上 下
41 / 47
一章

【指】

しおりを挟む
今日は義足の調整だ。

椅子に座った状態でバルタザールさんに義足を装着して貰っている。
「痛みなど御座いませんか?」
「無いです」
「違和感は?」
「右足が、」
「少々お待ちください···············どうでしょう?」
「あっ、大丈夫です」
「ではテオ様、ルイス様の補助をお願いします」
「分かった」

テオがオレの前に来て、バルタザールさんの指示のもとオレの腕をクロスさせた状態で掴むと上に引っ張る。


「           ぁ  、 」

今まで見ていた景色が全て変わって見える。
座っていた椅子や普段使う机、ベッドに天井·····それに床··········全て····全て違う

「─────すごぃ·····  」

数年前迄は当たり前だった風景がこんなに素晴らしい物だったなんて·····。
失って気付くとはまさにこの事だろう。

「ルイス?」
オレの身体を支えながらテオが呼ぶ。
「テオ、足があるって·····っ  こんなにも···幸せな事だったんですね」
涙が勝手に溢れて頬に流れてしまう。。。
「···そうだな、きっとそうだ」と、テオは目を細めて頷く。


「足は動かせそうですか?」
「はい、動かします」
バルタザールさんに言われて足を動かそうとする。
しかし─────·····
右足が上がり過ぎて体勢を崩し、テオが慌ててオレを支えた。
「左足はどうですか?」
次も言われた通り動かすと右足同様、どれ位上げれば良いのか分からずテオにまた支えられてしまう。
歩くって·····どうすれば良かったっけ???

「····················異常は無さそうですね。まずは補助有りで立つ事から始めて下さい。その後はその場で足踏みの練習。歩くのはその先ですね」
「はい。本当に·····本当に有難うございます」
バルタザールさんには感謝しても全然足りない。
「いえ、私は一人でも手足が無い方に普通の生活をおくって頂くことが夢ですので。当然の事です」と、お辞儀して部屋を出て行ってしまった。


「テオ」
「どうした?」
「夜ご飯まで椅子から立ち上がる練習付き合って貰っていいですか?」
「ふっ、喜んで」

それからテオと二人で何度も何度も椅子から立ち上がる練習をする。


◆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◆


テオと練習した次の日·····腰とお尻が筋肉痛になった、、、、
久しぶりの激痛にオレがベッドでダウンしていると「ストレッチをしましょう」と、バルタザールさんに言われてオレはストレッチを開始する。

座った状態で義手と義足を装着し、足をくっ付けた状態で真っ直ぐ伸ばす。
次に両手をつま先につくように伸ばすが··········
「いだだだだだだだだd···············」
以前のオレならこれ位簡単だったのに今は筋肉痛と重なってとてもツラい。。。

「テオ様背中から優しく押して下さい」
「わ、分かった·····ルイスすまない」と、テオが謝りながら背中を押す。
「痛いっ!痛い痛いいたいっいっっったい!!!テオ痛いッ!痛いって!!もう少し緩めてっ!!」
本当に痛いッ!!!!!!!
「テオ様、これもルイス様の為ですので心を鬼にして下さい」
「ぅ·····うむ、、」
それから色んなストレッチをして、オレは痛いとしか言ってないし、テオは終始申し訳なさそうな表情を浮かべていた。


「お疲れ様でした。ルイス様は筋肉が全くありませんね。腕も腹筋も全て鍛えていかなければなりません」
「····················は”い”·····あ”り"がとう”ござい”ました”」
終わった頃には奇声を上げすぎてオレの声はガラガラだった。

これも剣を握る為だ、しょうがない。
耐えないと·····。
これ位でへこたれたら剣を握るなんて夢になってしまう。


夜ご飯を食べる前に汗をかいたので義手と義足を取ってテオとお風呂に入る事になった。

「大丈夫か?」
テオがオレの身体を洗いながら聞いてくる。
「大丈夫です、これ位で泣き言は言いませんっ」
「そうか、、私は··········元気に動くルイスを見れたら確かに嬉しいが、それよりもルイスに辛い思いはして欲しくない。だから、無理だけはしないでくれ。やめたくなったら何時でもやめて良いのだ。仮にやめたからと言って誰もルイスを責めはしない」

