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【37】謀
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翌朝、言われた時間の少し前にダイニングへ降りると、リンゴ達が朝食の準備をしていた。
いつもより少し早い起床に、全員が慌てる。
「おはようございます。今朝はお早いですね」
「うん、朝食前に軽く馬に乗ろうかなって」
「左様ですか。馬達も喜ぶでしょう。呉々もお怪我にはお気をつけください」
「うん!ありがとう、行ってくるね」
ワゴンに複数枚の皿、ティーカップ、銀食器が並ぶのを横目で捉える。
ダリウシュとアンバーの分だろう。
二人が帰宅していた事にアニーは驚きつつ、目覚めた時、自室のベッドに一人だった事に一抹の寂しさを感じた。
以前なら、勝手に寝ているアニーをダリウシュのベッドに運び、一緒に朝を迎えたはずなのに。
今の彼にはその余裕もないのだろうか、もしくは自分にその価値がなくなったのか。
朝からアニーはブルーになった。
ダイニングを出ると玄関ホールへ繋がる。
正面には人々を迎えるように重厚な木の階段があり、左手に応接室がある。
その部屋からなにやら人の気配がし、足音をたてないようにそっと通り過ぎた。
早朝の空は薄紫で、冷気と靄が漂っている。
裏戸を出て厩舎に入ると、馬達が耳を向けてお出迎えしてくれた。
真っ黒なクリクリお目めが最高に可愛い。
アニーは一瞬で気分が浮上した。
栗毛馬の鼻を撫でてやると、気持ちよさそうに鼻先をヒクヒクさせた。
私が呑気にすやすや寝ている間にもダリウシュは仕事をしていたのね。
アニーはベッドに取り残された事をあれこれ勘繰った事を恥じた。
「アニー!よかった、ちゃんと来てくれたんだね」
シャツにズボンというラフな格好で現れたマシューに、乗馬希望ではなかったのかとアニーは少しがっかりする。
「おはよ、マシュー。はぁ、やっぱ乗馬じゃなかったか。あたし、乗馬の準備してきちゃったよ」
「うん、それはいいから!」
マシューはアニーの手を取り、歩き出す。
「どこ行くの?なんの用事?」
「来たらわかるから!」
マシューは厩舎を出て庭の方へ歩き出す。
有無を言わさぬ様子にアニーは呆気にとられた。
憂いを帯びた横顔、唇を時折嚙み緊張してるみたい。
厩舎の前、バルトミール邸の左手には、応接室から景観を楽しめるよう、花壇と噴水がある。
噴水を取り囲むように通路に煉瓦が敷き詰められ、四ブロック分けられた花壇には子どもの背丈くらいの薔薇が植えられている。
マシューはその薔薇の陰に隠れるように背を屈め、付いてこいと目配せした後、応接室のほうへ進んだ。
コソコソと背中を丸める姿に只事ではないと察し、アニーも足音を消して息を殺した。
「アニー…君に打ち明けるか迷ったんだけど」
足を止めたマシューは振り返り、小声で切り出した。
「とにかく、見た方が早いと思う」
そう言って、そろりと背筋を伸ばし何処かへと視線を向ける。
アニーもその視線の先を追いかけた。
応接室内の男女が体を寄せ合うのが見えた。
目を凝らすと、男の手は女の後頭部をホールドし、腰をしっかり抱いている。
女は腕を男の首に回し白い睫毛を震わせ、唇を重ね合わせていた。
外よりも室内のほうが明るいから、はっきりと確認できた。
間違いなくダリウシュとアンバーだった。
心臓が貫かれるような痛みを感じ、息が止まった。
その後、傷口から血が溢れるかのように、ズキズキと心が痛む。
茫然と立ち尽くすアニーの手を、マシューが引っ張った。
なんで二人はキスしてたの?
別れたと言ってたのに、実はまだ繋がっていた?
もう私の事は好きじゃないの?
本当はずっとアンバーが好きだった?
