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一章
【赤色、】
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どれ位経っただろう、、、
気付けば外は夕暮れに変わっていた。
テオ·····確か午前中に用事を終わらせるって言ってたのに長引いてるのかな?でも、こんな事は初めてだ。
「ん”~~~··· はぁ、 ちょっと休憩」
オレは読んでいた本に栞を挟んで机に置く。四冊の内、三冊は読破して最後の刺繍の参考書を読んでいた。
「ルイス様、喉は乾きませんか?」と、マイロさんに聞かれて「あ、お願いします」と言うとマイロさんはドアまで行き、少し扉を開けて誰かと話していた。
「テオまだかなぁ···」
外を見ながらテオの事を考えていると「失礼します」と、マイロさんがお水の入ったグラスを目の前に置いてくれた。
「ありがとうございます」
御礼を言ってお水を飲む。
少しして、本の続きを読もうとした時···廊下から此方に向かって来る音が聴こえてくる。
もしかして···············テオ?
オレは本を読もうとしていた手を止めてドアを見る。
するとドアは勢い良く開いて、
「ルイスっ!」とテオが慌てて入って来た。
「テオ、お疲れ様です」
テオの顔がやっと見れてオレは凄く嬉しくなった。
テオはというと此方にやって来て無言でオレを強く抱き締め「こんな時間まで放置してすまなかった。寂しい思いをさせてしまったな」と謝ってくる。
·····確かに寂しかったけどマイロさんが近くに居てくれたから平気だった。
なので、「謝らないで下さい。それにマイロさんが居てくれたので平気です」と思った事を言う。
「本当にすまなかった·····それとルイスに見せたいものがある」
「見せたいもの?ですか」
「ああ。喜んでくれたら私は嬉しいが、」
? なんだろう?
不思議に思っている間にもテオは傍にいたマイロさんに「今から向かうと伝えてくれ」と言い、マイロさんはお辞儀して素早く部屋を出て行く。
「さ、ルイス行こうか」
テオはそう言うとオレをお姫様抱っこした。
「はい、でも何処にですか?」と尋ねると、
「秘密だ」と言ってテオは悪戯をしている子供のような笑みを浮かべている。
·····一体、今から何処に向かうんだろうか、、、
部屋を出て廊下を歩いている時、
「先程は言えなかったが、プレゼントが大量だったな」とテオが言う。
「そうですね、、また部屋に物が増えてすみません···」
もうそれしか言えない···。
あんなに大量の贈り物を何処に置けば良いんだろう?
収納箱にも限界があるし骨董品はどうすれば·····。
「いや、良いのだ。何度も言うがあの部屋はルイスの部屋でもある、気にするでない」
そう言ってテオは目を細め、
「·····それにな私は嬉しいのだ」と話す。
「? 何故、嬉しいのですか?」
テオの言葉が不思議でオレは直ぐに尋ねる。
だって、普通はあの大量の物をどうすれば良いか悩む所なのに、、、
「何故、って···ルイスの事を大切に思う者が多くいると改めて知れたからだ」
「··········大切、」
そんな話をしているとテオはある部屋の前で立ち止まった。そこは普段は図書館に行く時に通る廊下でオレはこの部屋が何の部屋なのか全く知らない。
「行くぞ」
テオはそう言うと「開けてくれ」とドアの向こうの誰かに言う。
瞬間、両扉が勢い良く開いてオレは目に映った素敵な光景にただただ無言になる。
25畳程の装飾された部屋·····四つの円卓には沢山の料理が置かれていて、ハドラさんやアンナさん、マイロさん、ユートさん、テリー先生、それにガレイズさん·····関わった事がある人達が「ルイス様おめでとうございます!」と自分を祝ってくれている。。。
無言のままのオレをお姫様抱っこしたままテオは中に入るが、オレは驚きと信じられない光景に目頭が熱くなる·····。
「どうだ?凄いだろ」
テオがオレを見ながら言い、
「⎯⎯⎯⎯⎯⎯···ッ 、 」と答えようとして目から涙が溢れ出てしまう。
··········こんな風に祝って貰えたのは四年前だ。
それ以降は誕生日なんてものに何の感情も湧かなかった。どうしよう、嬉しい····っ
オレが泣いてしまったせいで「ど、どうした!?大丈夫か?気に入らなかったのか?」と、テオが慌てて聞いてくる。
オレは首を左右に振って「 ち がいます ···凄く、、凄く素敵ですね 」と返した。
·····本当は、他にも言葉がある筈なのに今はそんな言葉しか言えない。。。
テオはオレの言葉に安心した様で「うむ、なら良い」と言って一つの円卓の椅子にオレを座らせ、その横に立つと「さあ、ルイスの誕生日パーティーを始めよう」と大声で言う。
皆はグラスを持って「乾杯♪」と掲げた。
「ルイス様おめでとうございます」
「ルイス様、此方食べられましたか?♡」
「ルイス、これは美味しいぞ」
「ルイス様、先に野菜を食べた方が胃の負担になりませんよ」
「ルイス様っ!!これ自信作ですがどーですか?」
「え、えっと、、、」
色んな人達が自分に話し掛けてくれる。·····でも、一気に話されてもオレは全てを一度に聞くという芸当は持っていない為焦る。
嬉しいけど困った·····。
困っていると「皆さん!ルイス様が困ってますよ。順番に話して下さい」と、ハドラさんが皆を止める。
正直··········本当に助かった。
流石、ハドラさんっ!
