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第5章★月読教典★
★閑話9★「橙騎士の懺悔」
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カルラ「ごめんなさい」
菫「ど、どうしたの。土下座して……わたしじゃあるまいし……顔を上げて下さい」
カルラ「菫の負担を半分背負うと言いながら、サギリ女王に記憶操作されて、むしろ足を引っ張り、さらに実月姫の……護衛をしながら菫に酷い態度を取ったと……亘から聞きました」
菫「足を引っ張られていませんし、酷い態度も取られていませんよ。亘の言うことを鵜呑みにしないで下さい、大丈夫ですよ、カルラ様」
菫(むしろわたしの方が結構酷いことしたしな……ごめん……)
カルラ「菫……俺、見捨てられても仕方のないことをしたけれど、その……菫のこと、失いたくない。俺、実月姫と……一夜を共にしたらしいけど……都合良いかもしれないけど、その、覚えてなくて……」
菫「ああ、亘が言っていましたね。でもカルラ様、あれは本当に……」
カルラ「俺の穢れた手で菫様を触ることは不浄にあたりますか? 気持ちが悪い?」
菫「ん? いいえ、大丈夫ですけど……」
カルラ「手、握ってもいい?」
菫「どうぞ」
カルラ「ありがとう」
菫「?」
カルラ「俺、自分の中で生涯菫だけを愛すると誓ってたんだよ。それなのに記憶喪失のときに破るって、そんなのある? 俺、本当に菫だけだったんだよ。キスも、死の監獄が初めてだったんだよ」
菫(えっ、そうなんだ!)
菫「……わたしとの口移しが初めてということ?」
カルラ「はい」
菫「なんか思い出としてはあまり良いものじゃないね……」
カルラ「まあ……そうだな……」
菫「……」
カルラ「……カオスが9歳で奉公に行き始めて、俺は11歳だろ。そのときからアンタに興味を持ってきたから、もう8年……想っていたのに、あの一瞬で壊してしまったことが悔いて仕方ない……何より自分が許せない……」
菫「ふふ」
カルラ「えっ、何かおかしなこと言った?」
菫「いえ。記憶喪失のときの行動を謝るなんて、他人の非を自分の非に転換して謝ってるみたいだな、と思って」
カルラ「……菫、俺が実月姫の寝室で寝たこと怒ってないの?」
菫「怒る? どうして?」
カルラ(菫は俺のことそれほど想っていないんだ……特に何とも思っていないから平然としてるんだ。それはそうだろ、相手は王女だぞ……俺なんか……)
菫「カルラ様? どうしたの、固まって?」
カルラ「ううん……」
菫「わたし、ちょっと嬉しくて」
カルラ「え、なにが?」
菫「実月姫の部屋でも、カルラ様ずっと寝ずに立って警護をしていたって。指一本触れようとしなかったと、実月姫と侍女の方が話しているのを聞きました」
カルラ(え、そうなの?)
菫「カルラ様がわたしとのことを大切にしてくれているのかと思ったら、嬉しくなっちゃって」
カルラ「菫……」
菫「あ、違うか。もしかしたら実月姫のことを大事にしていたのかも。手を出さなかったんですから。記憶操作当時はね」
カルラ「違うよ」
菫「え?」
カルラ「俺は菫しか見てないよ。良かった、実月姫に手を出してないみたいで。記憶はなくても、体が覚えていたのかな。俺、死の監獄で菫を傷付けてしまったから、これ以上傷付けないと自分に誓ったから」
菫「! 記憶喪失のとき、同じこと言ってましたよ、カルラ様」
カルラ「そうなの?」
菫「はい。体が覚えてる、わたしを見ると切ないって」
カルラ「確かに菫を見るとなんか心臓が切なくなる。なんか……菫に、誰かが近付いてて……抱きしめたり……キスしたりしてたような……」
菫「思い出したの?」
カルラ「いや……」
菫「そっか。そこは、わたしも思い出されると困ることしちゃったからな……」
カルラ「えっ、何?」
菫「ちょっとね……煽るようなことをしたんですよ。まあ端的に言うと嫉妬したのよ、実月姫に。最低でしょ」
カルラ「えっ」
カルラ(なにそれ、嫉妬してくれたの? 俺なんかのために?)
