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【05】タイトル戦
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ぼんやりブラウン管を眺めていると、公営賭博である”タイトル戦”の特集が流れていた。
タイトル戦とは【竜騎士】と【天妓】がパートナーとなりゴールまでのタイムを競うレースだ。
毎年、竜王戦/天王戦/王位戦/天位戦/和位戦/騎王戦/王戦の七大会が開催される。
勝者が国王となり翌年の政の采配を担うため、国民の関心は高く、国家をあげた一大イベント。
戦いを制し勝ち上がった竜騎士と天妓は国民から絶大な人気を誇り、アイドル的扱いを受ける。
そもそも此処レミュエル島にはレミュエル国があり、三つの民族が肩を寄せ合い暮らしている。
竜を祖に持つ竜騎族、魔を祖に持つ天妓族、和を祖に持つ和親族だ。
竜騎族は強靭な肉体と高い身体能力を持っている。
圧倒的に強いので、国の中枢機関を牛耳っており、竜騎族による軍事国家だ。
所謂特権階級の民族である。
天妓族は竜騎族と契る事で魔力を得て、竜騎族から与えられるエネルギーを元に魔力を操る。
繁殖力が低く、同族種間でしか子を産めない。
絶滅危惧種に認定されるほど人口が少なく、不明な事が多い。
竜騎族に保護されており、一般人は滅多な事では彼等を拝めない。
和親族は特別な力を持たない。
しかし繁殖力は高く人口の八割は和親族で、レミュエル国は和親族が支えていると言っても過言ではない。
血気盛んだが、おおらかで情に厚い性格の人が多い。
竜騎族と天妓族は特区で暮らしているので、街ですれ違うのはほぼ和親族と言っていい。
つまり隣でジョシュにあしらわれているあの娘も、ケージ内で取っ組み合ってる彼等も和親族なのである。
「良かったな、勝ったぜ」
「やった」
運良くアニーが賭けた選手が勝った。
気を良くし、更に金額を倍にして次の試合にベットした。
アニーだけでなく、この場にいたほぼ全員が大なり小なり賭けを楽しんでいる。
”格闘技”と”賭け”はレミュエル国の文化風習に深く根付いた娯楽なのだ。
アニーも護身のために週二回、無料の格闘技塾に通っているし、賭けを生業とする賭博師は子ども達に人気の職業だ。
目利きのある伯楽者になると、予想がメディアに取り上げられるほど高い地位を築いている。
「おっ、王位戦の結果でるぞ」
ジョシュの独り言にアニーもテレビに目をやった。
白黒ブラウン管の中には美男美女が所狭しと並んでいる。
王位戦を勝ち上がった上位の竜騎士×天妓のペアだ。
その中に知った顔を見つけ、苦い感情が蘇った。
二年前アニーに力を与えた男、ダリウシュ=バルトミール。
アニーと出会った時の彼はまだ少年っぽさが残り、身体も細マッチョで頼りない印象があった。
しかしここ数年で彼の体躯はより洗練され、上半身の厚みは増し、尻や太腿は丸太のように太く、肩も腕も背中も大きくなった。
頬は削げ、顎のラインはシャープになり、眼光にも凄味が増し、精悍な青年へと成長した。
胸がドキドキと高鳴ると同時に苦しくなり、アニーはため息と共に目を伏せた。
あの夜初めて異性に抱かれ、翌朝一人で目覚めた。
机の上には十分過ぎるほどの紙幣が残され、メモの類はなかった。
何故か虚しくなり涙が出た。
何を期待していたのだろう。
あの人には憂さを晴らせるなら誰でもよい、一夜の瑣末な情事。
アニーも金を貰うため、あわよくば力を手に入れるための割り切った関係だった……はずなのに。
彼の隣にはパートナーのアンバー=レモンドが微笑んでいる。
薔薇の花が似合うきつめの美人で少し高慢そうだが、男ウケは良い。
隙を見せるが簡単には手に入らない、駆け引きを楽しみたい小悪魔系といったところだろうか。
前髪は女優のように立ち上がり、波紋のように波うつウェーブは整然と並び一糸乱れない。
真っ赤な唇から白い歯を覗かせ、女性にしては鼻梁がしっかり通っている。
そのせいで勝気で高飛車な印象をもつが、彼が選んだ女性だ。実は懐の広い女傑なのかも。
二人が仲睦まじくデートする様子が定期的に報道される。
毎回アニーはひどくショックを受けた。
やっぱり彼女と付き合っているんだ。お似合いのカップルね、どんなデートをしてるんだろう。
私にしたように彼女を抱いているのか……と気持ち悪い事を考えてしまう自分が本当にイヤだ。
身体を繋げると、心まで奪われるのだろうか。SEXで愛着が湧いたか。