心の中のアニー自身はいつも不安と劣等感に苛まれ、ヒビの入った薄氷の上に立っている。
薄氷の下は真っ暗な海で、落ちたら浮上できないくらい深く暗い。
どうしてそんな情景が浮かぶのだろうか。
ダリウシュに捨てられるのが怖くて、自分自身が嫌で、でもどうにもならなくて。
裏切られるのを怖れているのに、反面、仕方ないと諦念もある。
「ショックだよね?わかるよ!……僕も辛くて気が狂いそうだ!!」
マシューは興奮気味に言った。
二人で花壇を抜け、厩舎の側も通り過ぎる。
「信じられないよ、あの二人がまだ通じていたなんて!君が来てから別れたと聞いていたのに!」
「え……」と声がもれた。聞いていた話と違う。
ダリウシュは二年前から別れていたと言っていたのに。
マシューは厩舎裏の森の中へと歩みを進めた。
彼の声も震えている。
「でも仕方ない、僕が二人の仲を邪魔したんだ。寂しいと愚痴るアンバーに優しくして、彼女が彼を深く愛しているのを知りながら横恋慕したのさ。だから…………」
マシューは立ち止まり、嗚咽をもらした。
気がつくと二人は森の中にいた。
太陽が昇り、周囲は黄金の光で溢れている。
「ずっと待っていたんだ。彼女が僕を愛してくれるのを。僕にはバルトミール侯のような男らしさはないけれど、愛情だけは負けないと……しかし彼女には重荷だったのかもしれない。きっとバルトミール侯も同じ気持ちだったのかもしれないな」
アニーはマシューの独白を聴き続けた。
頭が真っ白で何と言って良いかわからない。
「僕はここを去るよ。彼女の負担にはなりたくないから……君はどうする?」
「え?」
突然の問いかけに、アニーは言葉に詰まる。
微かに紅がかかった朝焼けの空のような、紅碧色の瞳がじっとこちらを見つめている。
白磁の肌には涙の筋が残り、引き結んだ真っ赤な唇は無言で”一緒にくるよな。
裏切るわけないよな”と言っている。
その表情に気圧され、アニーは頷きそうになった。
それを一息つくことで流し、たっぷり間をとった後「ダリウシュと話す」と答える。
すると彼は狼狽した。
「な、何言ってるんだ!どうして彼と話す必要がある?彼が君を裏切ったのは明らかだろう⁉︎彼は君の力を他の竜騎士にとられたくなくて、君に惚れているフリをしていたんだ!」
その可能性は充分にあり得るけれど……それよりマシューの焦りように違和感を覚えた。
「アンバーはダリウシュがいなければ力を発揮できないが、君はそうじゃないだろ?君を欲しがる竜騎士はたくさんいるんだよ。君は彼の庇護なんて必要ないんだ。ダリウシュに束縛されてる君にはわからないだろうけど、君の価値を正当に評価してくれる人は沢山いるよ!僕が紹介してあげるから、一緒にいこう」
マシューは目を血走らせ、必死になって「一緒に出よう」と説得してくる。
彼の話を聞けば聞くほど不可解に感じた。
まるで此処から追い出し、ダリウシュから引き離したいようだ。
でもなんで?
彼になんのメリットがある?
その時、アンバーの勝ち誇った笑顔を思い出した。
「ダリウシュと話されて、困る事があるの?」
「え、えっ?」
マシューはギョッとして絶句した。
「どうして今すぐ此処を出なきゃいけないか、あたしにはわからない。二人から話を聞かなきゃ、そうでしょ?」
「ぼ、僕は心配しているんだ。ダリウシュが更に君を傷つるんじゃないかって」
「ご心配ありがとう。でもそんなに弱くないから大丈夫」
強がりだった。
ダリウシュからアンバーが好きだと、タイトル戦の為に愛してるふりしていたんだと言われたら。
きっとアニーの心は粉々に砕けるだろう。
でも今は強がりを言って、自分を奮い立たせるしかない。
マシューの瞳孔はあちらこちらへと彷徨い、定まらない。
なんとなくだが嘘をついて、丸め込む言葉を探しているように思えた。
こんなマシューの姿は見た事ない。
昨日までは普通だったのに、化かされているようだ。もしかして、今もアンバーの力が働いている?
