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一章
【仕立て屋】
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一時間後、本当にハドラさんが戻って来た。
次は議会の資料と言って先程と同じ位の量を持ちながら··········。
「ではルイス後でな」
正装に身を包んで議会の資料を軽く見る獅子王。
『行ってらっしゃい』
「うむ」
オレの頭を撫でて獅子王は議会の為に部屋を出て行った。
「·····珍しく髪をそのままで行かれたのは、ルイス様が何か関係しているのですね」と、ハドラさんに聞かれ『はい、下ろしていた方が似合うと言ったら』とオレは紙に書く。
オレの文字を読んだハドラさんは、
「成程、我が王はチョロいですね」と笑い、オレもつられて笑う。
勿論声はまだ出ないけど、、、、
「先程の婚約や側室の事はルイス様は何も気になさらないでください」
「?」
何故オレが気にするのだろう?
獅子王の事なのに·····不思議だ。
「テオ様はルイス様を一番大切に想っております」
『確かにテオは優しい。それに大切にされてるのは分かります』
「優しいのはルイス様限定でございますよ」
『違うと思いますよ。ハドラさんの事は一番信頼できる部下だと言っていました』
オレの言葉にハドラさんは嬉しそうに微笑んで、
「そうですか。全くあの方は·····」と言う。
二人でそんな話しをしているとドアがノックされて、「私が対応します」とハドラさんがドアへ向かい、外から大きなアタッシュケースを持ったネコ科の体型が綺麗な獣人女性が入って来た。
「ルイス様、彼女はティエリー夫人と言います」
「はじめまして。王の寵愛を受ける方にお会い出来て光栄でございます」
寵愛?と思いつつもオレも深くお辞儀する。
「夫人、ルイス様は口が不自由の為紙に書かれます」
『今日は宜しくお願いします』
「はい♡何と可愛らしい方なのかしら♡♡♡ムフロンと伺っておりましたが、こんな美男子な方は初めてですわ」
『あ、ありがとうございます』
可愛い???美男子???
誰の事を言ってるんだろ·····あ、社交辞令かな?
「夫人、ルイス様を困らせないでください」
「あらっ、ごめんなさい。つい·····ルイスちゃんは綺麗な顔立ちだから服を仕立てるのが楽しみになってきました♡」
「······························。」
部下はクセが強いと獅子王は確かに言っていたけど、城にいる人じゃないティエリー夫人もインパクトがかなり強い··········。
それから腕や首周り等を採寸した。
夫人からは『もっと食べて肉付きを良くしてください』とも言われてしまった、、、
採寸が全て終わり夫人は帰るのかと思いきや大きいアタッシュケースを開ける。
中には数本のペンや大量の紙が入っており、
夫人が右手でフィンガースナップをすると紙が大量に宙に舞い、ペンが勝手に動く。
『これも魔法ですか?』
驚いて聞いてしまった。
「そうよ♡私は風属性の魔法を応用しているのよ」
『凄いですね!風をこんなに器用に使えて尊敬です。そんな凄い人にオレは服を仕立てて貰えるんですね』
「!、ちょっとハドラさん?」
「はい」
「あの子、人ったらし·····よね?」
「恐らく無自覚かと、」
「え"·············それ大丈夫なの?あの子まだ食べられて無さそうだけど」
「はい·····テオ様も何とか耐えております。今の所確実に一方通行の片思いですので、、」
「何それ!末恐ろしい子っ」
オレから少し離れた所で二人が何か話しているけど·····仕事の話かな?