「····················。」

テオはまたオレを『駄目な人』にしようとする。。。
受け入れてしまえば···剣は握れないし、歩く事さえ出来ないままだ。
けれど、テオにドロドロに甘やかされ···庇護の中で死ぬ迄楽だろう··········。
だけどそれは絶対に嫌だ。
そんなものはオレが求めているものじゃない。

「有難うございます。でも、出来るかもしれないのに諦めるなんて絶対にしたくないんです。テオ·····貴方は二人で行く旅行先の事を考えながらオレを手伝って下さい」と、後ろにいるテオの目を見て言う。
「!  ·····そうだな。それでこそ私のルイスだ」
テオはそう言うと洗い終わったオレの首元や背中にキスをする。

「て、テオ·····今日は痕つけないでくださいっ」
「どうしてだ?」と、テオは背中にキスをすると強く吸う、、、
「あ"っ 、ッ·····最近んっ···痕が無い日がないから···ぁっ」
「仕方がないだろう。ルイスが日に日に私を惚れさせるから私も辛いのだ」
「惚れ?  ン”ッ♡テオ·····今日は、、だ·····だめ···」
テオの手がオレのモノを触り甘い刺激を与えてくる。

「今日は駄目ばかりだな·····嫌なら止めるが、どうする?」
そう言ってオレのモノを触っていたテオの手が止まった。
「っ、」
テオが触ったせいで···もっと触って欲しくて堪らない。
早く、いつもみたいにイかせて欲しい·····。

「~~~~~···い··嫌···じゃ、ないです。優しく···して·····ください··、、」
嫌と拒否出来ないのを貴方は知っているくせにわざと聞いてきてそれが悔しい。
「ふっ、可愛いなルイス」
再び手が動いてオレのモノを触り、もう片方の手がオレの後ろの穴を触る。

「て、テオ?!」
今まで後ろは触った事無いのに、、、
「今日は·····ここにも挿れて気持ち良くしてやろう」
「へっ?挿れるって────·····  ア"あっ??!」
オレのお尻の穴にテオの指がゆっくり入ってくる。
「はぁ  、 んっ  んん····· 、、」
何これッ、テオの指が中で動いてるのか?
なのに·····何で痛くないんだ???

「んん"っ·····はぁっ  はっ   テオ·····抜いてっ おねが·····」
一度も経験が無い事にオレの頭はパンク寸前だ。
「ん?一本では足りなかったか」
「ぇ?!ち···ちがっ    う”う???!」
中に···っ  テオの··テオの大きい指が増えた·····っ
やだっ 、、やめてっ!!そ···んな掻き回さないでっ
「ん"ぁ·····ッ ぬ  ぬいて·····中でうごかな·····でぇっ」
テオは話すオレに無理矢理キスをして行為を続ける。
「アッ·····あ"っ ♡ て ···てお  て····ン"ッ!!?ん”··んぅ·····ッん”んん”ン~~~~~ッッ?!!?」
恐ろしいほどの快楽がオレを襲い、直ぐに達してしまった。

「はぁ·····はぁ··· はっ  はぁ·····」
オレの身体は意思とは関係無くガクガクと痙攣している。
「イッたのか·····ココが良かったのか?」
テオが今度は指を三本にしてオレの中で動き、もっと奥の方を刺激してくる。
「や  ぁ"っ♡♡」
苦しいのに···何これッ··········
気持ち良いっ ···そこばかり指で押したり掻き回さないで·····だめっ、、だめぇだめだめ頭おかしくなるからッッッ!だめだめだめぇっ

「や"っ·····テオやだっ♡····それ"、いやあっやァァァあ”あ”あア"ぁあ♡♡♡」
余りの快楽に·····オレはイキながらテオの左腕を強く引っ掻き、引っ掻かれた腕からは血が滴る。
「ッ、可愛いなルイス。もっと·····もっと可愛い顔を見せてくれ···」
そう言うテオは愉悦に浸っているのか、オレの中に挿れている指を抜こうとせずまた動かす。
オレはその後もイキ続け、いつの間にか気を失った。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~

tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。 番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。 ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。 そして安定のヤンデレさん☆ ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。 別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。

処理中です...