上 下
42 / 47
一章

【後日】

しおりを挟む
「本当にすまなかった」
「知りませんっ!!!」
オレは朝起きて昨日の事で拗ねていた。
まさか·····お風呂でテオがあんな事をしてくるとは思わなかった。
それに、、、
後ろの穴に指を挿れてきて···それが痛くなくて気持ち良いなんて···。
こんな事今までされた事ないのにッ!!

「ルイス~~~·····」
背中を向けているのにテオが強く抱き締めてくる。
こういう時、足が無いと逃げられないから困る。

「はぁ···············何であんな事したんですか?」
「勿論ルイスに欲情したからだ」
「よk·····でもっ、あんな所に指なんて···っ、」
言ってて凄く恥ずかしいし顔が熱い。

「いきなり私のを挿れたら痛いだろう·····それに、本来男同士の場合は指で慣れさせてから行うものだ」
「そうなんですか?」
「ああ。ルイスは賢いがそういう知識は子供のままだな」と、後ろでテオが笑っている。

仕方ないだろ··········。
十五からずっと牢獄生活だったんだから、、、
オレには許嫁もいなかったし、まともな恋愛なんてした事がない。

「··········テオ以外と···恋愛した事無いから分かる訳無いだろ、、」
「そうだったな。ルイスすまなかった」
「もういいですよ。逆に·····テオは初恋はいつなんですか?いや、そもそも許嫁とかいなかったんですか?」
「私か?許嫁はいたが死地に追いやられた時に兄上に寝盗られた。まあ、元々愛してはいなかったし何とも思わなかったが。··········初恋は年下でたまに生意気な所が可愛い真っ直ぐな奴だ」
「うわ"ぁ·····スデンソン様よく刺されませんね、隠し子とかいても変じゃないですよ。初恋は年下なんですかっ!意外です。生意気で可愛い令嬢·····想像出来ない、、」

テオにも初恋があった事に驚いたけど、スデンソン様の悪食っぷりには正直引いてる·····。

「令嬢?何を言っている」
オレの言葉にテオは拗ねた様に言う。
「え?」
令嬢じゃないの???じゃあ、男?

「私の初恋の相手はお前だ。私の心を奪っておいてよく言う」
「え?!オレですか?!?でも、初めて会った時、全然興味無かったですよね?」
いきなりの発言にオレは体勢を変えてテオを見る。
あの時、オレはテオを警戒していたしテオも一度オレを見てからそれ以降目も合わなかった。

「ああ。最初は目つきの悪い子供だと·····思っていた」
「じゃあ何でっ」
「戦場でムフロンであるお前が私の前に来たからだ。あれ程胸が踊った事はなかった」
「ッ、」
戦場でオレを好きになった?
だから会う度オレの事を嬉しそうに呼んできたのか··········。

「ルイスお前だけなのだ。こんなにも執着してしまうのは」
そう言ってテオはオレにキスをする。
「テオの執着は·····たまに異常です」
「自覚はしている。こんな私は嫌いか?」
「··········嫌いなら側にいませんし、キスもしません」
「そうか。昨日はすまなかったな·····今後はもう少し加減する」
「いえ、オレも知識が足りませんでした。加減は·····しなくていいです。テオの愛情表現だと思って受け取りますので」
オレの言葉に「ああ。私の愛を余すことなく受け取ってくれ」と言ってテオは嬉しそうに目を細めた。

「·····そろそろ起きませんか?」
時計を見ていないがアンナさんかハドラさんがそろそろ来る頃だ。
「そうだな」
テオはオレを抱き締めたまま起き上がるとオレの身体に義手と義足を装着する。


「今日もお願いします」
「うむ」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~

tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。 番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。 ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。 そして安定のヤンデレさん☆ ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。 別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。

処理中です...