菫「……聞きたいですか?」
カルラ「そうだね、できれば……」
菫「あなたは実月姫のこと、とても大事そうに守っていました。わたしを見る目がまるでゴミを見るような感じで」
カルラ「うわっ……俺が最低じゃん。先を聞くの怖い……」
菫「実月姫がカルラ様にキスしたりしてね、ああ、カルラ様はわたしのものじゃないよなって、改めて突きつけられました」
カルラ「え……キスしちゃったの? それは……」
菫「わたしが見た限りでは頬でしたよ」
カルラ「そう……」
菫「まあこれはお互い様な部分もありますから……まあ……うん」
カルラ(そうか。菫、キスは俺が初めてじゃない可能性もあるのか……)
カルラ「えっと……それで、俺菫になにしたの?」
菫「逆です。嫉妬に狂ったわたしに、カルラ様が襲われたのよ」
カルラ「えっ?」
菫「実月姫の寝室に忍び込んだわたしは、彼女の不在時、カルラ様を襲ったの。こう……解毒剤をね、口に含んで、口移しをして飲ませたの」
カルラ「……どんな感じか、教えてくれる?」
菫「いいですよ。こうしてね……」
カルラ「んっ!」
カルラ(菫……あー好き)
菫「それから、実月姫が帰ってきたから、カルラ様がドレッサーにわたしを押し込んで隠したのですけど、わたしがカルラ様を引っ張って、一緒に隠れたの。それから馬乗りになって襲ったのよ、わたしが、あなたを」
カルラ「……俺、どんな対応だった?」
菫「嫌そうな口調でしたけど、体は素直でしたよ。可愛かった」
カルラ「……嬉しくない」
菫「そう? わたしは嬉しかった」
カルラ「……菫って、男前だよね。カッコいい……」
菫「初めて言われました」
カルラ「いつか……俺、ちゃんと菫を抱きたい……変な感情のときじゃなくて、今の気持ちのまま抱きしめたい……」
菫「ああ、それはわたしも思います」
カルラ(え! そうなの?)
菫「いつもあなたに抱かれるときは、カルラ様の感情が闇に落ちているというか、負の方向に振り切られているときですからね」
カルラ「ゴメンネ……」
菫「……わたしもカルラ様以外に抱かれるのはイヤですから……いつか、あなたがわたしを抱きたいと思ったときには、不束者ですがよろしくお願いします」
カルラ「こ、こ、こちらこそ! 根暗だしオタクだし……カッコ悪いし、良いところないけど、菫への気持ちは誰にも負けません。頑張りますのでよろしくお願いします」
菫「……」
カルラ「…………いや恥ずかしいわ!」
菫「……ちょっと……お互い頭冷やしましょうか……」
カルラ「そうだな……賛成……」
☆終わり☆
菫「ど、どうしたの。土下座して……わたしじゃあるまいし……顔を上げて下さい」
カルラ「菫の負担を半分背負うと言いながら、サギリ女王に記憶操作されて、むしろ足を引っ張り、さらに実月姫の……護衛をしながら菫に酷い態度を取ったと……亘から聞きました」
菫「足を引っ張られていませんし、酷い態度も取られていませんよ。亘の言うことを鵜呑みにしないで下さい、大丈夫ですよ、カルラ様」
菫(むしろわたしの方が結構酷いことしたしな……ごめん……)
カルラ「菫……俺、見捨てられても仕方のないことをしたけれど、その……菫のこと、失いたくない。俺、実月姫と……一夜を共にしたらしいけど……都合良いかもしれないけど、その、覚えてなくて……」
菫「ああ、亘が言っていましたね。でもカルラ様、あれは本当に……」
カルラ「俺の穢れた手で菫様を触ることは不浄にあたりますか? 気持ちが悪い?」
菫「ん? いいえ、大丈夫ですけど……」
カルラ「手、握ってもいい?」
菫「どうぞ」
カルラ「ありがとう」
菫「?」
カルラ「俺、自分の中で生涯菫だけを愛すると誓ってたんだよ。それなのに記憶喪失のときに破るって、そんなのある? 俺、本当に菫だけだったんだよ。キスも、死の監獄が初めてだったんだよ」
菫(えっ、そうなんだ!)
菫「……わたしとの口移しが初めてということ?」
カルラ「はい」
菫「なんか思い出としてはあまり良いものじゃないね……」
カルラ「まあ……そうだな……」
菫「……」
カルラ「……カオスが9歳で奉公に行き始めて、俺は11歳だろ。そのときからアンタに興味を持ってきたから、もう8年……想っていたのに、あの一瞬で壊してしまったことが悔いて仕方ない……何より自分が許せない……」
菫「ふふ」
カルラ「えっ、何かおかしなこと言った?」
菫「いえ。記憶喪失のときの行動を謝るなんて、他人の非を自分の非に転換して謝ってるみたいだな、と思って」
カルラ「……菫、俺が実月姫の寝室で寝たこと怒ってないの?」
菫「怒る? どうして?」
カルラ(菫は俺のことそれほど想っていないんだ……特に何とも思っていないから平然としてるんだ。それはそうだろ、相手は王女だぞ……俺なんか……)
菫「カルラ様? どうしたの、固まって?」
カルラ「ううん……」
菫「わたし、ちょっと嬉しくて」
カルラ「え、なにが?」
菫「実月姫の部屋でも、カルラ様ずっと寝ずに立って警護をしていたって。指一本触れようとしなかったと、実月姫と侍女の方が話しているのを聞きました」
カルラ(え、そうなの?)
