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【40】親衛隊 ② ーオティムポ・デ・アララーター
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サニーはイライラしながら二本の指を差し出し、ユージンはそこに煙草をのせ、マッチに火をつけた。
アリャーリャ村での朝。
寝たふりしてダニエルを見送ったのは、無理に引き止めても良い結果にならないのが目に見えていたからだ。
彼女はサニーに”次”なんて求めてなかった。
予想通り、彼女は後ろ髪ひかれる素振りなど一切なく、サニーを置いて村を去ってしまった。
やろうと思えば、無理矢理軍を辞めさせ、彼女を監禁することもできる。
快楽で調教すれば、いずれサニーから離れられなくなるだろう。
だが、人形がほしいわけじゃない。
心まで欲しい場合は、どうすればいい?
煙草の煙を吸い込み、サニーは逸る心を静めた。
「男は見つかったか?」
「付き合っている男の影はありませんでした。軍に入ってからも特定の男はいないそうです」
「おかしいな、心に決めた男がいるって感じだったのに……」
「マッキニー准尉は男爵令嬢ですよね。婚約者がいるのでは」
「カイルの言う通りだな。故郷に男を残してきているかもしれない。ユージン、そっちを探ってくれ」
「承知しました」
「身持ちが固いのか、緩いのか。わからない女性ですね、マッキニー准尉は」
カイルの言葉にサニーはうんうん頷き、ユージンは持論を展開する。
「身持ちが固ければ、殿下について行ったりしませんよ」
「しかし殿下だぞ……殿下ほどのいい男なら、クラッとくるのは仕方ないんじゃないか?」
「カイル!おまえは良くわかっているネ。昇進させてやろう」
サニーは可愛い後輩の肩を叩く。
ユージンとは別の意味でサニーに心酔している彼は、褒められて嬉しそうだ……表情は全く変わらない鉄仮面だが。
「いいえ!彼女は以前から定期的に男遊びを繰り返しているんです。娼婦とまではいきませんが、中々のプレイガールですよ」
男を誘うような目つき。
どうすれば男を墜とせるか、彼女は知っていた。
口説かれて嬉しそうに微笑む様子。
それらから遊び慣れているのは知っていたが、いざ事実をつきつけられると肩を落としたくなる。
しょんぼりしたサニーに、ユージンは追撃を緩めない。
「殿下も適度に遊び慣れた、あと腐れない女性が好みだったではありませんか!」
その通りだから、ぐうの音もでない。
が、主人をここまで落ち込ませるなんて。
オトコゴコロは硝子のハートなのヨ。
もっと労ってくれてもいいじゃないか。
「でも安心してください、殿下。此方に戻ってからは、男遊びはしてませんよ」
ユージンの報告に、サニーはわずかに元気になった
ドキドキと期待が募る。
「きっと俺の事が忘れられないんだな……」
ディディとの熱烈なキスの感触が蘇ってきて、サニーは唇を摩った。
「いえ、殿下がヤリ殺したせいで、オィムポが要らないだけかと」
カイルが「ぐふッ!」と噎せる。
サニーもずっこけそうになった。
「おい、なんだよそのヌルッとした言い方。はっきり言えよ、チンポって!」
「この方が、優雅かと思いまして。料理名にありそうでしょう。オティムポ・デ・アララータみたいな……」
「そんな料理、いらねーー!」
サニーのつっこみに、カイルは口元を隠して忍び笑う。
ユージンは彼を笑わせたことに満足して、唇で弧をえがいた。
これではなんの話をしていたんだか……脱線しまくりで、先に進まない。
仕方なくサニーは、「とにかく穏便にコトを運びたい。無理強いはなしの方向で」と締めくくった。
アリャーリャ村での朝。
寝たふりしてダニエルを見送ったのは、無理に引き止めても良い結果にならないのが目に見えていたからだ。
彼女はサニーに”次”なんて求めてなかった。
予想通り、彼女は後ろ髪ひかれる素振りなど一切なく、サニーを置いて村を去ってしまった。
やろうと思えば、無理矢理軍を辞めさせ、彼女を監禁することもできる。
快楽で調教すれば、いずれサニーから離れられなくなるだろう。
だが、人形がほしいわけじゃない。
心まで欲しい場合は、どうすればいい?
煙草の煙を吸い込み、サニーは逸る心を静めた。
「男は見つかったか?」
「付き合っている男の影はありませんでした。軍に入ってからも特定の男はいないそうです」
「おかしいな、心に決めた男がいるって感じだったのに……」
「マッキニー准尉は男爵令嬢ですよね。婚約者がいるのでは」
「カイルの言う通りだな。故郷に男を残してきているかもしれない。ユージン、そっちを探ってくれ」
「承知しました」
「身持ちが固いのか、緩いのか。わからない女性ですね、マッキニー准尉は」
カイルの言葉にサニーはうんうん頷き、ユージンは持論を展開する。
「身持ちが固ければ、殿下について行ったりしませんよ」
「しかし殿下だぞ……殿下ほどのいい男なら、クラッとくるのは仕方ないんじゃないか?」
「カイル!おまえは良くわかっているネ。昇進させてやろう」
サニーは可愛い後輩の肩を叩く。
ユージンとは別の意味でサニーに心酔している彼は、褒められて嬉しそうだ……表情は全く変わらない鉄仮面だが。
「いいえ!彼女は以前から定期的に男遊びを繰り返しているんです。娼婦とまではいきませんが、中々のプレイガールですよ」
男を誘うような目つき。
どうすれば男を墜とせるか、彼女は知っていた。
口説かれて嬉しそうに微笑む様子。
それらから遊び慣れているのは知っていたが、いざ事実をつきつけられると肩を落としたくなる。
しょんぼりしたサニーに、ユージンは追撃を緩めない。
「殿下も適度に遊び慣れた、あと腐れない女性が好みだったではありませんか!」
その通りだから、ぐうの音もでない。
が、主人をここまで落ち込ませるなんて。
オトコゴコロは硝子のハートなのヨ。
もっと労ってくれてもいいじゃないか。
「でも安心してください、殿下。此方に戻ってからは、男遊びはしてませんよ」
ユージンの報告に、サニーはわずかに元気になった
ドキドキと期待が募る。
「きっと俺の事が忘れられないんだな……」
ディディとの熱烈なキスの感触が蘇ってきて、サニーは唇を摩った。
「いえ、殿下がヤリ殺したせいで、オィムポが要らないだけかと」
カイルが「ぐふッ!」と噎せる。
サニーもずっこけそうになった。
「おい、なんだよそのヌルッとした言い方。はっきり言えよ、チンポって!」
「この方が、優雅かと思いまして。料理名にありそうでしょう。オティムポ・デ・アララータみたいな……」
「そんな料理、いらねーー!」
サニーのつっこみに、カイルは口元を隠して忍び笑う。
ユージンは彼を笑わせたことに満足して、唇で弧をえがいた。
これではなんの話をしていたんだか……脱線しまくりで、先に進まない。
仕方なくサニーは、「とにかく穏便にコトを運びたい。無理強いはなしの方向で」と締めくくった。
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