を慰めながら、男は自身の胸の奥で暴れる感情を我慢した。
どうしようもない虚しさと絶望を感じていたのだ。
男は哀しいほど真っ直ぐな性根の持ち主で、頑固で、だからこそ葛藤に苦しんでいた。
きっと、あのときの男は正常ではなかった。
冷静ではなく、また合理性もなければ倫理性もない、どう考えても真っ当な人間の思考を持っていなかった。
息子に裏切られ、見るからに安いマンションに女独りの身で暮らしている嫁の姿を見て、男は自分達がここに来たのは間違いだと、そのときになって漸く気づいた。
罪悪感と同情心、どうしようもない後ろめたさ。
それらが鬩ぎ合い、ただ謝罪を口にすることしかできなかった。
慌てて用意した封筒も、嫁にとっては屈辱でしかないと考える頭すら消えていた。
それは慰謝料ではなく、口止め料なのだから。
こんなことをしても意味がないと分かっていた。
妻の言う通り、家に送られたあの小包と同じものが近所や息子の会社に送られたら、もう終わりだ。
嫁一人の口を封じたところで、なんの意味もない。
けど、それでも居ても立っても居られなかったのだ。
息子を憎む気持ちと、それでも不幸にしたくない気持ち。
それだけが男の中で縺れ合い、理性や正常な判断を押しのけていた。
老いたといえばそれまでだ。
若い頃の、それこそ妻の妊娠を知ったあのときの自分が、まさかこんなにも老いてしまうとは思わなかった。
こんな馬鹿な親になるなんて、想像もしなかったのだ。
嫁の戸惑いが浮かんだ青白い顔を見て、いつだったか不安気な面持ちで自身の両親について話してくれた幼い彼女を思い出した。
そのときになって、愚かな男は漸く自分と妻の行動を恥じたのだ。
そして、長年連れ添った最愛の妻の口から、あんな暴言が出るなど、欠片も思っていなかった。
傷ついた嫁を更に傷つけ、刺し殺すような、そんな憎悪を妻が抱くなどありえないと思っていたからだ。
それこそ悪霊や鬼、悪魔の類が妻の口を借りたとしか思えない。
軽蔑に値することを嫁に投げつけた妻を、殴ってその口を止めた後でも男は一途に妻を愛していた。
息子もまた愛していた。
どうしようもなく男は、夫で、父親だった。
だから、再びこうして恥知らずなことを承知で嫁に、元嫁に頭を下げている。
「文香さんさえ…… 嫁のあんたさえ、我慢してくれれば…… 全てが丸く収まると…… 馬鹿なことを考えてしまった」
今更、何故元嫁の心を掻き乱すようなことを言っているのか分からない。
これはただの自己満足だ。
良心が耐え切れず、内に溜まった醜い感情を吐き捨ててるだけだ。
「あんたがどれだけ苦しんでいるのか、俺は…… よく、分かっていたんだ…… だからこそ、俺達が頼めば、頭を下げれば、優しいあんたは…… あいつ、優を捨てないでくれる、黙って耐えてくれると…… そう、思った」
全ては打算だ。
息子の惚れた女はとても不器用で、真っ直ぐで。
そして、孤独だと知っていたからこそ。
親の愛情に飢え、義理の両親である自分達に孝行しようと健気に頑張ってくれる、出来た嫁だと知っていたから。
だから、耐えてくれると思った。
息子の過ちに目を瞑り、赦し、夫婦としてやり直して欲しいと、身勝手な思いを強要しようとしたのだ。
「お義父さん……」
どうか、責めて欲しい。
詰って欲しい。
それこそ男の身勝手な思いに他ならない。
「頼む……! どうか、これを…… 受け取ってくれ……」
自分の醜い打算を吐露し、男は震える手で再び鞄を差し出す。
どんなに言葉を尽くして謝っても、結局男がしていることはあの夜と同じだ。
「文香さんにとっては汚い金だと思う…… こんなもの、望んでいないと分かってる……! けど、どうか俺達のために…… この馬鹿な年寄りの願いを、謝罪の気持ちを受け取って欲しいんだ!」
「……」
額を硬い床の上に擦りつける。
