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一章
【あやうい】
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「─────·····ん、」
目を覚ますといつも通りテオに抱き締められていた。
昨日は新しい魔道具について夫人とハドラさんが連れて来てくれた貴族の二人の力を借りて別空間への収納実験をしたが、開発を始めてから何度も何度も試行錯誤を繰り返し、やっと別空間で欲しいものを取り出したり仕舞ったりする事に成功した。
風魔法に注目したのは正解だった。
そして···············実験後はテオと行為をした。
新年会の日から結構な頻度でしているがテオは今もオレに挿れない。
大切にしてくれているのは凄く伝わるし、最近は胸を吸われたり触られるとくすぐったい感覚とは違い気持ち良くなってしまう。
それと色んな所に痕を付けられるようになった。
「ルイス?」
「!」
名前を呼ばれて顔を上げると「おはよう」とキスされた。
甘くて心臓がもたないけどテオからのキスはいつも嬉しい·····。
「テオおはようございます」
「ああ。身体は平気か?」
「はい、テオは体調大丈夫ですか?」
「私はルイスがいればいつでも元気だ」
「~~~~~ッ、そ···そうですか」
甘いッッッ!!!
その時、ドアがノックされてテオがオレを抱き締めたまま「入れ」と言う。
「おはようございます。毎日お熱いですね」とハドラさんが中に入って来た。
「フン、羨ましいか?」
「はいはい。私もお休みを頂けたら相手を探したいものですよ。それより本日は技術者が参ります」
「そうだったな、しょうがない·····起きるか」
テオは俺を抱いたまま上体を起こすと朝食の為に二人で移動する。
いよいよオレの義手と義足が手に入る。
どうしよう凄い緊張してきた。。。
「あ·····ルイス様は首元が隠れる服に着替えなければなりませんね」
「え?」
首元が隠れる服?何故??
オレはハドラさんの言葉に首を傾げる。
「テオ様が痕を沢山付けておりますのでそのままだと見えてしまいますよ」と、ハドラさんは自身の首に指をあて困った様に笑う。
「~~~~~~ッ!!?」
恥ずかしいッッッ
胸やお腹、背中だけかと思ったら首ら辺も痕がついていたなんて·····。
「良いでは無いか。来年結婚するのだ、今更隠しても無駄だろう」
「テオ様はそうでも、ルイス様は嫌だと思いますが·····」
ハドラさんの言葉にオレは縦に何度も首を振る。
「むっ、嫌か·····」
「はぁ、、テオ様は少しズレていらっしゃいますね」とハドラさんは深い溜め息をつく。
その時、また誰かが来た用でドアがノックされ、
テオが「入れ」と言うと次はアンナさんが入って来た。
「朝食お持ちしました~~っ♡」
「お前は朝からテンションが高過ぎる·····」
「え~っ、テオ様はテンション低いですね♡ルイス様は·····ふふふふふ♡♡」
アンナさんがオレを見てニヤニヤしている。
絶対首ら辺を見てる·····、、、
「み、見ないでくださいっ」
オレは恥ずかしくて左手で首を覆った。
「そ~いえば『首狩り事件』の犯人が見付かったそうですよ~♡」と、アンナさんは朝食の準備をする。
「ほぉ、犯人が·····」
テオは黒い笑みを浮かべている。
「あははっ♡おかしいですよね~♡犯人は此処にいるっていうのに」
「···································。」