少しして、、、
宙に舞っていた大量の紙が夫人の手元に集まる。
「ルイスちゃん、色々考えて見たんだけど、どーかしら?♡」
「!」
机に沢山のデザイン画が置かれていくが、どれも本当に素敵だと思えてしまう。
『凄いです。どれも素敵で全部着てみたいと思ってしまいます。夫人は天才ですね』
「あ~もぉ~~~~♡ルイスちゃん!うちの養子にならない?大切に育てるわよ」
「ならぬわ」
「?!?!」
夫人でもハドラさんの声でも無く、まさかの獅子王の声に全員が驚いた。
そして、何故か獅子王はオレを抱き締めてくる。
「夫人、デザインは終わったのか?」
「ええ♡机のデザイン全てよ」
「··········そうか。ではそのデザイン全てを。それとは別で急ぎで仕立てて欲しいものがある」
「あら、何かしら?」
「フェイスベールを頼む。目から下が見えぬように」
「ふふ、かなりご執心ですわね♡畏まりました」
夫人はそう言うと魔法で机にある紙をアタッシュケースに戻し「別室借りれるかしら?♡ルイスちゃんの為に特別に三十分で作るわ」と言う。
「ハドラ」
「畏まりました。ご案内します」
ハドラさんと夫人はそのまま部屋を出て行った。
「はぁ···············心配して早く戻れば···」
抱き締めるのをやめた獅子王はオレが座る椅子の向かい側に座る。
『終わったんですか?』
「ああ。脱線を許さぬ実に有意義な議会であった」
『お疲れ様です』
「ルイスも無事に終わって良かった。夫人に気に入られたのは困ったが·····」と獅子王は困った表情を浮かべる。
『困るのですか?』
「いや、困るのは私だけだ気にしなくて良い。因みに夫人は風属性なら上位の使い手だぞ」
『やっぱり!あそこまで精錬された魔法はなかなか見えません』
是非、夫人が使う風魔法をもっと見てみたい。
「そうだな。················私は···器用に魔法を使う奴をもう一人知っているが、今はもう使えないそうだ」と、獅子王は残念そうに話す。
『ご病気ですか?』
「病気では無いが深く傷付いておる」
オレと一緒だ·····。その方も余程の事があったんだろう、、、、
『良くなるといいですね』
「そうだな。元気に過ごしてくれれば良い」
◆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◆
「ルイスちゃん出来たわよ~♡」
「·························。」
とうとうノックも無しで夫人が入って来た。
この国の不敬罪ってオレが言うのもどうかと思うけど·····大丈夫なのか?
「ノック位しろ、と言いたいところだが夫人助かる」
獅子王が全然厳しくないのも原因かもしれない。
「ふふ♡さぁっ!これよ」
夫人が手に持っているのは、長方形で白の薄い生地に金色の刺繍が色んな場所に施された綺麗なデザイン。
固定用の紐も編み込まれていて、とてもオシャレだ。
「つけてあげよう」
夫人からフェイスベールを受け取ると獅子王はオレの座る席の後ろに来て目の下から布を被せて「キツくないか?」と後ろで固定用の紐を結ぶ。
『はい、大丈夫です』
実際装着すると生地が胸下まである。。。
でも、息はし易いので安心した。
「あらあ~似合うわ♡やっぱりこのデザインにして良かった」と、夫人は嬉しそうに言う。
『ありがとうございます。やはり夫人は凄いです』
「あ~~~♡養子·····
「夫人、次の予定があるだろう」
夫人の言葉を獅子王が遮った。
「もうっ!テオ様もう少し心が広くないと嫌われますわよ」
「大丈夫だ。さ、帰りなさい」
獅子王に言われてアタッシュケースを持った夫人は拗ねながら帰って行く。
次は議会の資料と言って先程と同じ位の量を持ちながら··········。
「ではルイス後でな」
正装に身を包んで議会の資料を軽く見る獅子王。
『行ってらっしゃい』
「うむ」
オレの頭を撫でて獅子王は議会の為に部屋を出て行った。
「·····珍しく髪をそのままで行かれたのは、ルイス様が何か関係しているのですね」と、ハドラさんに聞かれ『はい、下ろしていた方が似合うと言ったら』とオレは紙に書く。
オレの文字を読んだハドラさんは、
「成程、我が王はチョロいですね」と笑い、オレもつられて笑う。
勿論声はまだ出ないけど、、、、
「先程の婚約や側室の事はルイス様は何も気になさらないでください」
「?」
何故オレが気にするのだろう?
獅子王の事なのに·····不思議だ。
「テオ様はルイス様を一番大切に想っております」
『確かにテオは優しい。それに大切にされてるのは分かります』
「優しいのはルイス様限定でございますよ」
『違うと思いますよ。ハドラさんの事は一番信頼できる部下だと言っていました』
オレの言葉にハドラさんは嬉しそうに微笑んで、
「そうですか。全くあの方は·····」と言う。
二人でそんな話しをしているとドアがノックされて、「私が対応します」とハドラさんがドアへ向かい、外から大きなアタッシュケースを持ったネコ科の体型が綺麗な獣人女性が入って来た。
「ルイス様、彼女はティエリー夫人と言います」
「はじめまして。王の寵愛を受ける方にお会い出来て光栄でございます」
寵愛?と思いつつもオレも深くお辞儀する。
「夫人、ルイス様は口が不自由の為紙に書かれます」
『今日は宜しくお願いします』
「はい♡何と可愛らしい方なのかしら♡♡♡ムフロンと伺っておりましたが、こんな美男子な方は初めてですわ」
『あ、ありがとうございます』
可愛い???美男子???
誰の事を言ってるんだろ·····あ、社交辞令かな?