「マシュー、私をはめたりしてないよね?」
どうしてそんな事を聞いてしまったのだろう。
「そんなわけない」と狼狽えると思ったが、彼は開き直るように沈黙した。
真正面からアニーを睨みつけ、視線に強い敵意と蔑みを見て、アニーは背筋を震わせた。
全て計画だったんだ。
悪口から庇ってくれたのも、優しくしてくれたのも、心を許し彼等の言葉を鵜呑みにさせる為の餌だったんだ。
仲良くしてくれたのは、ダリウシュから引き離す為だったんだ。
何も言わず、踵を返した。
館へ帰るため足を動かしていると、喉がつっかえ「ひっく」としゃくり上げた。アニーは泣いていた。
友達だと思っていた……そう思っていたからこそ全てが辛い。
いつもより少し早い起床に、全員が慌てる。
「おはようございます。今朝はお早いですね」
「うん、朝食前に軽く馬に乗ろうかなって」
「左様ですか。馬達も喜ぶでしょう。呉々もお怪我にはお気をつけください」
「うん!ありがとう、行ってくるね」
ワゴンに複数枚の皿、ティーカップ、銀食器が並ぶのを横目で捉える。
ダリウシュとアンバーの分だろう。
二人が帰宅していた事にアニーは驚きつつ、目覚めた時、自室のベッドに一人だった事に一抹の寂しさを感じた。
以前なら、勝手に寝ているアニーをダリウシュのベッドに運び、一緒に朝を迎えたはずなのに。
今の彼にはその余裕もないのだろうか、もしくは自分にその価値がなくなったのか。
朝からアニーはブルーになった。
ダイニングを出ると玄関ホールへ繋がる。
正面には人々を迎えるように重厚な木の階段があり、左手に応接室がある。
その部屋からなにやら人の気配がし、足音をたてないようにそっと通り過ぎた。
早朝の空は薄紫で、冷気と靄が漂っている。
裏戸を出て厩舎に入ると、馬達が耳を向けてお出迎えしてくれた。
真っ黒なクリクリお目めが最高に可愛い。
アニーは一瞬で気分が浮上した。
栗毛馬の鼻を撫でてやると、気持ちよさそうに鼻先をヒクヒクさせた。
私が呑気にすやすや寝ている間にもダリウシュは仕事をしていたのね。
アニーはベッドに取り残された事をあれこれ勘繰った事を恥じた。
「アニー!よかった、ちゃんと来てくれたんだね」
シャツにズボンというラフな格好で現れたマシューに、乗馬希望ではなかったのかとアニーは少しがっかりする。
「おはよ、マシュー。はぁ、やっぱ乗馬じゃなかったか。あたし、乗馬の準備してきちゃったよ」
「うん、それはいいから!」
マシューはアニーの手を取り、歩き出す。
「どこ行くの?なんの用事?」
「来たらわかるから!」
マシューは厩舎を出て庭の方へ歩き出す。
有無を言わさぬ様子にアニーは呆気にとられた。
憂いを帯びた横顔、唇を時折嚙み緊張してるみたい。
厩舎の前、バルトミール邸の左手には、応接室から景観を楽しめるよう、花壇と噴水がある。
噴水を取り囲むように通路に煉瓦が敷き詰められ、四ブロック分けられた花壇には子どもの背丈くらいの薔薇が植えられている。
マシューはその薔薇の陰に隠れるように背を屈め、付いてこいと目配せした後、応接室のほうへ進んだ。
コソコソと背中を丸める姿に只事ではないと察し、アニーも足音を消して息を殺した。
「アニー…君に打ち明けるか迷ったんだけど」
足を止めたマシューは振り返り、小声で切り出した。
「とにかく、見た方が早いと思う」
そう言って、そろりと背筋を伸ばし何処かへと視線を向ける。
アニーもその視線の先を追いかけた。
応接室内の男女が体を寄せ合うのが見えた。
目を凝らすと、男の手は女の後頭部をホールドし、腰をしっかり抱いている。
女は腕を男の首に回し白い睫毛を震わせ、唇を重ね合わせていた。
外よりも室内のほうが明るいから、はっきりと確認できた。
間違いなくダリウシュとアンバーだった。
心臓が貫かれるような痛みを感じ、息が止まった。
その後、傷口から血が溢れるかのように、ズキズキと心が痛む。
茫然と立ち尽くすアニーの手を、マシューが引っ張った。
なんで二人はキスしてたの?
別れたと言ってたのに、実はまだ繋がっていた?
もう私の事は好きじゃないの?
本当はずっとアンバーが好きだった?