『首狩り事件』はスデンソン様の屋敷で起こった事件で、身元不明の男十二人の首が主寝室に転がっていた·····というものだ。
事件当日、スデンソン様は出掛けていて無事だったらしいが、目撃者はおらずこの事は国中で騒ぎになった。
「アンナご飯が不味くなる。それは後にしろ」
「は~い♡♡また後で報告しますねっ」
そう言ってアンナさんは元気いっぱいで部屋から出て行く。
「トカゲの尻尾切り、ですね」
冷静な声でハドラさんが言う。
「だろうな。残念な兄上はいつになったら反省するのだ」とテオは呆れるが、それに対して「一生·····ないかもしれませんね」とハドラさんが鼻で嗤った。
「ルイスすまなかったな、この話はやめよう。ハドラ今日の議会の資料を」
「こちらです」
朝ご飯を食べつつテオは資料に目を通してハドラさんへ指示を出していく。
「··································。」
父上···貴方は以前オレに言いました。
国を治めるという事は綺麗事では生きていけない、と。
頭では理解しています。
ですが、オレは父上とは違い聡明では無い。
今後··········もしテオが大きく道を踏み外した時、止められるのか不安になるのです···。
ダイランに復讐しようと決めているオレが言える事ではありませんが、それでも···テオには死ぬ迄皆に愛される王でいて欲しいと思ってしまうのです。
「ルイス?どうした?」
「···何でもありません。今日もガレイズさん達が作った料理が美味しいなと」
オレは止めていたスプーンを動かす。
「そうだな。唯、そろそろガレイズ達には纏まった休みを与えなければと考えている」
「それでしたら私にも休みをください」
「ハドラは働く事が生き甲斐みたいなものだろう」と言ってテオは笑う。
「いえ、私も人ですよ?そろそろ休みを頂けないとストライキします」
ハドラさんがストライキは··········国が回らないと思える位大変な気がする。。。
「なら、皆に一週間休みを出している間にルイスと二人っきりで別荘地にでも行くか·····もしくは他国へ旅行でも良いな」
「、」
テオが凄い事を言い始めた。
「その間何かあったらどうなさるのです?」
「何かとは?」
「他国が攻めてきたり、スデンソン様がやらかしたり·····ですよ」
「大丈夫だろう。私が居なくてもシオドアがいる。兄上がやらかしたら今度こそ首をはねる口実が出来て助かるな」
「はぁ··········、ルイス様と出掛けたいだけですよね·····」
「正直に言えばそうだ」
テオの言葉に眉間に皺を寄せて頭を抱えるハドラさん。
「! テオ、議会そろそろ行かなくて大丈夫ですか?」
「ああ、行かなければ。ルイスまた後で」と、テオは立ち上がってオレの額にキスすると出て行く。
「はぁ、、テオ様は本当に·····」
そう言って深い溜め息をつくハドラさん。
「はははっ、、オレもハドラさんが一週間休みを取るのは有りだと思いますよ」
ハドラさんもテオも働き過ぎな気がする。。。
「そうですね·····休みの調整でもしましょうか」
「それが良いと思います。義手と義足で動ける様になったらハドラさんのお手伝いさせて下さいね」
「ルイス様ッ、嗚呼···テオ様にルイス様の爪の垢を煎じて飲ませたいです。いや、でも··········テオ様なら喜んで飲みそうなので今のは無しですね」
「え··········まさか、、、流石にそこまでじゃないと思いますよ」
「······························。」
黙って何も返さないハドラさん。。。
え?
ハドラさん冗談ですよね???
