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一章
【城】
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城に到着する少し前で「チッ」と獅子王は舌打ちをして不機嫌そうな表情を浮かべるとオレの顔が隠れる様に自身が羽織る上着を被せる。
「?」
何故か分からず不思議に思っていると、
「ルイスすまぬ、少しだけ我慢だ。あと·····どうか怖がらないでくれ」と言われた。
ハドラさんは「はぁ·····お伝えしたんですけどねぇ」と呆れている様な声がする。
どうしたんだろう?
オレの顔を上着で隠しつつ獅子王はお姫様抱っこし、オレは獅子王の胸にしがみつくと「良い子だな」と言って獅子王は馬車を降りるが直ぐに立ち止まった。
「···············出迎えは不要と伝えた筈だが」
「!、」
民の時の対応とかなり違い、声音が凄く冷たくて感情が一欠片も感じられない。
オレと先程迄一緒に過ごした···よく笑う獅子王は何処に行ってしまったのか分からなくなる程だ。
思わずしがみつく手に力がこもる。
「いやいや、弟がずっと探していた小国の羊が見付かったと耳にしたものでね。顔を見に来たんだよ」
弟··········?
って、事は獅子王の兄?
自分の兄なのにどうしてオレの顔を隠すのだろう。
「はっ、亡霊に取り憑かれた王と初めに言ったのは貴方だったと記憶しているが」と、獅子王は鼻で笑う。
「あれぇ~?そうだったかなぁ?····それにしても、何故王族の前でこの羊は顔を隠しているんだ?不敬にも程があるだろ」
「!!!!!!」
そうだ··········。
常識的に獅子王の兄という事は王族だ。
対してオレは亡国の王子で元奴隷···。
不敬って事は不敬罪で縛り首?終身刑?斬首刑?八つ裂き?
どんどん怖くなり、身体が勝手にガタガタと震える。
「大丈夫だ。心配するでない」
オレを抱く獅子王の手の力が強くなる。
「確かに貴方は王族だが、この子は私の【大切な人】だ。こうさせたのも王である私がやった事。貴方にとやかく言われる筋合いは無い」と、獅子王は威圧的な言い方をする。
「··········申し訳ありません。言い過ぎてしまったようです。では私はこれで」と言ったきり兄だという人の声がしなくなった。
「はぁ··········」
重い溜め息を獅子王がつくと、
「すまんな、もう少しだけ耐えてくれ」と言って再び歩き出す。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カツ·····カツ··········カツ·····と廊下を歩く音が耳に入り、「おかえりなさいませ」と色んな人達の声が聞こえる。
「ハドラ、医師を呼ぶように」
「畏まりました」
ドアが開く音がして顔に被されていた獅子王の上着がやっと外された。
「!」
真っ暗だった景色が一瞬で綺麗な部屋の景色に変わっている。
「すまなかったな、怖かっただろう」
獅子王を見ると申し訳無さそうな表情を浮かべていた。
オレは首を左右に振り、貴方が居たから大丈夫だったと言ったが声は出ない。
獅子王に会ってから声が出ない事が嫌になる。
いつかは·····出る様になるのだろうか?
