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お伽話
しおりを挟む昔、あるところに戦好きの強い国があった。
戦の強い国には戦好きの強い強い王様が君臨していた。
王様はとても強く、勇敢で逞しく、そして孤独だった。
孤独な王様は夜の闇のような黒髪と炎のように燃える目を持っていたがその顔には大きな傷跡があった。
皆は王様の片方の目しか見たことがない。
王様の二つの目を見れるのはお妃様だけだった。
孤独な王様に寄り添うお妃様は眩しい夏の日差しのような髪と海のような青い目を持っていた。
美しく優しいお妃様は孤独な王様の唯一の癒しだった。
やがて、二人の間にお妃様そっくりの眩しい男の子が生まれた。
孤独な王様は大層喜び、お妃様もまた幸せそうに笑っていた。
王子様はやがて大きくなり、国一番の騎士となった。
そして。
そして。
そして、国は滅んだ。
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