「夫人、ルイス様を困らせないでください」
「あらっ、ごめんなさい。つい·····ルイスちゃんは綺麗な顔立ちだから服を仕立てるのが楽しみになってきました♡」
「······························。」
部下はクセが強いと獅子王は確かに言っていたけど、城にいる人じゃないティエリー夫人もインパクトがかなり強い··········。
それから腕や首周り等を採寸した。
夫人からは『もっと食べて肉付きを良くしてください』とも言われてしまった、、、
採寸が全て終わり夫人は帰るのかと思いきや大きいアタッシュケースを開ける。
中には数本のペンや大量の紙が入っており、
夫人が右手でフィンガースナップをすると紙が大量に宙に舞い、ペンが勝手に動く。
『これも魔法ですか?』
驚いて聞いてしまった。
「そうよ♡私は風属性の魔法を応用しているのよ」
『凄いですね!風をこんなに器用に使えて尊敬です。そんな凄い人にオレは服を仕立てて貰えるんですね』
「!、ちょっとハドラさん?」
「はい」
「あの子、人ったらし·····よね?」
「恐らく無自覚かと、」
「え"·············それ大丈夫なの?あの子まだ食べられて無さそうだけど」
「はい·····テオ様も何とか耐えております。今の所確実に一方通行の片思いですので、、」
「何それ!末恐ろしい子っ」
オレから少し離れた所で二人が何か話しているけど·····仕事の話かな?
少しして、、、
宙に舞っていた大量の紙が夫人の手元に集まる。
「ルイスちゃん、色々考えて見たんだけど、どーかしら?♡」
「!」
机に沢山のデザイン画が置かれていくが、どれも本当に素敵だと思えてしまう。
『凄いです。どれも素敵で全部着てみたいと思ってしまいます。夫人は天才ですね』
「あ~もぉ~~~~♡ルイスちゃん!うちの養子にならない?大切に育てるわよ」
「ならぬわ」
「?!?!」
夫人でもハドラさんの声でも無く、まさかの獅子王の声に全員が驚いた。
そして、何故か獅子王はオレを抱き締めてくる。
「夫人、デザインは終わったのか?」
「ええ♡机のデザイン全てよ」
「··········そうか。ではそのデザイン全てを。それとは別で急ぎで仕立てて欲しいものがある」
「あら、何かしら?」
「フェイスベールを頼む。目から下が見えぬように」
「ふふ、かなりご執心ですわね♡畏まりました」
夫人はそう言うと魔法で机にある紙をアタッシュケースに戻し「別室借りれるかしら?♡ルイスちゃんの為に特別に三十分で作るわ」と言う。
「ハドラ」
「畏まりました。ご案内します」
ハドラさんと夫人はそのまま部屋を出て行った。
「はぁ···············心配して早く戻れば···」
抱き締めるのをやめた獅子王はオレが座る椅子の向かい側に座る。
『終わったんですか?』
「ああ。脱線を許さぬ実に有意義な議会であった」
『お疲れ様です』
「ルイスも無事に終わって良かった。夫人に気に入られたのは困ったが·····」と獅子王は困った表情を浮かべる。
『困るのですか?』
「いや、困るのは私だけだ気にしなくて良い。因みに夫人は風属性なら上位の使い手だぞ」
『やっぱり!あそこまで精錬された魔法はなかなか見えません』
是非、夫人が使う風魔法をもっと見てみたい。
「そうだな。················私は···器用に魔法を使う奴をもう一人知っているが、今はもう使えないそうだ」と、獅子王は残念そうに話す。
『ご病気ですか?』
「病気では無いが深く傷付いておる」
オレと一緒だ·····。その方も余程の事があったんだろう、、、、
『良くなるといいですね』
「そうだな。元気に過ごしてくれれば良い」
◆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◆
「ルイスちゃん出来たわよ~♡」
「·························。」
とうとうノックも無しで夫人が入って来た。
この国の不敬罪ってオレが言うのもどうかと思うけど·····大丈夫なのか?
「ノック位しろ、と言いたいところだが夫人助かる」
獅子王が全然厳しくないのも原因かもしれない。
「ふふ♡さぁっ!これよ」
夫人が手に持っているのは、長方形で白の薄い生地に金色の刺繍が色んな場所に施された綺麗なデザイン。
固定用の紐も編み込まれていて、とてもオシャレだ。
「つけてあげよう」
夫人からフェイスベールを受け取ると獅子王はオレの座る席の後ろに来て目の下から布を被せて「キツくないか?」と後ろで固定用の紐を結ぶ。
『はい、大丈夫です』
実際装着すると生地が胸下まである。。。
でも、息はし易いので安心した。
「あらあ~似合うわ♡やっぱりこのデザインにして良かった」と、夫人は嬉しそうに言う。
『ありがとうございます。やはり夫人は凄いです』
「あ~~~♡養子·····
「夫人、次の予定があるだろう」
夫人の言葉を獅子王が遮った。
「もうっ!テオ様もう少し心が広くないと嫌われますわよ」
「大丈夫だ。さ、帰りなさい」
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