例えるなら一度口にした至高の果実の味が忘れられず、手に入らないとわかっていても欲するのをやめられないってところだろうか。
だとすればこのトキメキや胸は痛みは恋や愛などではなく、単なる欲望、執着。
理性で押さえこめるはず。
何度も気にしないようにしよう、忘れようとしたが、テレビや新聞に載っていると無意識で目で追ってしまう。
どんなに努力してもアイドル竜騎士である彼を見ない日はなく、二年経った今でも、一方的に囚われている。
自分はこんなにも苦しんでいるのに、ブラウン管の中の彼はいつも仲間に囲まれ、無邪気に微笑み幸せをそうだ。
それがいつしか憎らしくなるという、負の無限ループ。
「やっぱりドルジか。国王様は強ぇな~」
ダリウシュの隣で腰まである髪をハーフアップにし威風堂々と立つのが、現国王ドルジ=アルタンだ。
彼は”赤獅子”の異名を持ち、朝陽を浴び暁の空に咆哮する獅子を彷彿とさせる。
身長体格はダリウシュのほうがあるが、自信に満ち溢れる様は彼を誰よりも大きく魅せる。
「ニア、おまえは良い賭博師なんだから、タイトル戦に賭けろよ。こんな場末のファイトクラブでちまちま稼いでないでさ」
ジョシュのアドバイスに、アニーは苦笑いした。
公営ギャンブルのタイトル戦では、多くの人が沢山の金を賭ける。
たった一日で億万長者になれるほどに。
その分イカサマ対策は厳重で、バレたらやばい。
ただでさえアニーは天妓族から追われているというのに。
それに賭博師は母の医療費を稼ぐために始めた仕事だ。
今は家もないし、母娘二人の根無し草生活に大金は必要ない。
「あたしは馬が本職だから、タイトル戦はよくわかんないんだよね。此処で勉強中!」
「そうだな。格闘技の見る眼はイマイチかもしんねぇな」
ジョシュ顎をしゃくった方向を見ると、二試合目、アニーが賭けた選手はマウントを取られフルボッコに殴られている。
「ダメだなアレは、立てねぇよ」
彼の予想通り、背後から首を絞めるチョーク技で選手は失神した。
「残念だったな、ニア」
「……だね」
アニーは左手に握られた懐中時計の竜頭に手をかけた。
蓋が開き、秒針が時を刻む。
突然ジョシュは固まり、我に返り「えーっと」と独り言を零す。
「ジョシュ、払い戻しお願い」
「あぁ、そうだ。そうだったな、俺は払い戻してたんだった」
ジョシュは紙幣を数え、「またアタリだな」と言ってアニーに手渡す。
アニーは「たまたまだよ」と答え、慣れた手つきで丸めゴムで留めてナップザックに仕舞った。
タイトル戦とは【竜騎士】と【天妓】がパートナーとなりゴールまでのタイムを競うレースだ。
毎年、竜王戦/天王戦/王位戦/天位戦/和位戦/騎王戦/王戦の七大会が開催される。
勝者が国王となり翌年の政の采配を担うため、国民の関心は高く、国家をあげた一大イベント。
戦いを制し勝ち上がった竜騎士と天妓は国民から絶大な人気を誇り、アイドル的扱いを受ける。
そもそも此処レミュエル島にはレミュエル国があり、三つの民族が肩を寄せ合い暮らしている。
竜を祖に持つ竜騎族、魔を祖に持つ天妓族、和を祖に持つ和親族だ。
竜騎族は強靭な肉体と高い身体能力を持っている。
圧倒的に強いので、国の中枢機関を牛耳っており、竜騎族による軍事国家だ。
所謂特権階級の民族である。
天妓族は竜騎族と契る事で魔力を得て、竜騎族から与えられるエネルギーを元に魔力を操る。
繁殖力が低く、同族種間でしか子を産めない。
絶滅危惧種に認定されるほど人口が少なく、不明な事が多い。
竜騎族に保護されており、一般人は滅多な事では彼等を拝めない。
和親族は特別な力を持たない。
しかし繁殖力は高く人口の八割は和親族で、レミュエル国は和親族が支えていると言っても過言ではない。
血気盛んだが、おおらかで情に厚い性格の人が多い。
竜騎族と天妓族は特区で暮らしているので、街ですれ違うのはほぼ和親族と言っていい。
つまり隣でジョシュにあしらわれているあの娘も、ケージ内で取っ組み合ってる彼等も和親族なのである。
「良かったな、勝ったぜ」
「やった」
運良くアニーが賭けた選手が勝った。
気を良くし、更に金額を倍にして次の試合にベットした。
アニーだけでなく、この場にいたほぼ全員が大なり小なり賭けを楽しんでいる。
”格闘技”と”賭け”はレミュエル国の文化風習に深く根付いた娯楽なのだ。
アニーも護身のために週二回、無料の格闘技塾に通っているし、賭けを生業とする賭博師は子ども達に人気の職業だ。
目利きのある伯楽者になると、予想がメディアに取り上げられるほど高い地位を築いている。
「おっ、王位戦の結果でるぞ」
ジョシュの独り言にアニーもテレビに目をやった。
