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【27】帰宅 ① ー我が家が一番ー
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ダニエルはほぼ丸一日を船室で寝て過ごし、夜には港町ロッペンに辿り着いた。
ロッペンはアリャーリャ村に比べると、大都市だ。
蒸気機関車の駅があるし、街灯も上下水道も整備されている。
観光したい気持ちをぐっと抑えダニエルは駅へと向かう。
窓口で首都セーラスまでの切符を買った。
ここからは二日間、列車の旅だ。
ダニエルはウキウキと一等車の扉を開いた。
もともと二等車の切符を購入したのだが、席が空いているそうで、無料で一等車にアップグレードしてもらえた。
なんてラッキーなのっ!
そういえば、船でも似たようなことがあったなぁ。
雑魚寝用の船室しかないと聞いていたが、親切な軍医さんが医務室のベッドを貸してくれたのだ。
腰と股関節、それに股がひりひりして痛かったので、ベッドに横になれたのは、本当にありがたかった。
おかげで寝すぎてしまい、楽しみにしていた船上からの景色を見逃したが。
一等車の個室は木製のベンチに薄いマットレス、カーテンで区切っただけの簡易なもの。
しかし丸々ひとつ木製ベンチを使えるのは嬉しい。
二等車だと二人で一つ、座ったまま数日過ごさねばならないので、今のこの身体にはキツかっただろう。
幸運って続くものね。
ダニエルはアップグレードしてくれた親切な駅員さんに、深く感謝した。
シーツを敷いてベッドメイキングを終え横になると、睡魔が襲ってくる。
やはりまだ身体のダメージが抜けていないのだろう。
どれだけヤッたんだよ、サニーの絶倫野郎。
もうしばらく、おちんちんはいいや。
機関車が発車する前に、ダニエルは眠りへと落ちていった。
ーーーディディ、俺のお姫様
「ーーーっ!!」
名前を呼ばれた気がして、ダニエルは目を覚ます。
飛び起きたと言った方が正しいかもしれない。
心臓がバクバク動悸し、背筋にヒンヤリ汗が滲む。
寝静まった暗い室内。
カーテンが蒸気機関車に合わせて揺れている。
眠る前となんら変わらない様子に、ダニエルは止めた息を吐き出した。
サニーの声がハッキリ聞こえた気がした。
耳に毒を流し込まれるような、艶っぽい生々しい声。
それがリアルに脳内で再生され、二の腕に鳥肌が立つ。
まさか……そんなまさか!
彼が近くにいるなんてこと、あるわけない。
ダニエルは馬鹿な考えを持った自分を一蹴した。
最高のセックスだったから、強烈に記憶に焼き付いているだけだ。
ダニエルは頭を両膝に埋め、抱き締めるように強く自分の肩を握った。
定刻通り、蒸気機関車は翌日の夕方、首都セーレスに到着した。
駅の構内、駅前の噴水広場は人で溢れ、赤と黄色のパラソルを開いた露天売り、靴磨きの少年、花籠を手にした少女など、色んな事情を抱えた様々な人々が行き交う。
ダニエルは人波を抜け、停留所で馬車をつかまえヴァリカレー宮殿まで走らせた。
馬車の車窓から、見慣れた首都セーレスの街並みをぼんやり眺める。
十年前、ダニエルが上京してきた時は、それはそれはすごい場所に来てしまったと感動したものだ。
ロッペンはアリャーリャ村に比べると、大都市だ。
蒸気機関車の駅があるし、街灯も上下水道も整備されている。
観光したい気持ちをぐっと抑えダニエルは駅へと向かう。
窓口で首都セーラスまでの切符を買った。
ここからは二日間、列車の旅だ。
ダニエルはウキウキと一等車の扉を開いた。
もともと二等車の切符を購入したのだが、席が空いているそうで、無料で一等車にアップグレードしてもらえた。
なんてラッキーなのっ!
そういえば、船でも似たようなことがあったなぁ。
雑魚寝用の船室しかないと聞いていたが、親切な軍医さんが医務室のベッドを貸してくれたのだ。
腰と股関節、それに股がひりひりして痛かったので、ベッドに横になれたのは、本当にありがたかった。
おかげで寝すぎてしまい、楽しみにしていた船上からの景色を見逃したが。
一等車の個室は木製のベンチに薄いマットレス、カーテンで区切っただけの簡易なもの。
しかし丸々ひとつ木製ベンチを使えるのは嬉しい。
二等車だと二人で一つ、座ったまま数日過ごさねばならないので、今のこの身体にはキツかっただろう。
幸運って続くものね。
ダニエルはアップグレードしてくれた親切な駅員さんに、深く感謝した。
シーツを敷いてベッドメイキングを終え横になると、睡魔が襲ってくる。
やはりまだ身体のダメージが抜けていないのだろう。
どれだけヤッたんだよ、サニーの絶倫野郎。
もうしばらく、おちんちんはいいや。
機関車が発車する前に、ダニエルは眠りへと落ちていった。
ーーーディディ、俺のお姫様
「ーーーっ!!」
名前を呼ばれた気がして、ダニエルは目を覚ます。
飛び起きたと言った方が正しいかもしれない。
心臓がバクバク動悸し、背筋にヒンヤリ汗が滲む。
寝静まった暗い室内。
カーテンが蒸気機関車に合わせて揺れている。
眠る前となんら変わらない様子に、ダニエルは止めた息を吐き出した。
サニーの声がハッキリ聞こえた気がした。
耳に毒を流し込まれるような、艶っぽい生々しい声。
それがリアルに脳内で再生され、二の腕に鳥肌が立つ。
まさか……そんなまさか!
彼が近くにいるなんてこと、あるわけない。
ダニエルは馬鹿な考えを持った自分を一蹴した。
最高のセックスだったから、強烈に記憶に焼き付いているだけだ。
ダニエルは頭を両膝に埋め、抱き締めるように強く自分の肩を握った。
定刻通り、蒸気機関車は翌日の夕方、首都セーレスに到着した。
駅の構内、駅前の噴水広場は人で溢れ、赤と黄色のパラソルを開いた露天売り、靴磨きの少年、花籠を手にした少女など、色んな事情を抱えた様々な人々が行き交う。
ダニエルは人波を抜け、停留所で馬車をつかまえヴァリカレー宮殿まで走らせた。
馬車の車窓から、見慣れた首都セーレスの街並みをぼんやり眺める。
十年前、ダニエルが上京してきた時は、それはそれはすごい場所に来てしまったと感動したものだ。
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