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一章
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あれからテオはずっと一緒にいてくれる。
勿論、大量の仕事を難無くこなしている。
しかし···中庭でオレにひれ伏す姿を侍女達が遠くから見てしまった事もあり、オレは影の権力者という変な噂が流れているとアンナさんが笑いながら報告してくれた。
「あはははははっ♡もう最っっっ高♡私の推しは最高ですっ!は~~ルイス様、私対価無しで貴方に一生ついていきます♡」
「アンナ、その推しとはなんだ?」
報告書に目を通しながらテオが聞く。
「え?!テオ様知らないんですか~?♡推しとは~人や作品、商品に対して熱心な支持や愛情を示すときに使う言葉ですよ~っ♡因みに私以外にもルイス様推しは多いです♡」
「ほぉー·····。それに恋愛感情が混じっている者がいたら直ぐに消せ。男なら尚のことな···証拠は残すな」
「きゃ~~~っ♡テオ様怖いですね。でも、畏まりました♪」
「····················。」
恋愛感情抱いただけで消されるって、、、
いや、そもそも二人の会話が物騒だ。
「ずっと疑問だったんですが、アンナさんはどっちが素なんですか?」
冷淡に答える時と今のアンナさんは二重人格かと思える位中身が全然違う。
「え?乙女の秘密聞いちゃいますかあ~~♡ふふっ·····楽なのはこっち、とだけお伝えしときますね♡」
「そうですか。オレは今のアンナさんの方が好きです」
そう言うとアンナさんは嬉しそうに目を細め、
「はいっ♡やっぱり貴方は最高の推しですね」と言って部屋から出て行く。
「アンナさんは可愛くて面白い人ですね」
「可愛い??面白い???··········私には頭のネジが外れた部下にしか見えぬが、」
「ネジが外れたって·····」と、オレは笑う。
部下にそこまで言うテオも不敬罪に毎日なっているアンナさんも両方見てて楽しいし面白い。
「ルイス、明日の新年会は私の隣で座っていれば良い。兄上も来ると思うが何を言ってきても無視しなさい」
「分かりました。あと、お茶会は来月の中旬だと連絡がありました」
「そうか·····付き添いは私が行く。変装と魔道具を使えば兄上は残念な人だから私だと分からぬ筈だし他の者も分からぬだろう」
「わ、分かりました」
きょ、、、兄弟なのに変装と魔道具で分からないなんて···ここの兄弟は何故こんなに仲が悪いんだろう?
「何でそんなに仲が悪いんですか?」
二人の家族らしい会話を此処に来てから見た事がない。
「嗚呼···········父と母を殺したのが奴だからだ。勿論、私の事も殺そうとして何度も失敗している。今の王族で光属性の魔法が使えるのは私だけだからな」
「 え?」
光属性の魔法が使えるのはテオだけ·····。
じゃあ、スデンソン様は魔法が使えないのか、、、
「珍しくも無い。王位継承権の問題だ········十四の頃、兄上の策で死地に追いやられ、生き残って帰ったら父も母も死んでいて国は荒れ放題だった。その時、奴は何をしていたと思う?他国に自分だけ逃げていた」
「そんなっ·····」
「有り得ないだろう?自身が撒いた種だというのに。私は無我夢中で何とか国を立て直した。奴は数年後に帰って来た·····。『大切な弟よ、父と母が何者かに殺された』とな」
「·························辛く···なかったのですか?」
「正直に言えば辛かった。しかし、干渉する暇があの時は無かった」
テオは思い出しているのか眉間に皺を寄せて悲しそうな表情をしている。
「何故、スデンソン様を罰しないのですか?」
「証拠が足りない。それに奴には少々厄介な相手がついている」
「·························。」
オレは·····兄弟仲が悪くなくて逆に良好だったからかなり驚いた。
しかも自分の親を殺して逃げるなんて、、、
「ルイスは気にしなくて良い。これは兄と私の問題だからな」
「はい、」
「それより明日の新年会は美味しい料理が沢山出てくるぞ」
テオがオレに気を使っているのか話題を変える。
「そうなんですか?」
「ああ。ガレイズがルイスに食べさせたい新作が沢山あると言っていた」
「おおっ!それは楽しみですねっ♪」
それからはオレとテオは新年会の話で盛り上がった。
◆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◆
「ルイス様美人~~~ッ♡流石っ、私の最推しですぅ♡♡♡あ、写真撮っても良いですか~?」
「あ!ズルいわよっ!私も撮りたい!」
アンナさんともう一人の侍女のベルさんがオレの服を着せてくれるが、凄くテンションが上がっている。
「アンナ、ベル、写真を撮るなら私にも─────·····
「テオ様ッ!動かないで下さい!」
「む、、すまない」
テオはハドラさんに整えられていた。
現在オレとテオは新年会の為着飾っている。
今着ている服は、右肩が黒いマントで隠されたオシャレな白いシャツにコルセット付きの黒のハイウェストのキュロットでしまい、左の腹部には造花の薔薇やラナンキュラス等が付いている。
そして何故かフェイスベールに合うような煌びやかなガネットやルビーが使われた髪飾りが付けられた。
··········オレ、最早夫人のお人形かな、、、
「ほう、美しいな」
「!、テオ」
テオも終わった様で此方に来た。
テオはウェーブの髪をセンター分けにして、胸のポケットにはオレにも付いている薔薇やラナンキュラスが見える。
服はデザインや色を揃えたと夫人が言っていたが今日のパーティーに夫人は来るのかな?