ハドラさんの言葉に皆は納得してそれからは順番に話し掛けてくれる。
隣にずっと立っているテオも「ルイス、すまなかった」と謝ってきた。
こうして楽しいパーティーが続き、数時間後にはお開きとなった。
最後にオレからの言葉を〆とするとテオが言い、オレは忙しい中準備やパーティーを開いてくれた事に感謝した。
こんなに楽しいパーティーをオレは一生忘れる事はないだろう。
◆┈┈┈┈┈┈◇
「パーティーは楽しかったか?」
「はいっ」
部屋に戻り今は二人っきりの状態でオレの向かい側に座るテオは赤ワインを嗜んでいた。
「それは良かった。··········ルイス」と、テオがオレを改めて呼ぶ。
「なんですか?」
「色々悩んだが、、」
そう言ってテオは椅子から立ち上がり自身のポケットから小さな箱を取り出してオレの前に片膝を着く。
「て、テオ?!」
オレは突然の行動に驚いた。
「これをお前に」
テオはその箱を開けて此方に見える様な状態にした。
「!?」
箱の中にはルビーが使われた綺麗な装飾の耳飾りが一つ入っている。
「テオ、これっ」
「指輪は既に贈っているからな·····どうだろうか?」と、不安そうに尋ねてくる。
「ありがとうございます。こんな事言ったら駄目なのは分かっていますが·····貴方からの贈り物が一番嬉しいです。 あの···今、着けてくれませんか?」
「ふっ、喜んで」
テオは立ち上がって箱から耳飾りを取るとオレの右耳に着けた。
「着きました?」と、尋ねると「ああ。·····お前は本当に美しいな」と言ってオレの額や頬、鼻、瞼にキスをする。
「テオ」
「どうした?」
「ずっと思っていましたが、テオは赤色が好きなんですか?」
指輪の時からずっと思っていた。
テオの目の色も綺麗な赤だから···だから赤が好きなのかな?と、、、
「···············。」
あれ?
テオは一瞬止まってから「·····ああ。ルイスが身に着ける『赤』は特に好きだ」と答えた。
「? ···そう、なんですね」
何故、貴方は今···少しだけ辛そうな表情をしたんだろう?
オレも直ぐに聞けば良いのに、それを聞いては駄目な気がして聞けない。
「テオ、ありがとうございます。大切にします」
「ああ。これにも魔法が付与されている。出来るだけ身に着けて欲しい」
「分かりました」
と、言ったが·····今はまだ手が動かせない。当分はテオやハドラさんに着けて貰わないといけないな、、
それにしても、この二つの指輪も耳飾りも一体幾らするんだろ?