菫「カルラ様がわたしとのことを大切にしてくれているのかと思ったら、嬉しくなっちゃって」
カルラ「菫……」
菫「あ、違うか。もしかしたら実月姫のことを大事にしていたのかも。手を出さなかったんですから。記憶操作当時はね」
カルラ「違うよ」
菫「え?」
カルラ「俺は菫しか見てないよ。良かった、実月姫に手を出してないみたいで。記憶はなくても、体が覚えていたのかな。俺、死の監獄で菫を傷付けてしまったから、これ以上傷付けないと自分に誓ったから」
菫「! 記憶喪失のとき、同じこと言ってましたよ、カルラ様」
カルラ「そうなの?」
菫「はい。体が覚えてる、わたしを見ると切ないって」
カルラ「確かに菫を見るとなんか心臓が切なくなる。なんか……菫に、誰かが近付いてて……抱きしめたり……キスしたりしてたような……」
菫「思い出したの?」
カルラ「いや……」
菫「そっか。そこは、わたしも思い出されると困ることしちゃったからな……」
カルラ「えっ、何?」
菫「ちょっとね……煽るようなことをしたんですよ。まあ端的に言うと嫉妬したのよ、実月姫に。最低でしょ」
カルラ「えっ」
カルラ(なにそれ、嫉妬してくれたの? 俺なんかのために?)
菫「……聞きたいですか?」
カルラ「そうだね、できれば……」
菫「あなたは実月姫のこと、とても大事そうに守っていました。わたしを見る目がまるでゴミを見るような感じで」
カルラ「うわっ……俺が最低じゃん。先を聞くの怖い……」
菫「実月姫がカルラ様にキスしたりしてね、ああ、カルラ様はわたしのものじゃないよなって、改めて突きつけられました」
カルラ「え……キスしちゃったの? それは……」
菫「わたしが見た限りでは頬でしたよ」
カルラ「そう……」
菫「まあこれはお互い様な部分もありますから……まあ……うん」
カルラ(そうか。菫、キスは俺が初めてじゃない可能性もあるのか……)
カルラ「えっと……それで、俺菫になにしたの?」
菫「逆です。嫉妬に狂ったわたしに、カルラ様が襲われたのよ」
カルラ「えっ?」
菫「実月姫の寝室に忍び込んだわたしは、彼女の不在時、カルラ様を襲ったの。こう……解毒剤をね、口に含んで、口移しをして飲ませたの」
カルラ「……どんな感じか、教えてくれる?」
菫「いいですよ。こうしてね……」
カルラ「んっ!」
カルラ(菫……あー好き)
菫「それから、実月姫が帰ってきたから、カルラ様がドレッサーにわたしを押し込んで隠したのですけど、わたしがカルラ様を引っ張って、一緒に隠れたの。それから馬乗りになって襲ったのよ、わたしが、あなたを」
カルラ「……俺、どんな対応だった?」
菫「嫌そうな口調でしたけど、体は素直でしたよ。可愛かった」
カルラ「……嬉しくない」
菫「そう? わたしは嬉しかった」
カルラ「……菫って、男前だよね。カッコいい……」
菫「初めて言われました」
カルラ「いつか……俺、ちゃんと菫を抱きたい……変な感情のときじゃなくて、今の気持ちのまま抱きしめたい……」
菫「ああ、それはわたしも思います」
カルラ(え! そうなの?)
菫「いつもあなたに抱かれるときは、カルラ様の感情が闇に落ちているというか、負の方向に振り切られているときですからね」
カルラ「ゴメンネ……」
菫「……わたしもカルラ様以外に抱かれるのはイヤですから……いつか、あなたがわたしを抱きたいと思ったときには、不束者ですがよろしくお願いします」
カルラ「こ、こ、こちらこそ! 根暗だしオタクだし……カッコ悪いし、良いところないけど、菫への気持ちは誰にも負けません。頑張りますのでよろしくお願いします」
菫「……」
カルラ「…………いや恥ずかしいわ!」
菫「……ちょっと……お互い頭冷やしましょうか……」
カルラ「そうだな……賛成……」
☆終わり☆
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