「では、そろそろ行こうか」
「はい」
オレはテオにお姫様抱っこをされて会場に向かう。
勿論、大量の仕事を難無くこなしている。
しかし···中庭でオレにひれ伏す姿を侍女達が遠くから見てしまった事もあり、オレは影の権力者という変な噂が流れているとアンナさんが笑いながら報告してくれた。
「あはははははっ♡もう最っっっ高♡私の推しは最高ですっ!は~~ルイス様、私対価無しで貴方に一生ついていきます♡」
「アンナ、その推しとはなんだ?」
報告書に目を通しながらテオが聞く。
「え?!テオ様知らないんですか~?♡推しとは~人や作品、商品に対して熱心な支持や愛情を示すときに使う言葉ですよ~っ♡因みに私以外にもルイス様推しは多いです♡」
「ほぉー·····。それに恋愛感情が混じっている者がいたら直ぐに消せ。男なら尚のことな···証拠は残すな」
「きゃ~~~っ♡テオ様怖いですね。でも、畏まりました♪」
「····················。」
恋愛感情抱いただけで消されるって、、、
いや、そもそも二人の会話が物騒だ。
「ずっと疑問だったんですが、アンナさんはどっちが素なんですか?」
冷淡に答える時と今のアンナさんは二重人格かと思える位中身が全然違う。
「え?乙女の秘密聞いちゃいますかあ~~♡ふふっ·····楽なのはこっち、とだけお伝えしときますね♡」
「そうですか。オレは今のアンナさんの方が好きです」
そう言うとアンナさんは嬉しそうに目を細め、
「はいっ♡やっぱり貴方は最高の推しですね」と言って部屋から出て行く。
「アンナさんは可愛くて面白い人ですね」
「可愛い??面白い???··········私には頭のネジが外れた部下にしか見えぬが、」
「ネジが外れたって·····」と、オレは笑う。
部下にそこまで言うテオも不敬罪に毎日なっているアンナさんも両方見てて楽しいし面白い。
「ルイス、明日の新年会は私の隣で座っていれば良い。兄上も来ると思うが何を言ってきても無視しなさい」
「分かりました。あと、お茶会は来月の中旬だと連絡がありました」
「そうか·····付き添いは私が行く。変装と魔道具を使えば兄上は残念な人だから私だと分からぬ筈だし他の者も分からぬだろう」
「わ、分かりました」
きょ、、、兄弟なのに変装と魔道具で分からないなんて···ここの兄弟は何故こんなに仲が悪いんだろう?
「何でそんなに仲が悪いんですか?」
二人の家族らしい会話を此処に来てから見た事がない。
「嗚呼···········父と母を殺したのが奴だからだ。勿論、私の事も殺そうとして何度も失敗している。今の王族で光属性の魔法が使えるのは私だけだからな」
「 え?」
光属性の魔法が使えるのはテオだけ·····。
じゃあ、スデンソン様は魔法が使えないのか、、、
「珍しくも無い。王位継承権の問題だ········十四の頃、兄上の策で死地に追いやられ、生き残って帰ったら父も母も死んでいて国は荒れ放題だった。その時、奴は何をしていたと思う?他国に自分だけ逃げていた」
「そんなっ·····」
「有り得ないだろう?自身が撒いた種だというのに。私は無我夢中で何とか国を立て直した。奴は数年後に帰って来た·····。『大切な弟よ、父と母が何者かに殺された』とな」
「·························辛く···なかったのですか?」
「正直に言えば辛かった。しかし、干渉する暇があの時は無かった」
テオは思い出しているのか眉間に皺を寄せて悲しそうな表情をしている。
「何故、スデンソン様を罰しないのですか?」
「証拠が足りない。それに奴には少々厄介な相手がついている」
「·························。」
オレは·····兄弟仲が悪くなくて逆に良好だったからかなり驚いた。
しかも自分の親を殺して逃げるなんて、、、
「ルイスは気にしなくて良い。これは兄と私の問題だからな」
「はい、」
「それより明日の新年会は美味しい料理が沢山出てくるぞ」
テオがオレに気を使っているのか話題を変える。
「そうなんですか?」
「ああ。ガレイズがルイスに食べさせたい新作が沢山あると言っていた」
「おおっ!それは楽しみですねっ♪」
それからはオレとテオは新年会の話で盛り上がった。
◆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◆
「ルイス様美人~~~ッ♡流石っ、私の最推しですぅ♡♡♡あ、写真撮っても良いですか~?」
「あ!ズルいわよっ!私も撮りたい!」
アンナさんともう一人の侍女のベルさんがオレの服を着せてくれるが、凄くテンションが上がっている。
「アンナ、ベル、写真を撮るなら私にも─────·····
「テオ様ッ!動かないで下さい!」
「む、、すまない」
テオはハドラさんに整えられていた。
現在オレとテオは新年会の為着飾っている。
今着ている服は、右肩が黒いマントで隠されたオシャレな白いシャツにコルセット付きの黒のハイウェストのキュロットでしまい、左の腹部には造花の薔薇やラナンキュラス等が付いている。
そして何故かフェイスベールに合うような煌びやかなガネットやルビーが使われた髪飾りが付けられた。
··········オレ、最早夫人のお人形かな、、、
「ほう、美しいな」
「!、テオ」
テオも終わった様で此方に来た。
テオはウェーブの髪をセンター分けにして、胸のポケットにはオレにも付いている薔薇やラナンキュラスが見える。
服はデザインや色を揃えたと夫人が言っていたが今日のパーティーに夫人は来るのかな?
「では、そろそろ行こうか」
「はい」
オレはテオにお姫様抱っこをされて会場に向かう。
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