この三つ合わせたら城は建てられるし裕福な暮らしも出来ると思う·····勿論、テオからの贈り物だから売らないけど、、、
そんな事を考えているオレに、
「ルイス誕生日おめでとう。今までも···これからも愛している」と、テオは言う。
これからも愛している、と言われて嬉しいオレは、
「オレもテオを愛してますよ、ずっと」とオレは笑う。
『赤』色については疑問が残ったけど素敵な一日だった。
気付けば外は夕暮れに変わっていた。
テオ·····確か午前中に用事を終わらせるって言ってたのに長引いてるのかな?でも、こんな事は初めてだ。
「ん”~~~··· はぁ、 ちょっと休憩」
オレは読んでいた本に栞を挟んで机に置く。四冊の内、三冊は読破して最後の刺繍の参考書を読んでいた。
「ルイス様、喉は乾きませんか?」と、マイロさんに聞かれて「あ、お願いします」と言うとマイロさんはドアまで行き、少し扉を開けて誰かと話していた。
「テオまだかなぁ···」
外を見ながらテオの事を考えていると「失礼します」と、マイロさんがお水の入ったグラスを目の前に置いてくれた。
「ありがとうございます」
御礼を言ってお水を飲む。
少しして、本の続きを読もうとした時···廊下から此方に向かって来る音が聴こえてくる。
もしかして···············テオ?
オレは本を読もうとしていた手を止めてドアを見る。
するとドアは勢い良く開いて、
「ルイスっ!」とテオが慌てて入って来た。
「テオ、お疲れ様です」
テオの顔がやっと見れてオレは凄く嬉しくなった。
テオはというと此方にやって来て無言でオレを強く抱き締め「こんな時間まで放置してすまなかった。寂しい思いをさせてしまったな」と謝ってくる。
·····確かに寂しかったけどマイロさんが近くに居てくれたから平気だった。
なので、「謝らないで下さい。それにマイロさんが居てくれたので平気です」と思った事を言う。
「本当にすまなかった·····それとルイスに見せたいものがある」
「見せたいもの?ですか」
「ああ。喜んでくれたら私は嬉しいが、」
? なんだろう?
不思議に思っている間にもテオは傍にいたマイロさんに「今から向かうと伝えてくれ」と言い、マイロさんはお辞儀して素早く部屋を出て行く。
「さ、ルイス行こうか」
テオはそう言うとオレをお姫様抱っこした。
「はい、でも何処にですか?」と尋ねると、
「秘密だ」と言ってテオは悪戯をしている子供のような笑みを浮かべている。
·····一体、今から何処に向かうんだろうか、、、
部屋を出て廊下を歩いている時、
「先程は言えなかったが、プレゼントが大量だったな」とテオが言う。
「そうですね、、また部屋に物が増えてすみません···」
もうそれしか言えない···。
あんなに大量の贈り物を何処に置けば良いんだろう?
収納箱にも限界があるし骨董品はどうすれば·····。
「いや、良いのだ。何度も言うがあの部屋はルイスの部屋でもある、気にするでない」
そう言ってテオは目を細め、
「·····それにな私は嬉しいのだ」と話す。
「? 何故、嬉しいのですか?」
テオの言葉が不思議でオレは直ぐに尋ねる。
だって、普通はあの大量の物をどうすれば良いか悩む所なのに、、、
「何故、って···ルイスの事を大切に思う者が多くいると改めて知れたからだ」
「··········大切、」
そんな話をしているとテオはある部屋の前で立ち止まった。そこは普段は図書館に行く時に通る廊下でオレはこの部屋が何の部屋なのか全く知らない。
「行くぞ」
テオはそう言うと「開けてくれ」とドアの向こうの誰かに言う。
瞬間、両扉が勢い良く開いてオレは目に映った素敵な光景にただただ無言になる。
25畳程の装飾された部屋·····四つの円卓には沢山の料理が置かれていて、ハドラさんやアンナさん、マイロさん、ユートさん、テリー先生、それにガレイズさん·····関わった事がある人達が「ルイス様おめでとうございます!」と自分を祝ってくれている。。。
無言のままのオレをお姫様抱っこしたままテオは中に入るが、オレは驚きと信じられない光景に目頭が熱くなる·····。
「どうだ?凄いだろ」
テオがオレを見ながら言い、
「⎯⎯⎯⎯⎯⎯···ッ 、 」と答えようとして目から涙が溢れ出てしまう。
··········こんな風に祝って貰えたのは四年前だ。
それ以降は誕生日なんてものに何の感情も湧かなかった。どうしよう、嬉しい····っ
オレが泣いてしまったせいで「ど、どうした!?大丈夫か?気に入らなかったのか?」と、テオが慌てて聞いてくる。
オレは首を左右に振って「 ち がいます ···凄く、、凄く素敵ですね 」と返した。
·····本当は、他にも言葉がある筈なのに今はそんな言葉しか言えない。。。
テオはオレの言葉に安心した様で「うむ、なら良い」と言って一つの円卓の椅子にオレを座らせ、その横に立つと「さあ、ルイスの誕生日パーティーを始めよう」と大声で言う。
皆はグラスを持って「乾杯♪」と掲げた。
「ルイス様おめでとうございます」
「ルイス様、此方食べられましたか?♡」
「ルイス、これは美味しいぞ」
「ルイス様、先に野菜を食べた方が胃の負担になりませんよ」
「ルイス様っ!!これ自信作ですがどーですか?」
「え、えっと、、、」
色んな人達が自分に話し掛けてくれる。·····でも、一気に話されてもオレは全てを一度に聞くという芸当は持っていない為焦る。
嬉しいけど困った·····。
困っていると「皆さん!ルイス様が困ってますよ。順番に話して下さい」と、ハドラさんが皆を止める。
正直··········本当に助かった。
流石、ハドラさんっ!
