最弱種族の最強戦記

平山

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最悪の始まり2

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「っ……!」

ヨシズミが二つの剣で素早い攻撃をだしてくるせいでなかなか攻撃が出来ない。
しかも一発が非常に重く、ダガーで攻撃を受け流したが腕を捻ってしまった。

今は攻撃をかわしつつたまに足払いをしかげるが相手もなかなか体制を崩してくれない。

ミオは1人倒したものの、大きな怪我を負い動ける状態じゃない。ユウキも2人を相手している、チトセも矢でユウキの助太刀をするがユウキがいるため、むやみに矢を放てない。
この戦いは気を抜いたら死ぬ、緊張の紐が切れると同時に命が終わる。

スズムが一度下がって体制を立て直すが、
「グッ……!」
予想外だった。ヨシズミが刀を投げてきたのだ、その刀が右肩に刺さった。
あまりの痛さにダガーを落とした。

「その程度か、所詮ガキだな、でも頼まれた以上お前を殺さないとなぁ!」

ヨシズミがもう一本の刀を突き出し突進してくる、スズムは即座にダガーを拾った。
それを前に突き出した。

「「ガッ……!」」

ヨシズミとスズムの声にならない声が森に響く。

ヨシズミの剣がスズム脇腹を貫通している。
スズムのダガーがヨシズミの胸を突いている。

ヨシズミは地面に倒れた。その数秒後、スズムが地面に跪いた。

ヨシズミの仲間たちは何かを話した後、去って行った。
ヨシズミは心臓を突かれてもまだ息をしている。

「街に戻ろうか……ヨシズミさんも……一緒に」

そこでスズムの記憶が途切れた。



「んんっ……」目が覚めた。ここは……病院か……「おい、スズムが生きてるぞ!」とユウキが叫んだ。するとミオとチトセが小走りでこちらに向かってきた。

そしてしばらくユウキ達と話をした、俺は瀕死状態で目を覚ましたら奇跡と言われたらしい、しかも8時間ほど寝ていたらしいそして軽く談笑した後、「お話中失礼、メガルキア王都軍のハラです、スズムさん一行であってますか?」と物腰の柔らかそうな青年が入ってきた。

「はい、そうですけど……何の御用でしょうか?」と聞き返すと、
「ヨシズミの件で少し話を聞きに来ました」

ヨシズミに襲われた時の状況を全て話した。
全て話したあと重要な事をスズムは思い出した。
「ヨシズミさんはまだ生きてますか?」

「ヨシズミはユウキさんが運んで来てからずっと昏睡状態です。まぁ、死んではいません」

「よかったぁ、生きてたんだ」

でも致命傷を負わせてしまったのには変わりない。
自分は襲われて護身した側なのに罪悪感が溢れてきた。

「今回のヨシズミの一件は申し訳ありませんでした……今回は少し調査が必要ですね……」

「なんか言いました?」

「いえ、独り言です。それと、話がもう一つあります……王都軍に入りませんか?」

「「「「は?」」」」

四人は唖然とした。

「い、今俺たちを、王都軍に、招集しようとしてます?」

ミオが、あの何にも動じないミオが驚いてる
それもそうだ。王都軍は人類最強集団だ。
入れるのはほんの一握りの人だけだ。

「でも、俺たちただの狩人ですよ?俺たちが入ったら足手まといになりませんか?」

「君たちは1人1人の能力が高いのですが、きっとその能力を活かせてないだけです、王都軍は確実に君たちの能力を活かせます。それと、僕らは君たちの過去を知っています」

俺たちの過去を知っている。と言うことは俺たちの潜在能力を知っている。
じゃあこの人達も能力者、軽蔑されない、待遇もマシになる?ならば…… 

「王都軍に、入れてください」

「わかりました、今日はもう遅いですし、明日の朝8時に王都軍受付所にに来てください」

よる9時を告げる鐘の音が響いて来た。
まるで新しい王都軍での生活の始まりを告げるようだった。

     
                                           *


「そういえばさ、スズムってヨシズミって人と知り合いなの?」
とチトセが聞いてきた。

「あー、友達とか知り合いとかじゃないけど……親の代わりかな」

そう答えるとチトセが不思議そうに「じゃあなんであの人は子供を殺そうとしたんだろう?」

「……わからない」

わからないとしか答えようがない。
絶対何か事情があるはずだ。今はそう考えるしかない。
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