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【62】真相 ー全てが繋がるー
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ダニエルは息をするのを忘れて、穴が開くほどサニーを見つめた。
サニーがアル王子!?
女王陛下の第三子の……あのヤリチン王子っ!?
記憶の中で痼となっていた些細なひっかかりが、急速に繋がっていく。
ーーーおやすみ、ダニエル
変だと思ったのだ。
名乗ってないのに、昨夜、彼はダニエルの名を知っていた。
ーーーずっとキミのそばに行きたかった
ーーーいつもキミを見ていた
おかしなこと言うなぁって。
まるでずっと何所かから見ていたみたいじゃない?
昨夜たまたま会ったのだと思っていたけれど、そうじゃなかったんだ!
ーーー閨を共にした後、必ずいうんだって。”二人だけの秘密だよ”って!
ーーー俺たち二人だけの秘密だ
情報通のメイドの噂話と、あの夜サニーが放った睦言が繋がる。
あの時感じたひっかかりはこれだったんだ!!
腕に鳥肌がたち、背中までゾワゾワと広がっていく。
あの時、心の中で呆れて笑ったのに……まさか自分がそれをされていたなんて。
ダニエルはシンジラレナイ!!!とばかりにサニーへ非難の眼差しを向けた。
幽霊だ幻だと、さんざん悩んだのに。
宮殿で目にしたサニーは幻ではなかったんだ。
たぶんどこかに隠れて、焦る姿を見て笑っていたのね。
ダニエルは彼の背後に控えるクライン執務官に目を止めた。
立ち位置的におそらく彼はサニーの部下。
きっと彼がダニエルに近づいてきたのは、探るためだったんだろう。
二人分の紅茶を淹れさせたり、床に這いつくばらせたり。
あれもサニーの指示ねっ。
どうりでおかしな注文をすると思ったのよ!
ハルボーン中佐は!?
疑惑の眼差しを向けると、中佐はバツが悪そうに視線を逸らした。
彼もまたサニーの差し金で接触してきたんだと、確信する。
宮殿での清掃バイトも、中佐からではなくサニーからの依頼だったんだ。
でも中佐と出会ったのは偶然だったはず。
まさか……あの時から既に監視されていた?
誰かに見られてる気がしたけど、犯人はサニーだったの!?
ダニエルがもう一度サニーに視線を戻すと、推察を肯定するように、彼は口の端をニヤリと引き上げた。
その悪びれない不敵な表情に、怒りが沸々と沸いてくる。
こんなの”騙し討ち”だ。
”また明日”、”すぐに会えるよ”ってメッセージは、この出会いを示唆していだのね。
昨夜、打ち明けることだってできたはずなのに。
なんだって、こんなストーカーみたいな真似を……。
そこまで考え、背筋に寒気が走った。
そうだ、何が目的なんだろう?
彼がダニエルを監視する理由が、全くわからない。
そしてこうして女王陛下の前に呼び出された理由も……。
ハタと、女王陛下の存在を思い出した。
目があうと、陛下は苦笑いでダニエルを見下ろしてる。
ーーー女王陛下……やばい!本物の女王陛下だっ!!
「はぁわわわ……」
ダニエルは心慌意乱のまま、巣穴から飛び出る脱兎のごとく頭を低く下げた。
参内しておきながら、夢だと思うって……バカ、バカ、あたしの大馬鹿野郎~!
女王陛下の前で膝を崩し、許可されてないのに喋ってしまった。
しかも王子を指差したし!!
失礼きわまりない。
不安と緊張、深い後悔が津波のように押し寄せてきて、パニックだ。
あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”、泣きたい。
やらかしてしまった……当分出世は無理だろうなぁ。
ぬ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!オワタ……。
「マッキニー准尉、そんなに小さくならないでくれ。今日は陛下に君を紹介したくて呼んだんだ」
死にそうな顔をするダニエルの手をとり、サニーは優しく引き起こす。
誰のせいだとおもってるのよっ!……とは言えない。
ダニエルはこみ上げてくる怒りと恨めしさを必死で抑えた。
近くでみればみるほど、サニーは太陽のように輝くオーラを放っている。
真ん中でわけた前髪を立たせ、毛先を少しカールしたようなオールバックの髪型。
アリャーリャ村では髭も生やし我儘でワイルドな印象だったのに、今じゃ童話の中の華美な王子様そのもの。
どうして彼がアル王子だと見抜けなかったんだろう。
白金の髪、紫の瞳ではないが、誰もが認める美丈夫に違いない。
彫像のように美しいし、噂通りの遊び人だったのに。
あぁ……これから何が起きるんだろう?
なんであたしは呼び出されたの?
昨夜の事も、アリャーリャ村での事も、なかったことにしたい。
ダニエルは死刑宣告を待つ大罪人の気持ちで、サニーの様子を窺った。
サニーがアル王子!?