「じょ、冗談·····ですよね?」
思わず聞いてしまった。
「今のは冗談ですが今のテオ様はルイス様を軸にして生きておられます。少しだけ、私の話を聞いて頂けないでしょうか?」と真剣な表情で言われ、オレは「分かりました」と頷く。
「四年前·····ルイス様を取り戻す事が出来なかったテオ様は別人の様に変わりました。何も執着を持たなかった姿が嘘のようにルイス様にだけ異常な執着を持ち、取り憑かれた様に魔法や剣に打ち込んで誰が止めても話を一切聞こうともせず暴走状態·····。
ヴォーガへ再び攻めた時、私は初めてテオ様を恐ろしく感じました。
無駄に殺生をしなかった方が容赦無く目の前に居る人々を殺していくのです··········全身が敵の血で真っ赤に染まり、その時付いた名が『鮮血の王』。今でも陰口の際にそう呼ばれています。
そして、ルイス様が生きていると聞いてからは毎日飽きもせずルイス様を探しておられました·····」
「······························。」
思い出しているのかハドラさんは悲しそうな表情をしていた。。。
「テオ様は·····ルイス様がいなければ壊れてしまう位あやうい方です。私は近くで長年仕えておりましたのでそれは間違いありません。逆に、貴方様がいればテオ様は狂いません。私の勝手なお願いですが、どうか···どうかこの先も我が王の側にいて欲しいのです」
ハドラさんはそう言うとオレにひれ伏す。
いきなりの事で驚いたオレは、
「ハドラさん立ってください!オレは自分の意思でテオといます。それに·····テオの愛が重いのは分かってるので大丈夫です」とハドラさんにひれ伏すのをやめてもらう。
オレの言葉を聞いたハドラさんは安心した様な表情をして「ありがとうございます。これでこの国は安泰です。·····では、長期休暇のスケジュールを組むので私はこれで」と、深くお辞儀をすると部屋を出て行った。
オレが此処に来て知ったテオは─────·····
『愛している』『好き』を毎日言い、
一人で何でも抱えて無理する人·····。
執着が凄い····のかはオレは分からないけど、周りの人達が言うから凄いのだろう。
·····でも、オレが嫌がる事は絶対にしない人だ。
『繊細で·····あやうい人』
ハドラさんが言った事はオレも理解している。
「······························。」
テオの事を考えていた時ドアが開いた。
ハドラさんかアンナさんかと思ったらテオが部屋に入って来る。
「む?ルイスだけか?」
「はい。議会はどうしたんですか?」
「書類を珍しく忘れてな、取りに来た」
テオはそう言うと机に向かう。
「そうですか」
今、こういう事言っては駄目なんだろうけど·····
「テオ」
「どうした?」
「愛してます。議会頑張って下さいね」
「?!」
一瞬驚いた表情をした後テオは書類を持ってオレの方に来ると「私も愛している。今はすぐ戻らなければならない。後で沢山言ってくれないか?」と、オレにキスをした。
「はい。後で沢山言わせてください」
「ああ、では後でな」
テオは目を細めて嬉しそうに部屋を出て行った。
目を覚ますといつも通りテオに抱き締められていた。
昨日は新しい魔道具について夫人とハドラさんが連れて来てくれた貴族の二人の力を借りて別空間への収納実験をしたが、開発を始めてから何度も何度も試行錯誤を繰り返し、やっと別空間で欲しいものを取り出したり仕舞ったりする事に成功した。
風魔法に注目したのは正解だった。
そして···············実験後はテオと行為をした。
新年会の日から結構な頻度でしているがテオは今もオレに挿れない。
大切にしてくれているのは凄く伝わるし、最近は胸を吸われたり触られるとくすぐったい感覚とは違い気持ち良くなってしまう。
それと色んな所に痕を付けられるようになった。
「ルイス?」
「!」
名前を呼ばれて顔を上げると「おはよう」とキスされた。
甘くて心臓がもたないけどテオからのキスはいつも嬉しい·····。
「テオおはようございます」
「ああ。身体は平気か?」
「はい、テオは体調大丈夫ですか?」
「私はルイスがいればいつでも元気だ」
「~~~~~ッ、そ···そうですか」
甘いッッッ!!!
その時、ドアがノックされてテオがオレを抱き締めたまま「入れ」と言う。
「おはようございます。毎日お熱いですね」とハドラさんが中に入って来た。
「フン、羨ましいか?」
「はいはい。私もお休みを頂けたら相手を探したいものですよ。それより本日は技術者が参ります」
「そうだったな、しょうがない·····起きるか」
テオは俺を抱いたまま上体を起こすと朝食の為に二人で移動する。
いよいよオレの義手と義足が手に入る。
どうしよう凄い緊張してきた。。。
「あ·····ルイス様は首元が隠れる服に着替えなければなりませんね」
「え?」
首元が隠れる服?何故??
