9 / 102
【06】タイムリミット ② ー休暇終了のお知らせですー
しおりを挟む
アリャーリャ村での最後の夜も、いつものようにあの酒場へ足を運んだ。
明日の早朝、軍船でこの島を出る手筈になっている。
つまりサニーを落とすには、今夜しかチャンスはないのである。
気合を入れ、持っている服の中で一番露出が高い、胸元が大きく開いたすけすけのブラウスを着た。
谷間が強調され、ダニエルのロケットのようなおっぱいに誰もが鼻の下を伸ばす。
それらを無視して、早く口説いて!とサニーへ視線を送る。
通じたのか、いつもよりもずっと早くサニーが話しかけてきた。
「コンバンワ。何飲んでるの?」
彼は今日も息をのむほどかっこいい。
「……ブランデー」
「へぇ、ブランデーが好きならあの銘柄も美味しいよ。一杯ご馳走させて」
酒、音楽、料理、近くの遊び場など、彼との会話は実に面白い。
どこで学んだのか博識で、色んな事を教えてくれる。
でも決して彼自身の事を明かさない。
そのずる賢さと、微妙なラインでプライベートに踏み込んでこないバランス感覚に、ダニエルは舌を巻いた。
ちゃんと一夜の遊びだってわきまえてるのよね。
遊びの線引きをする姿勢に好感度爆あがり。
お互い本気じゃありません、ってね。
「……なんかあった?」
「え?」
「んー、なんかいつもより元気ないように見えるから」
ゔ~ん!ダニエルは心の中で快感に震えた。
こういうところが、この男の憎いところだ。
遊びの関係でも、僅かな心の機微に気づいてくれる。
決して粗雑に扱ったりしない。
優しい言葉をかけ、自分が特別な女の子だと思わせてくれる。
この洞察力と見せかけの優しさで、どれほどの女性を堕としたのだろう。
よし、逆にメロメロにしてやる!
ダニエルがニッコリ微笑めば、男は野獣のような欲望を秘めた眼差しを返す。
二人の間に、濃密な情欲の火花が散った。
もういいよね?食べちゃっても。
ダニエルは会話の途中にも関わらず、奢ってもらったグラスを飲み干した。
そしてコツコツとハイヒールを鳴らして出口へと歩き出す。
背後から「え…」と戸惑うサニーの声が聞こえた。
いつもならこれでバイバイだが、今日は振り返り”追って来い”というように再度微笑む。
サニーは僅かに目を見開き、すぐに口角をひきあげ、悪い男の顔でニヤッと笑った。
追ってきたサニーは、磁石みたいにダニエルの背後へくっつく。
そして「どこへ行くの?」と妖しく囁いた。
ダニエルは振り返るように顔を上げ、彼の顎へと指先を伸ばす。
顎髭に触りながら「二人きりになれる場所へ連れてって」と囁き返す。
するとサニーの瞳の奥は蒼炎が如く燃え上がる。
冷静さを保ったまま欲望で心を燃やす様に、ダニエルの身も心も焦げてしまいそうだ。
ようやく彼を手に入れられた!!
ダニエルは嬉しくて、歓喜で舞い上がった。
明日の早朝、軍船でこの島を出る手筈になっている。
つまりサニーを落とすには、今夜しかチャンスはないのである。
気合を入れ、持っている服の中で一番露出が高い、胸元が大きく開いたすけすけのブラウスを着た。
谷間が強調され、ダニエルのロケットのようなおっぱいに誰もが鼻の下を伸ばす。
それらを無視して、早く口説いて!とサニーへ視線を送る。
通じたのか、いつもよりもずっと早くサニーが話しかけてきた。
「コンバンワ。何飲んでるの?」
彼は今日も息をのむほどかっこいい。
「……ブランデー」
「へぇ、ブランデーが好きならあの銘柄も美味しいよ。一杯ご馳走させて」
酒、音楽、料理、近くの遊び場など、彼との会話は実に面白い。
どこで学んだのか博識で、色んな事を教えてくれる。
でも決して彼自身の事を明かさない。
そのずる賢さと、微妙なラインでプライベートに踏み込んでこないバランス感覚に、ダニエルは舌を巻いた。
ちゃんと一夜の遊びだってわきまえてるのよね。
遊びの線引きをする姿勢に好感度爆あがり。
お互い本気じゃありません、ってね。
「……なんかあった?」
「え?」
「んー、なんかいつもより元気ないように見えるから」
ゔ~ん!ダニエルは心の中で快感に震えた。
こういうところが、この男の憎いところだ。
遊びの関係でも、僅かな心の機微に気づいてくれる。
決して粗雑に扱ったりしない。
優しい言葉をかけ、自分が特別な女の子だと思わせてくれる。
この洞察力と見せかけの優しさで、どれほどの女性を堕としたのだろう。
よし、逆にメロメロにしてやる!
ダニエルがニッコリ微笑めば、男は野獣のような欲望を秘めた眼差しを返す。
二人の間に、濃密な情欲の火花が散った。
もういいよね?食べちゃっても。
ダニエルは会話の途中にも関わらず、奢ってもらったグラスを飲み干した。
そしてコツコツとハイヒールを鳴らして出口へと歩き出す。
背後から「え…」と戸惑うサニーの声が聞こえた。
いつもならこれでバイバイだが、今日は振り返り”追って来い”というように再度微笑む。
サニーは僅かに目を見開き、すぐに口角をひきあげ、悪い男の顔でニヤッと笑った。
追ってきたサニーは、磁石みたいにダニエルの背後へくっつく。
そして「どこへ行くの?」と妖しく囁いた。
ダニエルは振り返るように顔を上げ、彼の顎へと指先を伸ばす。
顎髭に触りながら「二人きりになれる場所へ連れてって」と囁き返す。
するとサニーの瞳の奥は蒼炎が如く燃え上がる。
冷静さを保ったまま欲望で心を燃やす様に、ダニエルの身も心も焦げてしまいそうだ。
ようやく彼を手に入れられた!!
ダニエルは嬉しくて、歓喜で舞い上がった。
5
お気に入りに追加
223
あなたにおすすめの小説
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる