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第2章★閑話★

2☆リョウマ推し!☆

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菫「アコヤ様、お久しぶりです!」

アコヤ「菫様、お会いしたかった! お元気でしたか?」

菫「もちろん、アコヤ様は? サギリ様と御剣様はお元気ですか?」

アコヤ「元気です、月読教元信者に直接お詫びに伺いたいって言い始めています」

菫「そっか……わたしが倭国追放されちゃったから、急遽御剣様のお力を倭国跡地で発揮して頂くことになっちゃって、それもままならないのね……悪いことしちゃったな」

アコヤ「ふふ、そんなの菫様のせいじゃないでしょう。御剣もお姉ちゃんも、菫様の力になれるって張り切ってましたよ。もちろん、私もね」

菫「ありがとう……嬉しいです」

(※アコヤ御剣サギリには事情を話しました)

アコヤ「倭国王子様って何なのかしら。お姉ちゃんがあの人のこと気に入ってたから何も言えなかったけど、勝手に記憶喪失になって、勝手に邪神王族専属護衛になって、勝手に倭国に戻って勝手に菫様を追放して。ああ、言葉にしたらイライラしてきたわ。どうしよう、この怒りのやりどころ!」

菫「ふふ」

アコヤ「やだ、なんで笑ってるんですか? 怒らないの? ひどい仕打ちなのに」

菫「わたしのためにアコヤ様が怒って下さってるから、怒りもなくなっちゃいますよ」

アコヤ「菫様が怒るところって想像つかないもんね……」

菫「え、そうですか? 結構怒りましたよね、邪神国の教会地下で……御剣様に」

アコヤ「あれで怒ったなんて言ってたら、私なんかすごいですよ。結婚していたときなんて……あ、リョウマは……元気ですか?」

菫「元気ですよ、アコヤ様。そうだ、今日はリョウマ様から預かってきたお土産を持ってきました。はい、月影鉱山で採れた新種の鉱石です」

アコヤ「わ、綺麗……青と赤なのね……」

菫「会いに行くならアコヤ様に渡してくれって。一緒に来れば良かったのにね」

アコヤ「ううん……私会う資格ないから……リョウマ、慰謝料も受け取らなかったし。それどころか財産分与してくれて。顔向けできないのよ、リョウマには」

菫「あら、資格とか、この場合そういうのは関係ないですよ。会いたいなら会えば良いんです。リョウマ様も、アコヤ様のこと気にして心配していましたよ」

アコヤ「……菫様って、心広いですよね」

菫「え、どこが……?」

アコヤ「だって菫様、リョウマのこと憎からず想っているでしょ? 手紙に書いてくれるリョウマの話、すごく愛情を感じるもの」

菫「あら、本当ですか?」

アコヤ「それなのに元妻の私にも良くしてくれて……アクセサリーショップも軌道に乗せてくれて、利益を月読教元信者に分けられるようにして下さって……」

菫「それはアコヤ様が頑張ったからですよ。アコヤ様の力です」

アコヤ「菫様……」

御剣「待たせた、アコヤ、菫」

アコヤ「御剣! おそーい」

菫「御剣様、お久しぶりです! 会えて嬉しいです! 倭国跡地の復興、尽力して下さりありがとうございます」

御剣「ああいや、そんなことはいい。久しぶり……少しふっくらしたか?」

アコヤ「ちょっと! 失礼でしょ!」

菫「大丈夫ですよ。2キロくらい太りました」

御剣「ガリガリだったから、いいんじゃないか。もう少しふっくらしてもいいくらいだ」

アコヤ「そうだよね、天倭戦争で神経削っただろうしね……菫様、何キロくらいあるんですか?」

御剣「おい、アコヤの方が失礼だろう……」

菫「ふふ、大丈夫。えっと、半年くらい前は49キロだったかな」

御剣「それだけあれば心配ないか……」

アコヤ「えっ! 心配ない!? 冗談でしょう。菫様、身長は?」

菫「167」

アコヤ「待って……待って! あと5キロはあっていいよね!」

菫「天倭戦争後、なかなか食が進まなくなっちゃって」

御剣「おい……だから生理が止まったのもあるんじゃないのか?」

アコヤ「え? 生理止まっちゃったの?」

菫「でもあれは、エイチ先生の薬のせいでは……?」

アコヤ「あまり痩せてても生理不順になっちゃいますよ。55キロくらい……菫様の身長なら60キロあってもいいくらいなのに」

菫「そっか……じゃあ肉や魚、炭水化物をできるだけ摂ってみようかな」

アコヤ「鉄分もね」

御剣「それがいい……あとで健康的に太るレシピをやろう」

アコヤ「なあに御剣、優しいじゃない」

菫「わたしたちあれだけ大喧嘩したのにね」

御剣「いや、菫相手だと力が抜けるんだ……」

アコヤ「わかるよ。リョウマのこと取られちゃうかもって思っても、菫様ならいいかって思っちゃう。リョウマのこと大切にしてくれるし、絶対」

菫「アコヤ様、リョウマ様のこと想っていらっしゃるの?」

アコヤ「うん……なんか離婚してからリョウマの良さがわかったかな。家で何をしてても、私にうるさく言わなかったな……あれは見て見ぬふりした優しさだったんだなっていうのがわかったの。年下なのに、見えない優しさを持っている人だったな……」

菫「わかる……リョウマ様、何も言わない優しさがある……見守ってくれるんですよね……」

アコヤ「菫様もわかる? いいよね、リョウマ」

御剣「フン、御主人様の良さを貴様らが軽々しく語るなよ。あの方は、優しさと強さを併せ持っている。優しいだけでは赤騎士団長にはなれないからな」

アコヤ「おっと、ここにもリョウマ推しがいたか」

御剣「御主人様は貴族の中の貴族だ。マナーやしつけがしっかりしている。所作も外見に見合わぬほど繊細で美しい。貴様らとは格が違うんだよ」

アコヤ「バカじゃないの? 倭国王女様に向かってマナーや所作を良く説けたものね」

菫「いいんです。わたしもそんなに人前に出ていなかったし、マナーや所作なんて机上の勉強でしたから実践で役に立たず。リョウマ様に遠く及ばないわ」

御剣「だろうな」

アコヤ「ひどい御剣! 確かにリョウマはひとつひとつの動作も隙がなくてきれいだけれど」

御剣「脱いでもすごかっただろう。均整の取れた筋肉の付き方」

アコヤ「……あー思い出しちゃったじゃない! もう、御剣のせいよ!」

御剣「今更だな。結婚していたとき、抱かれていれば良かったものを」

アコヤ「だってあのときは、天界国の人質にされたと思って尖っていたの……あーあ、牢獄が最初で最後なんて……もったいなかったな」

菫「うんうん……確かに彫刻のようにきれいな体をしていますもんね……」

御剣(ん? 寝たか?)

アコヤ(リョウマ……倭国王女様にまで手を出したのかしら……)

菫「……えっ? なにこの空気。わたし変なこと言いました?」

御剣&アコヤ「いいえ……」

御剣(御主人様は……言い合いできるような生意気な女が好みだからな……こいつはど真ん中だろう)

御剣「貴様は御主人様を狂わせる。あまり安易に近付くなよ、小悪魔」

菫「そんな無茶な!」

アコヤ「ごめんね菫様……御剣、リョウマのこと大好きだから……」

☆終わり☆
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