【完結】女王陛下、クビだけはご勘弁を 〜「できちゃった。責任とって」って、ソイツはヤリチン王子。できるはずがありません!!〜

アムロナオ

文字の大きさ
上 下
81 / 102

【54】感情の欠片 ② ー身体と心に鍵をかけてー

しおりを挟む
 二人の吐息がこもり、男の前髪がダニエルの頬をくすぐった。
 鼻先や睫毛がかすめるように肌の上を滑り、気がつくとダニエルはサニーの背中に腕を回し、彼の身体をひきよせていた。

 さらに強く唇をおしつけあい、互いの唇が自然とひらく。
 求め合うようにそれぞれの舌が絡み合った。
 息もできないほどのキスに、ダニエルの思考は消えていく。

「ディディ、俺のお姫様……どうしてほしい?キミのためなら、なんでもするよ」

 ダニエルは両手で彼の頬を包み込み、熱く潤んだ男の瞳をのぞき込んだ。
 自分のシルエットが浮かんだ彼の瞳。
 闇い牢獄じゃなくて、彼の心(ハート)に欲望の炎で縛りつけられたいの。

「……優しくエッチして。たくさん可愛がって」

 甘く囁いて、ダニエルは艶然えんぜんと微笑んだ。
 身体と心に鍵をかけてやるんだ。


 それができたかどうかは、わからない。
 だが情欲を煽るのには成功したようだ。

 サニーは自身の骨盤を上下させるように、筋肉を動かす。
 腹の奥に強い衝撃がほとばしり、ダニエルは全身を痙攣させた。

「あぁっ!、っあぁ!、っ!!、んふっ、んん!」

 喉からあがる悲鳴を、奥歯を噛み締め堪える。
 咄嗟に口を覆ったが、声が漏れてしまった。

 また膣奥を優しく撫でるように、肉棒が円を描く。
 お腹の奥が燃えるように熱く、かつジワっとぬめりを感じる。

 雄杭から溢れる快感の汁だろうか。
 膣奥に塗り広げられるような感覚に、ダニエルの隘路が悦び愛液を溢れさせる。


「ディディ……はぁ、きもちいいよ」

 愉悦に眉を歪めるサニーに、胸がキュンと締め付けられる。
 男はダニエルに頬ずりして、「ディディ、可愛いね。俺のお姫様」と囁く。

 可愛いのはサニーのほうだ、とは言わないでおく。
 代わりにダニエルはまなじりから涙をこぼした。

 もどかしい……熱くて、イキそうなのに、イケない。
 たぶんそれはサニーも同じかもしれない。
 思うように腰が振れなくて、四苦八苦してるように見えた。

「ディディ……はぁ!っ”!」

 互いの性器をこすり合わせる。
 のたうちまわる蛇みたいに、ダニエルとサニーは腰を捩り、息を殺し、身悶えながら絶頂を目指した。


 やがてダニエルの隘路全体がガクガクと振動を始める。
 徐々に頭が真っ白になり、絶頂へのラストスパートを駆け上っていった。

「搾りとら、れるっ……」

 サニーは低く呻き、荒い吐息を吐き出す。
 膣襞が蠕動ぜんどうし、肉棒を捏ね回した。

 それに呼応して、男の肉棒も根元からブルブルと震えだす。
 協奏曲コンチェルトのように、互いが互いのカイカンを引き出し合う瞬間が、たまらなく愛おしい。

 最後にグン!と最奥の壁を押し上げられ、ダニエルは目も眩む快楽の大波へと突き落とされる。
 同時にサニーの男根も戦慄わななき、彼は慌ててダニエルの身体を持ち上げた。

 ずっと埋まっていた肉棒がずるりと抜け、蜜壺からゴポッと蜂蜜と男女の体液が混ざった粘り気のある液体が垂れてくる。
 そこに精液が追加され、熱い子種が太腿を流れ落ちた。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

愛すべきマリア

志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。 学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。 家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。 早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。 頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。 その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。 体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。 しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。 他サイトでも掲載しています。 表紙は写真ACより転載しました。

身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】 妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

処理中です...