オレはハドラさんの言葉に首を傾げる。
「テオ様が痕を沢山付けておりますのでそのままだと見えてしまいますよ」と、ハドラさんは自身の首に指をあて困った様に笑う。
「~~~~~~ッ!!?」
恥ずかしいッッッ
胸やお腹、背中だけかと思ったら首ら辺も痕がついていたなんて·····。
「良いでは無いか。来年結婚するのだ、今更隠しても無駄だろう」
「テオ様はそうでも、ルイス様は嫌だと思いますが·····」
ハドラさんの言葉にオレは縦に何度も首を振る。
「むっ、嫌か·····」
「はぁ、、テオ様は少しズレていらっしゃいますね」とハドラさんは深い溜め息をつく。
その時、また誰かが来た用でドアがノックされ、
テオが「入れ」と言うと次はアンナさんが入って来た。
「朝食お持ちしました~~っ♡」
「お前は朝からテンションが高過ぎる·····」
「え~っ、テオ様はテンション低いですね♡ルイス様は·····ふふふふふ♡♡」
アンナさんがオレを見てニヤニヤしている。
絶対首ら辺を見てる·····、、、
「み、見ないでくださいっ」
オレは恥ずかしくて左手で首を覆った。
「そ~いえば『首狩り事件』の犯人が見付かったそうですよ~♡」と、アンナさんは朝食の準備をする。
「ほぉ、犯人が·····」
テオは黒い笑みを浮かべている。
「あははっ♡おかしいですよね~♡犯人は此処にいるっていうのに」
「···································。」
『首狩り事件』はスデンソン様の屋敷で起こった事件で、身元不明の男十二人の首が主寝室に転がっていた·····というものだ。
事件当日、スデンソン様は出掛けていて無事だったらしいが、目撃者はおらずこの事は国中で騒ぎになった。
「アンナご飯が不味くなる。それは後にしろ」
「は~い♡♡また後で報告しますねっ」
そう言ってアンナさんは元気いっぱいで部屋から出て行く。
「トカゲの尻尾切り、ですね」
冷静な声でハドラさんが言う。
「だろうな。残念な兄上はいつになったら反省するのだ」とテオは呆れるが、それに対して「一生·····ないかもしれませんね」とハドラさんが鼻で嗤った。
「ルイスすまなかったな、この話はやめよう。ハドラ今日の議会の資料を」
「こちらです」
朝ご飯を食べつつテオは資料に目を通してハドラさんへ指示を出していく。
「··································。」
父上···貴方は以前オレに言いました。
国を治めるという事は綺麗事では生きていけない、と。
頭では理解しています。
ですが、オレは父上とは違い聡明では無い。
今後··········もしテオが大きく道を踏み外した時、止められるのか不安になるのです···。
ダイランに復讐しようと決めているオレが言える事ではありませんが、それでも···テオには死ぬ迄皆に愛される王でいて欲しいと思ってしまうのです。
「ルイス?どうした?」
「···何でもありません。今日もガレイズさん達が作った料理が美味しいなと」
オレは止めていたスプーンを動かす。
「そうだな。唯、そろそろガレイズ達には纏まった休みを与えなければと考えている」
「それでしたら私にも休みをください」
「ハドラは働く事が生き甲斐みたいなものだろう」と言ってテオは笑う。
「いえ、私も人ですよ?そろそろ休みを頂けないとストライキします」
ハドラさんがストライキは··········国が回らないと思える位大変な気がする。。。
「なら、皆に一週間休みを出している間にルイスと二人っきりで別荘地にでも行くか·····もしくは他国へ旅行でも良いな」
「、」
テオが凄い事を言い始めた。
「その間何かあったらどうなさるのです?」
「何かとは?」
「他国が攻めてきたり、スデンソン様がやらかしたり·····ですよ」
「大丈夫だろう。私が居なくてもシオドアがいる。兄上がやらかしたら今度こそ首をはねる口実が出来て助かるな」
「はぁ··········、ルイス様と出掛けたいだけですよね·····」
「正直に言えばそうだ」
テオの言葉に眉間に皺を寄せて頭を抱えるハドラさん。
「! テオ、議会そろそろ行かなくて大丈夫ですか?」
「ああ、行かなければ。ルイスまた後で」と、テオは立ち上がってオレの額にキスすると出て行く。
「はぁ、、テオ様は本当に·····」
そう言って深い溜め息をつくハドラさん。
「はははっ、、オレもハドラさんが一週間休みを取るのは有りだと思いますよ」
ハドラさんもテオも働き過ぎな気がする。。。
「そうですね·····休みの調整でもしましょうか」
「それが良いと思います。義手と義足で動ける様になったらハドラさんのお手伝いさせて下さいね」
「ルイス様ッ、嗚呼···テオ様にルイス様の爪の垢を煎じて飲ませたいです。いや、でも··········テオ様なら喜んで飲みそうなので今のは無しですね」
「え··········まさか、、、流石にそこまでじゃないと思いますよ」
「······························。」
黙って何も返さないハドラさん。。。
え?