白黒ブラウン管の中には美男美女が所狭しと並んでいる。
王位戦を勝ち上がった上位の竜騎士×天妓のペアだ。
その中に知った顔を見つけ、苦い感情が蘇った。
二年前アニーに力を与えた男、ダリウシュ=バルトミール。
アニーと出会った時の彼はまだ少年っぽさが残り、身体も細マッチョで頼りない印象があった。
しかしここ数年で彼の体躯はより洗練され、上半身の厚みは増し、尻や太腿は丸太のように太く、肩も腕も背中も大きくなった。
頬は削げ、顎のラインはシャープになり、眼光にも凄味が増し、精悍な青年へと成長した。
胸がドキドキと高鳴ると同時に苦しくなり、アニーはため息と共に目を伏せた。
あの夜初めて異性に抱かれ、翌朝一人で目覚めた。
机の上には十分過ぎるほどの紙幣が残され、メモの類はなかった。
何故か虚しくなり涙が出た。
何を期待していたのだろう。
あの人には憂さを晴らせるなら誰でもよい、一夜の瑣末な情事。
アニーも金を貰うため、あわよくば力を手に入れるための割り切った関係だった……はずなのに。
彼の隣にはパートナーのアンバー=レモンドが微笑んでいる。
薔薇の花が似合うきつめの美人で少し高慢そうだが、男ウケは良い。
隙を見せるが簡単には手に入らない、駆け引きを楽しみたい小悪魔系といったところだろうか。
前髪は女優のように立ち上がり、波紋のように波うつウェーブは整然と並び一糸乱れない。
真っ赤な唇から白い歯を覗かせ、女性にしては鼻梁がしっかり通っている。
そのせいで勝気で高飛車な印象をもつが、彼が選んだ女性だ。実は懐の広い女傑なのかも。
二人が仲睦まじくデートする様子が定期的に報道される。
毎回アニーはひどくショックを受けた。
やっぱり彼女と付き合っているんだ。お似合いのカップルね、どんなデートをしてるんだろう。
私にしたように彼女を抱いているのか……と気持ち悪い事を考えてしまう自分が本当にイヤだ。
身体を繋げると、心まで奪われるのだろうか。SEXで愛着が湧いたか。
例えるなら一度口にした至高の果実の味が忘れられず、手に入らないとわかっていても欲するのをやめられないってところだろうか。
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理性で押さえこめるはず。
何度も気にしないようにしよう、忘れようとしたが、テレビや新聞に載っていると無意識で目で追ってしまう。
どんなに努力してもアイドル竜騎士である彼を見ない日はなく、二年経った今でも、一方的に囚われている。
自分はこんなにも苦しんでいるのに、ブラウン管の中の彼はいつも仲間に囲まれ、無邪気に微笑み幸せをそうだ。
それがいつしか憎らしくなるという、負の無限ループ。
「やっぱりドルジか。国王様は強ぇな~」
ダリウシュの隣で腰まである髪をハーフアップにし威風堂々と立つのが、現国王ドルジ=アルタンだ。
彼は”赤獅子”の異名を持ち、朝陽を浴び暁の空に咆哮する獅子を彷彿とさせる。
身長体格はダリウシュのほうがあるが、自信に満ち溢れる様は彼を誰よりも大きく魅せる。
「ニア、おまえは良い賭博師なんだから、タイトル戦に賭けろよ。こんな場末のファイトクラブでちまちま稼いでないでさ」
ジョシュのアドバイスに、アニーは苦笑いした。
公営ギャンブルのタイトル戦では、多くの人が沢山の金を賭ける。
たった一日で億万長者になれるほどに。
その分イカサマ対策は厳重で、バレたらやばい。
ただでさえアニーは天妓族から追われているというのに。
それに賭博師は母の医療費を稼ぐために始めた仕事だ。
今は家もないし、母娘二人の根無し草生活に大金は必要ない。
「あたしは馬が本職だから、タイトル戦はよくわかんないんだよね。此処で勉強中!」
「そうだな。格闘技の見る眼はイマイチかもしんねぇな」
ジョシュ顎をしゃくった方向を見ると、二試合目、アニーが賭けた選手はマウントを取られフルボッコに殴られている。
「ダメだなアレは、立てねぇよ」
彼の予想通り、背後から首を絞めるチョーク技で選手は失神した。
「残念だったな、ニア」
「……だね」
アニーは左手に握られた懐中時計の竜頭に手をかけた。
蓋が開き、秒針が時を刻む。
突然ジョシュは固まり、我に返り「えーっと」と独り言を零す。
「ジョシュ、払い戻しお願い」
「あぁ、そうだ。そうだったな、俺は払い戻してたんだった」
ジョシュは紙幣を数え、「またアタリだな」と言ってアニーに手渡す。
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