そのまま大きなべッドに座らせられ、
獅子王は小型の机をオレの目の前に運び、宿の時と同じ様に大量の紙とインクペンを置く。
「これで話せるな」と、やり切ったというような笑みを浮かべていた。
オレは頷き、早速インクペンで文字を書く。
『ありがとうございます。オレ、貴方がいたから大丈夫でした』
「!、そうか。この国では私が一番偉いからな。困った時は何でも私の名を相手に言いなさい」
『はい。テオには兄弟がいたんですね』
「ああ、一応は兄だ。弟もいたがもう亡くなっていてな」
『そうなんですね』
「あ、そうだ········明日、信用出来る者達を紹介したいのだが良いか?」
『はい。テオが信用出来る人達ならオレは会いたいです』
「良かった。私がルイスの側を離れるのはかなり少ないと思うが困った時はその者達に言いなさい」
『はい』
紙に書かれた文字を見て獅子王は目を細めると頭を撫でてくれた。もしかしたらこんなに頭を撫でてくれるのは亡くなった弟とオレを重ねているのかもしれない。
そんなやり取りをしていると、
コン、コン、コンとドアをノックされ「入れ」と獅子王が言うとハドラさんともう一人·····四十半ばの象の獣人男性が入って来た。
「テオ様、おかえりなさいませ」
「うむ。ルイス、此方は私も世話になっている医師のテリーだ」
オレはテリー先生へお辞儀する。
テリー先生を改めて見ると身長は180cm位で両耳が肩まであって大きく、体型はがっしりした感じだ。
「はじめましてルイス様。医師のテリーと申します。今からルイス様の触診をさせていただきます。テオ様、ハドラ様はプライベートになりますのでドアの外でお待ち頂きたいのですが、」
「うむ、終わったら教えてくれ。くれぐれも···くれぐれも優しく頼む」
「ははは、畏まりました」
「ルイス後でな」
獅子王とハドラさんはそのまま出て行ってしまった。
「それでは始めましょう」
服を脱がすとテリー先生は身体を触り、
その時幾つか質問されてオレは紙に書いて答える。
「···············成程、声は何時から?」
『三年前です』
「心当たりはありますか?」
『あります』
「それは何か説明は出来ますか?」
『弟を····殺し、妹が目の前で自害しました』
「そうですか········度重なる精神的ショックが大き過ぎたのでしょう」
『オレは···また話せる様になれますか?』
「はい。何時になるかは断言出来ませんが、キッカケがあれば可能かと」
「!」
それを聞いて凄く安心した。
「では次に、性病の検査や基本的な病気の検査を行いますね」
『はい』
テリー先生はオレの腕を消毒すると採血用の針を挿して血を取っていく、、、
結果は明日伝えてくれるらしい。
「お疲れ様でした。検査は全て終わりです。結果はお一人で聞かれますか?それともテオ様達が一緒でも構いませんか?」
『テオやハドラさんも一緒で大丈夫です』
「畏まりました。では呼んで参りますね」
プライベートを大事にしてくれる医師·····きっと、テリー先生も獅子王にとっては信用出来る内の一人なんだろうな。
···············あれ?
でも何で性病の検査なんだ?
まあ健康に越した事はないから良いか♪
「ルイスっ!」
オレの名前を呼びながら獅子王が此方へ向かって来る。しかし、何故か思いっきり抱き締められた。
「?!?!?!」
「痛くはなかったか?苦しくはないか?」と、不安そうな表情を浮かべている。
そんな獅子王の問いに頷くと「そうか、良かった·····」と獅子王は不安そうな表情から安心した表情に変わる。
「テオ様少しは自重して下さい」
ハドラさんはそう言うとオレから獅子王を引き剥がす。
テリー先生は「仲が良いのは素晴らしい事です」と満面の笑みを浮かべていた。
「さて、ルイス様ですが現状栄養失調気味なので、お身体に優しいものを食べて下さい。油っこい物は控えてくださいね」
「分かった。料理長に伝えよう」
「声ですが、ルイス様に話した通り極度のストレスによる心因性失声症の可能性が高いです」
「それは治るのか?」
「はい。心をケアし労る事がこの病気にとって最も大切な事です」
「分かった」
「後は·····両足と片腕ですが、他国で『義手・義足』と呼ばれる人工的な物を装着して生活する人達がいるそうです」
「?!」
「ほう··········それは実に興味深いな。後日詳しく教えて欲しい」
「畏まりました」
もし、それがあればオレはまた歩いたりする事が可能って事·····?
でも、オレにはお金が無い。
手足もだなんて我儘だ。
声がいつか出ると言われたし十分だろ。
「他の検査結果につきましては後日報告に伺います。それと·····背中の無数の傷痕は薄くはなりますが現段階ですと残ると思われます、、」
「ああ、分かった。テリー今日はご苦労様であった、ゆっくり休んでくれ」
テリー先生はお辞儀すると部屋を出て行く。
「背中の傷痕は残念だが、良かったなルイス。手足は元の·····とはいかぬが手に入るぞ♪」
「?!?」
「そうですね、私も嬉しい限りです。明日などと言わず早速その義手、義足を扱っている国を調べて参ります」と、何故かやる気に満ちた表情をするハドラさん。
「流石ハドラ。気が利く········頼んだぞ。拒否した場合は少し手荒な手段でも許す」
「仰せのままに♪では、明日報告します。テオ様、ルイス様私もこれで失礼します」
ハドラさんは笑顔でそう言うと部屋を出て行った。
「?」
何故か分からず不思議に思っていると、
「ルイスすまぬ、少しだけ我慢だ。あと·····どうか怖がらないでくれ」と言われた。
ハドラさんは「はぁ·····お伝えしたんですけどねぇ」と呆れている様な声がする。
どうしたんだろう?