心の中のアニー自身はいつも不安と劣等感に苛まれ、ヒビの入った薄氷の上に立っている。
薄氷の下は真っ暗な海で、落ちたら浮上できないくらい深く暗い。
どうしてそんな情景が浮かぶのだろうか。
ダリウシュに捨てられるのが怖くて、自分自身が嫌で、でもどうにもならなくて。
裏切られるのを怖れているのに、反面、仕方ないと諦念もある。
「ショックだよね?わかるよ!……僕も辛くて気が狂いそうだ!!」
マシューは興奮気味に言った。
二人で花壇を抜け、厩舎の側も通り過ぎる。
「信じられないよ、あの二人がまだ通じていたなんて!君が来てから別れたと聞いていたのに!」
「え……」と声がもれた。聞いていた話と違う。
ダリウシュは二年前から別れていたと言っていたのに。
マシューは厩舎裏の森の中へと歩みを進めた。
彼の声も震えている。
「でも仕方ない、僕が二人の仲を邪魔したんだ。寂しいと愚痴るアンバーに優しくして、彼女が彼を深く愛しているのを知りながら横恋慕したのさ。だから…………」
マシューは立ち止まり、嗚咽をもらした。
気がつくと二人は森の中にいた。
太陽が昇り、周囲は黄金の光で溢れている。
「ずっと待っていたんだ。彼女が僕を愛してくれるのを。僕にはバルトミール侯のような男らしさはないけれど、愛情だけは負けないと……しかし彼女には重荷だったのかもしれない。きっとバルトミール侯も同じ気持ちだったのかもしれないな」
アニーはマシューの独白を聴き続けた。
頭が真っ白で何と言って良いかわからない。
「僕はここを去るよ。彼女の負担にはなりたくないから……君はどうする?」
「え?」
突然の問いかけに、アニーは言葉に詰まる。
微かに紅がかかった朝焼けの空のような、紅碧色の瞳がじっとこちらを見つめている。
白磁の肌には涙の筋が残り、引き結んだ真っ赤な唇は無言で”一緒にくるよな。
裏切るわけないよな”と言っている。
その表情に気圧され、アニーは頷きそうになった。
それを一息つくことで流し、たっぷり間をとった後「ダリウシュと話す」と答える。
すると彼は狼狽した。
「な、何言ってるんだ!どうして彼と話す必要がある?彼が君を裏切ったのは明らかだろう⁉︎彼は君の力を他の竜騎士にとられたくなくて、君に惚れているフリをしていたんだ!」
その可能性は充分にあり得るけれど……それよりマシューの焦りように違和感を覚えた。
「アンバーはダリウシュがいなければ力を発揮できないが、君はそうじゃないだろ?君を欲しがる竜騎士はたくさんいるんだよ。君は彼の庇護なんて必要ないんだ。ダリウシュに束縛されてる君にはわからないだろうけど、君の価値を正当に評価してくれる人は沢山いるよ!僕が紹介してあげるから、一緒にいこう」
マシューは目を血走らせ、必死になって「一緒に出よう」と説得してくる。
彼の話を聞けば聞くほど不可解に感じた。
まるで此処から追い出し、ダリウシュから引き離したいようだ。
でもなんで?
彼になんのメリットがある?
その時、アンバーの勝ち誇った笑顔を思い出した。
「ダリウシュと話されて、困る事があるの?」
「え、えっ?」
マシューはギョッとして絶句した。
「どうして今すぐ此処を出なきゃいけないか、あたしにはわからない。二人から話を聞かなきゃ、そうでしょ?」
「ぼ、僕は心配しているんだ。ダリウシュが更に君を傷つるんじゃないかって」
「ご心配ありがとう。でもそんなに弱くないから大丈夫」
強がりだった。
ダリウシュからアンバーが好きだと、タイトル戦の為に愛してるふりしていたんだと言われたら。
きっとアニーの心は粉々に砕けるだろう。
でも今は強がりを言って、自分を奮い立たせるしかない。
マシューの瞳孔はあちらこちらへと彷徨い、定まらない。
なんとなくだが嘘をついて、丸め込む言葉を探しているように思えた。
こんなマシューの姿は見た事ない。
昨日までは普通だったのに、化かされているようだ。もしかして、今もアンバーの力が働いている?
「マシュー、私をはめたりしてないよね?」
どうしてそんな事を聞いてしまったのだろう。
「そんなわけない」と狼狽えると思ったが、彼は開き直るように沈黙した。
真正面からアニーを睨みつけ、視線に強い敵意と蔑みを見て、アニーは背筋を震わせた。
全て計画だったんだ。
悪口から庇ってくれたのも、優しくしてくれたのも、心を許し彼等の言葉を鵜呑みにさせる為の餌だったんだ。
仲良くしてくれたのは、ダリウシュから引き離す為だったんだ。
何も言わず、踵を返した。
館へ帰るため足を動かしていると、喉がつっかえ「ひっく」としゃくり上げた。アニーは泣いていた。
友達だと思っていた……そう思っていたからこそ全てが辛い。
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