女王陛下の第三子の……あのヤリチン王子っ!?
記憶の中で痼となっていた些細なひっかかりが、急速に繋がっていく。
ーーーおやすみ、ダニエル
変だと思ったのだ。
名乗ってないのに、昨夜、彼はダニエルの名を知っていた。
ーーーずっとキミのそばに行きたかった
ーーーいつもキミを見ていた
おかしなこと言うなぁって。
まるでずっと何所かから見ていたみたいじゃない?
昨夜たまたま会ったのだと思っていたけれど、そうじゃなかったんだ!
ーーー閨を共にした後、必ずいうんだって。”二人だけの秘密だよ”って!
ーーー俺たち二人だけの秘密だ
情報通のメイドの噂話と、あの夜サニーが放った睦言が繋がる。
あの時感じたひっかかりはこれだったんだ!!
腕に鳥肌がたち、背中までゾワゾワと広がっていく。
あの時、心の中で呆れて笑ったのに……まさか自分がそれをされていたなんて。
ダニエルはシンジラレナイ!!!とばかりにサニーへ非難の眼差しを向けた。
幽霊だ幻だと、さんざん悩んだのに。
宮殿で目にしたサニーは幻ではなかったんだ。
たぶんどこかに隠れて、焦る姿を見て笑っていたのね。
ダニエルは彼の背後に控えるクライン執務官に目を止めた。
立ち位置的におそらく彼はサニーの部下。
きっと彼がダニエルに近づいてきたのは、探るためだったんだろう。
二人分の紅茶を淹れさせたり、床に這いつくばらせたり。
あれもサニーの指示ねっ。
どうりでおかしな注文をすると思ったのよ!
ハルボーン中佐は!?
疑惑の眼差しを向けると、中佐はバツが悪そうに視線を逸らした。
彼もまたサニーの差し金で接触してきたんだと、確信する。
宮殿での清掃バイトも、中佐からではなくサニーからの依頼だったんだ。
でも中佐と出会ったのは偶然だったはず。
まさか……あの時から既に監視されていた?
誰かに見られてる気がしたけど、犯人はサニーだったの!?
ダニエルがもう一度サニーに視線を戻すと、推察を肯定するように、彼は口の端をニヤリと引き上げた。
その悪びれない不敵な表情に、怒りが沸々と沸いてくる。
こんなの”騙し討ち”だ。
”また明日”、”すぐに会えるよ”ってメッセージは、この出会いを示唆していだのね。
昨夜、打ち明けることだってできたはずなのに。
なんだって、こんなストーカーみたいな真似を……。
そこまで考え、背筋に寒気が走った。
そうだ、何が目的なんだろう?
彼がダニエルを監視する理由が、全くわからない。
そしてこうして女王陛下の前に呼び出された理由も……。
ハタと、女王陛下の存在を思い出した。
目があうと、陛下は苦笑いでダニエルを見下ろしてる。
ーーー女王陛下……やばい!本物の女王陛下だっ!!
「はぁわわわ……」
ダニエルは心慌意乱のまま、巣穴から飛び出る脱兎のごとく頭を低く下げた。
参内しておきながら、夢だと思うって……バカ、バカ、あたしの大馬鹿野郎~!
女王陛下の前で膝を崩し、許可されてないのに喋ってしまった。
しかも王子を指差したし!!
失礼きわまりない。
不安と緊張、深い後悔が津波のように押し寄せてきて、パニックだ。
あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”、泣きたい。
やらかしてしまった……当分出世は無理だろうなぁ。
ぬ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!オワタ……。
「マッキニー准尉、そんなに小さくならないでくれ。今日は陛下に君を紹介したくて呼んだんだ」
死にそうな顔をするダニエルの手をとり、サニーは優しく引き起こす。
誰のせいだとおもってるのよっ!……とは言えない。
ダニエルはこみ上げてくる怒りと恨めしさを必死で抑えた。
近くでみればみるほど、サニーは太陽のように輝くオーラを放っている。
真ん中でわけた前髪を立たせ、毛先を少しカールしたようなオールバックの髪型。
アリャーリャ村では髭も生やし我儘でワイルドな印象だったのに、今じゃ童話の中の華美な王子様そのもの。
どうして彼がアル王子だと見抜けなかったんだろう。
白金の髪、紫の瞳ではないが、誰もが認める美丈夫に違いない。
彫像のように美しいし、噂通りの遊び人だったのに。
あぁ……これから何が起きるんだろう?
なんであたしは呼び出されたの?
昨夜の事も、アリャーリャ村での事も、なかったことにしたい。
ダニエルは死刑宣告を待つ大罪人の気持ちで、サニーの様子を窺った。
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