オレの顔を上着で隠しつつ獅子王はお姫様抱っこし、オレは獅子王の胸にしがみつくと「良い子だな」と言って獅子王は馬車を降りるが直ぐに立ち止まった。
「···············出迎えは不要と伝えた筈だが」
「!、」
民の時の対応とかなり違い、声音が凄く冷たくて感情が一欠片も感じられない。
オレと先程迄一緒に過ごした···よく笑う獅子王は何処に行ってしまったのか分からなくなる程だ。
思わずしがみつく手に力がこもる。
「いやいや、弟がずっと探していた小国の羊が見付かったと耳にしたものでね。顔を見に来たんだよ」
弟··········?
って、事は獅子王の兄?
自分の兄なのにどうしてオレの顔を隠すのだろう。
「はっ、亡霊に取り憑かれた王と初めに言ったのは貴方だったと記憶しているが」と、獅子王は鼻で笑う。
「あれぇ~?そうだったかなぁ?····それにしても、何故王族の前でこの羊は顔を隠しているんだ?不敬にも程があるだろ」
「!!!!!!」
そうだ··········。
常識的に獅子王の兄という事は王族だ。
対してオレは亡国の王子で元奴隷···。
不敬って事は不敬罪で縛り首?終身刑?斬首刑?八つ裂き?
どんどん怖くなり、身体が勝手にガタガタと震える。
「大丈夫だ。心配するでない」
オレを抱く獅子王の手の力が強くなる。
「確かに貴方は王族だが、この子は私の【大切な人】だ。こうさせたのも王である私がやった事。貴方にとやかく言われる筋合いは無い」と、獅子王は威圧的な言い方をする。
「··········申し訳ありません。言い過ぎてしまったようです。では私はこれで」と言ったきり兄だという人の声がしなくなった。
「はぁ··········」
重い溜め息を獅子王がつくと、
「すまんな、もう少しだけ耐えてくれ」と言って再び歩き出す。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カツ·····カツ··········カツ·····と廊下を歩く音が耳に入り、「おかえりなさいませ」と色んな人達の声が聞こえる。
「ハドラ、医師を呼ぶように」
「畏まりました」
ドアが開く音がして顔に被されていた獅子王の上着がやっと外された。
「!」
真っ暗だった景色が一瞬で綺麗な部屋の景色に変わっている。
「すまなかったな、怖かっただろう」
獅子王を見ると申し訳無さそうな表情を浮かべていた。
オレは首を左右に振り、貴方が居たから大丈夫だったと言ったが声は出ない。
獅子王に会ってから声が出ない事が嫌になる。
いつかは·····出る様になるのだろうか?
