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33話【遊園地デート:2】

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【読者様へ】

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お気に入り登録もして頂けて感謝しかないです。

今後も不定期更新ですが頑張りますので、
応援宜しくお願いしますm(_ _)m



✼••┈┈┈┈••以外、本編••┈┈┈┈••✼


バイキングに乗る事になり船の端に座る。
「楽しみですねっ ♪」
隣に座る先輩に話し掛けた。
「そうだな、怜はちゃんとやったか?」と、先輩は上に上がっていた安全バーを下ろし上体をしっかり固定させる。
「はい、コレなかったら流石にヤバいですって」
先輩にそう返しながらも心配だった俺はしっかり固定されているか再度確認する··········うん、大丈夫だな。

待ちに待った船はやっと動きだし、その時の俺は浮かれていた。まさかこの後·····恥ずかしい思いをするとは知らずに、、、、


「おぉおぉおおおおっ!」


船はどんどん勢いを増し、もう少しで一回転しそうになるが、下半身がスースーして寒いし変な感じがした。
「?」
なんだ?と不思議に思った俺は自分の下を見る。
普段ならズボンを履いている筈だが今はスカートで·····そういえば赤ずきんのコスプレをしていた事を思い出す。
しかも、最悪な事に中は白いレースの透け透け紐パンだ。

俺は慌てて紐パンを隠そうと両手でスカートの中心を抑えるが船は一回転し俺はというと逆さ状態に一瞬なる。
そのせいで両手で抑えていないスカートの端と端は開いてしまい、一瞬の出来事だったけど紐の結び目が顕になった。

「~~~~~~~~っ?!?!」

船はそのまま降下し、周りや隣の先輩がさっきの俺の姿を見ていないか凄く気になってしまう。。。
横目で先輩を見ると正面を向いてバイキングを楽しんでいた。まあ、先輩に見られてないということが分かり一先ず胸を撫で下ろせた。


(見られてなくて良かったぁー)



バイキングを降りて少し歩いた後、、、

「なあ、怜」と先輩が俺を呼ぶ。
「はい、どーしました?」
「バイキングとか一回転するやつは乗ったら駄目だったな」と、悪戯を考えている子供の様な笑顔を浮かべている。いや、そもそも今の言い方だと····················
「え”、、、そ、その·····み、、見えました?」
恥ずかしくて仕方が無いが、そこは確認しなければならない。
「ん?何を?」
「見ましたよねっ!」
「えー?だから何を?」
分かってる癖にこの先輩は俺を困らせて楽しんでいる。
本当にいい性格だ。

「はぁ·····何でもないです」
俺は拗ねて次の乗り物の方へ早歩きをするが、先輩は俺の右手を握って「ごめんな、怜。許して?」と甘い声で謝ってくる。
先輩の中身を知らない人なら許すと思うが、
俺は高校の頃からこの先輩を知っているので「いやです♡」と、満面の笑顔で許さない。
イケメンだからって何でも許されると思うなよ、と思う。
少しでも反省して欲しい。



その後もメリーゴーランドやジェットコースターや他の乗り物にも乗って先輩とのハロウィンデートを楽しく過ごしたが、陽も暮れてきて全体的に暗くなってきた。

そろそろ帰るのかな?と、思って少し寂しいと思っている俺に「観覧車乗ろうか」と先輩は言う。
「はい」
恋人繋ぎしたまま観覧車の方へ向かうが、ハロウィンパレードが調度行われていたので並んでおらず、直ぐに乗る事が出来た。

乗っているゴンドラはゆっくりゆっくり頂上に向かって行く、、、、
近かった地面は遠くなり、遊園地のアンティーク調の照明やハロウィンパレードの乗り物、遊園地に来ている大勢の人のペンライトが光っていてまさに絶景だった。

「すごく綺麗ですね」

ゴンドラの窓に手を付きながら俺はその絶景に見蕩れる。
「そうだな。今日のデートは楽しかったか?」と先輩が尋ねてきたので「はい、本当に楽しくてあっという間でした」と俺は今日あった出来事を思い出しながら返す。
デートなんて産まれて初めてだったけど、仮の番とはいえ初恋の·····今でも好きな人とこんな幸せな時間を一緒に過ごせたんだ。


(来れて良かった、)



もう少しで頂上に差し掛かる時、向かい側に座っていた先輩が俺の名前を呼んで俺は外の絶景から先輩へ視線を変える。
(あれ?いつの間に狼の被り物外したんだろ·····)
今日、見慣れていた狼姿の先輩では無く、顔が整った先輩の顔が目に映る。

そんな俺に対して先輩は自身の手をのばし、俺の頬を優しく撫でたかと思うと、目と鼻の先に先輩の顔が迫っていて··········気付けば唇と唇が重なった。

軽く唇だけを合わせていたキスは直ぐに終わるが、
「怜は、俺だけのものだよな」と聞かれ、
「ぇ?  えっ??は、  はい!    ???」
(俺だけのもの、ってどーいう意味だ?  あ·····今の俺は仮の番だからそーいう意味か?)
疑問形になりつつも俺は返事を返す。

それで終わるのかと思ったら、
「俺の事·····好きか?」と、ルビーの様な赤い目が熱を帯びながら俺の目をジッと見詰めてくる。

「ッ、」

(··········好きです、、大好きです、ずっとずっとずっと·····貴方だけが好きです)

高校二年の頃一度沈めていた恋慕をこのまま伝えたら何か変わるのか?
仮の番じゃ無くて··········先輩の、、、
本当の番になれますか??

「····················。」

「答えて、怜」
先輩が俺の言葉を待っている。
最近の俺なら、『はい はい、好きですよー』って軽く返せたのに·····何故だろ···············
今だけはそんな軽い言葉で返してはいけない気がする。

「·····ぎゃ、逆に、、けーさんは··········俺の事どう思ってますか?」
返答に困った俺は質問を質問で返してしまう。

「俺か?勿論、怜の事が好きだよ」
「え?」
それは、先輩後輩として?恋愛感情として?
聞きたいのに怖くて聞けない·····。
自身の心臓がバクバクと脈を物凄い速さで打ち、俺は先輩の目から逃げる様に目を逸らす。

「俺は答えたから次は怜の番だ」


「ぉ············俺は⎯⎯⎯⎯⎯⎯····」

自分が何を言おうとしているのか分からないまま口を動かしていた時、ゴンドラのドアが開いて係の人が「お気をつけてお降り下さい」と言う。

俺はその状況から解放された事に安心しつつゴンドラを降りたが、
「後で教えて」と先輩は耳打ちすると、また狼の被り物を被ってしまった。




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