「……慰謝料なんて、大層なものじゃないんだ………… ただ、俺達が安心したいための…… これは……」
これは、口止め料だ。
離婚した後も、文香の気が変わり息子を訴えないと約束してもらうための契約料だ。
慰謝料も財産分与もいらないと言う文香に対して、妻が疑心暗鬼に陥っていることなど言えない。
男もまた、ただ自分達の罪を少しでも軽くしたい一心で金を集めたのだ。
どちらも、文香のためではない。
自分達のために、大金を差し出している。
「……優は、知ってるんですか?」
しばらくして、上から振って来た声には蔑みもなければ怒りもなく、ただ静かだった。
静かで、そしてどこか柔らかかった。
「あいつは、何も知らない…… 離婚したとしか電話で言わなかった… 俺達がどの程度知っているのかも、何一つ分かっていない…… 」
「そうですか……」
少しの間だけ沈黙が続いた。
「分かりました。受け取ります。だから、もう顔を上げてください」
文香の声はとても穏やかで、まるで家に遊びに来たときのように慎ましやかなものだ。
驚いて顔を上げた男は、漸くまともに文香の顔を見た。
文香は、小さく微笑んでいた。
嘲笑ではない。
憂いを帯びた、消えそうな笑みだ。
「っ、すまない、本当に、すまない……!」
その笑みを正面から見続けることができなかった。
なんと言えばいいのかも分からない。
文香の前にいる自分が酷く矮小な存在に思えた。
「……あいつは、あの馬鹿は………… あんたを幸せにできなかった」
結婚前夜、息子に嫁を大事にしろ、必ず幸せにしろっと言い聞かせた。
若い二人がどうか幸せに、豊かに暮らせるよう、それだけを願って来た。
「あんたを、誰よりも幸せにすると…… そう、約束したのに、あいつは、あの馬鹿は……」
声が震え、語尾は擦れている。
今更何を言っても、意味のない言葉ばかりが男の口から零れる。
鬱陶しく、なんて見苦しいのだと、自分自身への怒りで何年も一気に老いた気がした。
「それは、違います」
再び頭を下げようとする男を、文香は止めた。
「私は、優に幸せにしてもらうために…… 結婚したわけじゃありません」
それは男に聞かせるというよりも、まるで過去を思い出しているような語りだ。
事実、顔を上げて見た文香はどこか懐かしむように目を細めている。
「優といるのが幸せだから、ずっと一緒にいたいと思ったから結婚したんです」
文香はそう言って、微笑んだ。
何も言えない男を前に、正座を直し、指をついて頭を下げた。
「今まで本当にお世話になりました」
それは、もうこれ以上何も言わないでくれという文香の意思表示だった。
「不甲斐ない嫁で、申し訳ございません」
それが文香なりの決別の言葉だった。
穏やかながらも、もうそれ以上の干渉を拒絶する文香の強い意思。
「……ありがとう、」
言葉を詰まらせながら、深々と、文香と同じように老いた男もまた頭を下げた。
男は恥ずかしくて堪らなかった。
娘として可愛がっていた文香の方がずっと、潔く、そして誠実に思えた。
悲しみと怒りに酔っていた父親である自分と同じぐらい、いやそれ以上に文香は息子を愛していたのだと。
そんな当たり前のことを見失っていた。
無意識に文香の気持ちを軽視した自分に、男は絶望する。
「今まで…… 本当に、ありがとう……」
それが二人の最後の会話となった。
お互いこの時点でもう二度と会うことはないと確信していた。
そして男は、もう以前のように息子を愛せないと、その幸せを望むことはないのだろうと思った。
きっと、甘やかしすぎていたのだ。
次に会うときはもう、親子の縁を切るべきだ。
それもまた、男の自己満足でしかない。
文香は何一つそんなことを望んではいないのだから。
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