そのまま大きなべッドに座らせられ、
獅子王は小型の机をオレの目の前に運び、宿の時と同じ様に大量の紙とインクペンを置く。
「これで話せるな」と、やり切ったというような笑みを浮かべていた。
オレは頷き、早速インクペンで文字を書く。
『ありがとうございます。オレ、貴方がいたから大丈夫でした』
「!、そうか。この国では私が一番偉いからな。困った時は何でも私の名を相手に言いなさい」
『はい。テオには兄弟がいたんですね』
「ああ、一応は兄だ。弟もいたがもう亡くなっていてな」
『そうなんですね』
「あ、そうだ········明日、信用出来る者達を紹介したいのだが良いか?」
『はい。テオが信用出来る人達ならオレは会いたいです』
「良かった。私がルイスの側を離れるのはかなり少ないと思うが困った時はその者達に言いなさい」
『はい』
紙に書かれた文字を見て獅子王は目を細めると頭を撫でてくれた。もしかしたらこんなに頭を撫でてくれるのは亡くなった弟とオレを重ねているのかもしれない。
そんなやり取りをしていると、
コン、コン、コンとドアをノックされ「入れ」と獅子王が言うとハドラさんともう一人·····四十半ばの象の獣人男性が入って来た。
「テオ様、おかえりなさいませ」
「うむ。ルイス、此方は私も世話になっている医師のテリーだ」
オレはテリー先生へお辞儀する。
テリー先生を改めて見ると身長は180cm位で両耳が肩まであって大きく、体型はがっしりした感じだ。
「はじめましてルイス様。医師のテリーと申します。今からルイス様の触診をさせていただきます。テオ様、ハドラ様はプライベートになりますのでドアの外でお待ち頂きたいのですが、」
「うむ、終わったら教えてくれ。くれぐれも···くれぐれも優しく頼む」
「ははは、畏まりました」
「ルイス後でな」
獅子王とハドラさんはそのまま出て行ってしまった。
「それでは始めましょう」
服を脱がすとテリー先生は身体を触り、
その時幾つか質問されてオレは紙に書いて答える。
「···············成程、声は何時から?」
『三年前です』
「心当たりはありますか?」
『あります』
「それは何か説明は出来ますか?」
『弟を····殺し、妹が目の前で自害しました』
「そうですか········度重なる精神的ショックが大き過ぎたのでしょう」
『オレは···また話せる様になれますか?』
「はい。何時になるかは断言出来ませんが、キッカケがあれば可能かと」
「!」
それを聞いて凄く安心した。
「では次に、性病の検査や基本的な病気の検査を行いますね」
『はい』
テリー先生はオレの腕を消毒すると採血用の針を挿して血を取っていく、、、
結果は明日伝えてくれるらしい。
「お疲れ様でした。検査は全て終わりです。結果はお一人で聞かれますか?それともテオ様達が一緒でも構いませんか?」
『テオやハドラさんも一緒で大丈夫です』
「畏まりました。では呼んで参りますね」
プライベートを大事にしてくれる医師·····きっと、テリー先生も獅子王にとっては信用出来る内の一人なんだろうな。
···············あれ?
でも何で性病の検査なんだ?
まあ健康に越した事はないから良いか♪
「ルイスっ!」
オレの名前を呼びながら獅子王が此方へ向かって来る。しかし、何故か思いっきり抱き締められた。
「?!?!?!」
「痛くはなかったか?苦しくはないか?」と、不安そうな表情を浮かべている。
そんな獅子王の問いに頷くと「そうか、良かった·····」と獅子王は不安そうな表情から安心した表情に変わる。
「テオ様少しは自重して下さい」
ハドラさんはそう言うとオレから獅子王を引き剥がす。
テリー先生は「仲が良いのは素晴らしい事です」と満面の笑みを浮かべていた。
「さて、ルイス様ですが現状栄養失調気味なので、お身体に優しいものを食べて下さい。油っこい物は控えてくださいね」
「分かった。料理長に伝えよう」
「声ですが、ルイス様に話した通り極度のストレスによる心因性失声症の可能性が高いです」
「それは治るのか?」
「はい。心をケアし労る事がこの病気にとって最も大切な事です」
「分かった」
「後は·····両足と片腕ですが、他国で『義手・義足』と呼ばれる人工的な物を装着して生活する人達がいるそうです」
「?!」
「ほう··········それは実に興味深いな。後日詳しく教えて欲しい」
「畏まりました」
もし、それがあればオレはまた歩いたりする事が可能って事·····?
でも、オレにはお金が無い。
手足もだなんて我儘だ。
声がいつか出ると言われたし十分だろ。
「他の検査結果につきましては後日報告に伺います。それと·····背中の無数の傷痕は薄くはなりますが現段階ですと残ると思われます、、」
「ああ、分かった。テリー今日はご苦労様であった、ゆっくり休んでくれ」
テリー先生はお辞儀すると部屋を出て行く。
「背中の傷痕は残念だが、良かったなルイス。手足は元の·····とはいかぬが手に入るぞ♪」
「?!?」
「そうですね、私も嬉しい限りです。明日などと言わず早速その義手、義足を扱っている国を調べて参ります」と、何故かやる気に満ちた表情をするハドラさん。
「流石ハドラ。気が利く········頼んだぞ。拒否した場合は少し手荒な手段でも許す」
「仰せのままに♪では、明日報告します。テオ様、ルイス様私もこれで失礼します」
ハドラさんは笑顔でそう言うと部屋を出て行った。
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