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【16】もう一つの心臓 〜快楽へ誘う悪魔〜

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頭をひねるダニエルを他所に、サニーは枕をダニエルの背に差し込む。

それからダニエルの両手を取り、二人が繋がる場所へと導いた。

そして肉棒ペニスを抜き、根元を握らせる。


「……な”っ!、な”、な”」

ダニエルはただただ驚き、目をみはる。

言葉通り、男根が奥まで入らないようにコントロールしてってことだろうけど、初めての経験で、恥ずかしさも相まりダニエルは真っ赤になった。


羞恥など持ち合わせてないサニーは、逆に得意げに、「どうデスカ、俺のおちんぽ」と訊ねてくる。

ダニエルは自棄やけっぱちになって「相変わらず大きいわよ、ムカつくなぁ!小さくして」と、噛み付いた。


サニーは眉を下げ、さっきまでのギラついた表情から一転、ふにゃふにゃしながら「そんな無茶な」とボヤく。

……もしかして、握られるの好き?

手を添えているだけなのに、気持ちがいいのかな。

その顔が可愛いくて、ダニエルは簡単にほだされた。



「こういうのもイイね。ディディの手、きもちいいヨ」

男根を握らせたまま、サニーはゆったり抽送を始める。

目を離すと手も放してしまいそうで、ダニエルは自分の上で腰を振る男を見つめた。


鎖骨の下に盛り上がる胸筋、下には割れた腹筋が続き、臍から下にかけて血管が浮き出て、金茶色の陰毛が揺れる。

その根元の肉棒はパンパンに膨らんで硬く、手を添えてるだけなのに、ずっしり重みを感じた。

それでいてその怒張は愛液と蜂蜜にねっとり塗れ、熱く脈打ってもいる。


男は下半身でモノを考えるというけれど。

確かに手の中にもう一つ心臓があるみたい。


ダニエルは、「ドクンドクンしてる」と独り言をもらした。

これがいつも自分の中を掻き回しているのね。

恥ずかしさと共に、愛着というか……この硬く太い肉棒で奥まで掻き回されたらどうなるんだろうと想像してしまう。


一度考えてしまえば、もうダメだった。

飢えた高揚感に襲われ、膣奥を突いてもらいたくなる。


さっきまでダメだと主張していたのに、とんだ矛盾。

が、男は快楽へ誘うのが悪魔的に上手いのだ。

いつだってダニエルは彼の手練手管にメロメロにされる。



「ディディのせいで、ドクンドクンしてるんだから、可愛がってよ」

そう言うとサニーは正座し、ダニエルの両脚を軽々持ち上げた。


腰がシーツを離れ、男性側が好きなように腰を振れる体勢。

「や、なっ…あぁん」

しかしダニエルからすると下半身が浮いて心許こころもとない。


「東方より伝わりしエッチな教本にある、”深山みやま”という体位デス」

「もぉ、そんなことばっかり勉強して」

ダニエルは呆れ声をあげる。


「これも立派な学問だヨ」

「なにが学問よ!どうせ学舎をサボってエロいことばっかしてたんでしょ」

学生時代から何かと問題を起こしていた弟ポーラの姿とダブり、ダニエルはため息をついた。
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