ハドラさん冗談ですよね???
「じょ、冗談·····ですよね?」
思わず聞いてしまった。
「今のは冗談ですが今のテオ様はルイス様を軸にして生きておられます。少しだけ、私の話を聞いて頂けないでしょうか?」と真剣な表情で言われ、オレは「分かりました」と頷く。
「四年前·····ルイス様を取り戻す事が出来なかったテオ様は別人の様に変わりました。何も執着を持たなかった姿が嘘のようにルイス様にだけ異常な執着を持ち、取り憑かれた様に魔法や剣に打ち込んで誰が止めても話を一切聞こうともせず暴走状態·····。
ヴォーガへ再び攻めた時、私は初めてテオ様を恐ろしく感じました。
無駄に殺生をしなかった方が容赦無く目の前に居る人々を殺していくのです··········全身が敵の血で真っ赤に染まり、その時付いた名が『鮮血の王』。今でも陰口の際にそう呼ばれています。
そして、ルイス様が生きていると聞いてからは毎日飽きもせずルイス様を探しておられました·····」
「······························。」
思い出しているのかハドラさんは悲しそうな表情をしていた。。。
「テオ様は·····ルイス様がいなければ壊れてしまう位あやうい方です。私は近くで長年仕えておりましたのでそれは間違いありません。逆に、貴方様がいればテオ様は狂いません。私の勝手なお願いですが、どうか···どうかこの先も我が王の側にいて欲しいのです」
ハドラさんはそう言うとオレにひれ伏す。
いきなりの事で驚いたオレは、
「ハドラさん立ってください!オレは自分の意思でテオといます。それに·····テオの愛が重いのは分かってるので大丈夫です」とハドラさんにひれ伏すのをやめてもらう。
オレの言葉を聞いたハドラさんは安心した様な表情をして「ありがとうございます。これでこの国は安泰です。·····では、長期休暇のスケジュールを組むので私はこれで」と、深くお辞儀をすると部屋を出て行った。
オレが此処に来て知ったテオは─────·····
『愛している』『好き』を毎日言い、
一人で何でも抱えて無理する人·····。
執着が凄い····のかはオレは分からないけど、周りの人達が言うから凄いのだろう。
·····でも、オレが嫌がる事は絶対にしない人だ。
『繊細で·····あやうい人』
ハドラさんが言った事はオレも理解している。
「······························。」
テオの事を考えていた時ドアが開いた。
ハドラさんかアンナさんかと思ったらテオが部屋に入って来る。
「む?ルイスだけか?」
「はい。議会はどうしたんですか?」
「書類を珍しく忘れてな、取りに来た」
テオはそう言うと机に向かう。
「そうですか」
今、こういう事言っては駄目なんだろうけど·····
「テオ」
「どうした?」
「愛してます。議会頑張って下さいね」
「?!」
一瞬驚いた表情をした後テオは書類を持ってオレの方に来ると「私も愛している。今はすぐ戻らなければならない。後で沢山言ってくれないか?」と、オレにキスをした。
「はい。後で沢山言わせてください」
「ああ、では後でな」
テオは目を細めて嬉しそうに部屋を出て行った。
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