ハドラさんの言葉に皆は納得してそれからは順番に話し掛けてくれる。
隣にずっと立っているテオも「ルイス、すまなかった」と謝ってきた。
こうして楽しいパーティーが続き、数時間後にはお開きとなった。
最後にオレからの言葉を〆とするとテオが言い、オレは忙しい中準備やパーティーを開いてくれた事に感謝した。
こんなに楽しいパーティーをオレは一生忘れる事はないだろう。
◆┈┈┈┈┈┈◇
「パーティーは楽しかったか?」
「はいっ」
部屋に戻り今は二人っきりの状態でオレの向かい側に座るテオは赤ワインを嗜んでいた。
「それは良かった。··········ルイス」と、テオがオレを改めて呼ぶ。
「なんですか?」
「色々悩んだが、、」
そう言ってテオは椅子から立ち上がり自身のポケットから小さな箱を取り出してオレの前に片膝を着く。
「て、テオ?!」
オレは突然の行動に驚いた。
「これをお前に」
テオはその箱を開けて此方に見える様な状態にした。
「!?」
箱の中にはルビーが使われた綺麗な装飾の耳飾りが一つ入っている。
「テオ、これっ」
「指輪は既に贈っているからな·····どうだろうか?」と、不安そうに尋ねてくる。
「ありがとうございます。こんな事言ったら駄目なのは分かっていますが·····貴方からの贈り物が一番嬉しいです。 あの···今、着けてくれませんか?」
「ふっ、喜んで」
テオは立ち上がって箱から耳飾りを取るとオレの右耳に着けた。
「着きました?」と、尋ねると「ああ。·····お前は本当に美しいな」と言ってオレの額や頬、鼻、瞼にキスをする。
「テオ」
「どうした?」
「ずっと思っていましたが、テオは赤色が好きなんですか?」
指輪の時からずっと思っていた。
テオの目の色も綺麗な赤だから···だから赤が好きなのかな?と、、、
「···············。」
あれ?
テオは一瞬止まってから「·····ああ。ルイスが身に着ける『赤』は特に好きだ」と答えた。
「? ···そう、なんですね」
何故、貴方は今···少しだけ辛そうな表情をしたんだろう?
オレも直ぐに聞けば良いのに、それを聞いては駄目な気がして聞けない。
「テオ、ありがとうございます。大切にします」
「ああ。これにも魔法が付与されている。出来るだけ身に着けて欲しい」
「分かりました」
と、言ったが·····今はまだ手が動かせない。当分はテオやハドラさんに着けて貰わないといけないな、、
それにしても、この二つの指輪も耳飾りも一体幾らするんだろ?
この三つ合わせたら城は建てられるし裕福な暮らしも出来ると思う·····勿論、テオからの贈り物だから売らないけど、、、
そんな事を考えているオレに、
「ルイス誕生日おめでとう。今までも···これからも愛している」と、テオは言う。
これからも愛している、と言われて嬉しいオレは、
「オレもテオを愛してますよ、ずっと」とオレは笑う。
『赤』色については疑問が残ったけど素敵な一日だった。
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