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1章
思い出と挑戦
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俺がAtoに出場しようと思ったきっかけは8歳のときに初めて見たAtoの試合を見た時だ。
そのときの優勝者は「タイム・ルール」という人だ。12年たった今でも鮮明に覚えている。
能力は『時間を止める』能力だ。そのときの戦いはとにかく凄まじかった。言葉で言い表せないほどの。
見事にタイムは神の国へと行った。
俺が11歳のときは「ノア・メンテ」という女性が優勝した。Atoでは女性が優勝するのはとても珍しい。10人いたら1人いるかどうかの割合だ。彼女の能力は『自分の血を操る』能力だった気がする。
この能力は俺が見てきた中で一番強かった印象だ。彼女はいつも自分の指を歯で噛むとその一瞬でその相手を血で覆いつくした。3回戦目で傷を負ったが自分の血の流れをを変えたのかすぐに出血が止まった。まぁ話すまでもないが余裕で優勝した。
13歳から19歳まで故郷の「ルビー」に帰っていたから今までその2つの試合しか見ていない。久しぶりの「ミカツキ」だ。俺がAtoに出場しようとした決定的なきっかけは子供のころに30代半ばの見知らぬおじさんから
「Atoで優勝したら王様になれるよ。」
というような会話で男心に火が付いたからだ。何故か分からないがそのおじさんは俺をとてもかわいがってくれたのを覚えている。気づいたら家のベットで寝ていたからその後は分からない。
Atoは第1回戦目から3回戦目まで1:1で4回戦目から4:4のチーム戦。そして5回戦目は約30人の中から6人になるまでの個人戦。6回戦目は1:1:1で最後の決勝、7回戦目は1:1のタイマンだ。
Atoに出場するにはロボットと戦って勝つ必要がある。Ato出場者からは「選抜ロボット」と呼ばれている。そのロボットは見たこともないような金属で覆われている。前に『触れた金属を分解する』という能力者がいて選抜ロボットに触り分解しようとしたが…できなかったらしい。
純正の鉄のボールとかは分解できず刀とかは金属が混ざっているから分解できる…。つまり選抜ロボットは1つの金属で出来ているか、能力で作られているかのどちらかだ。…という言い伝えというか噂が毎回待機所での選手の間で交わされる。
Atoでの参加申し込みの日、俺は能力を書いた。
「『時間を巻き戻す能力』っと。」
この能力が反則にならないのかなと思いつつも申し込んだ。
この世界に不思議なことに同じ能力の人はいない。いたとしても既に死んでいる人と被った。という感じだ。
能力を仕事に使う人もいるし、趣味で使う人もいる。
俺は……使うとしたら株にかな。ギャンブルはあのリングを付けられた状態でするから使おうにも使えない。まぁ俺はやり終わったあとに使えば何回でも挑戦できるけどな。
選抜ロボットとの対戦は1ヶ月後に決まった。それに向けて能力の特訓をちまちまと始めた。
練習をしていたらあることに気がついた。それは時間が戻っても自分の姿は変わらないということ。いいことでもあるが悪いことでもある。まず、いいことは過去に好きなものを持っていけること。何かトラブルがあった後にそれを阻止できるものを持っていけば防げるかもしれない。
そして悪いことは怪我をしたときにそのまま怪我が残るということ。そのときは臨機応変に動かなければならない。
最大の弱点は使いすぎるとどんどん年をとっていくということ。同じ時間に過ごしていても他の人と1年ぐらい同じ場面を繰り返すことがあるからちゃんと使うときだけにしなければならない。よくよく考えてみると面倒な能力だ。
1ヶ月後
今日は選抜ロボットとの戦いの日だ。
大きなスタジアムに満杯ほどの人がいる。実に35412人だ。これから500人が選ばれるのだから今回の選抜は厳しいものとなるだろう。
一人一人呼ばれていき、順々と通路に入っていく。
「ファリム・バード様。通路にお越しください。」
きた!!
ついに選抜ロボットとの戦いだ。
キィィィと門が開き、人型ロボットが歩いてきた。
プーッとブザーが鳴り、戦いが始まった。
いきなりロボットの腕が振り落とされ、反射的に避けたが今さっきまでいた場所の地面が粉々にすり潰された。
「は!?そんなのありかよ!!」
機械音が部屋中に響き渡りロボットの脚で蹴られようとした。
「ッぶねー」
……?ロボットがクルッと1回転したときに後ろの首元に赤いスイッチが見えた。
「もしかして……」
俺はそのスイッチが勝利の道であることを信じてロボットが入ってきた入口の門のところへ行った。もちろん腕を振り回され、殺されそうになった。ロボットに察されたのか俺を掴もうとズカズカと走ってくる。
「残念だったな。」
能力発動
目の前にロボットが現れ、そして赤いスイッチが見えた。
思ったより高い。急いで俺はジャンプし………スイッチを押した。
そのときの優勝者は「タイム・ルール」という人だ。12年たった今でも鮮明に覚えている。
能力は『時間を止める』能力だ。そのときの戦いはとにかく凄まじかった。言葉で言い表せないほどの。
見事にタイムは神の国へと行った。
俺が11歳のときは「ノア・メンテ」という女性が優勝した。Atoでは女性が優勝するのはとても珍しい。10人いたら1人いるかどうかの割合だ。彼女の能力は『自分の血を操る』能力だった気がする。
この能力は俺が見てきた中で一番強かった印象だ。彼女はいつも自分の指を歯で噛むとその一瞬でその相手を血で覆いつくした。3回戦目で傷を負ったが自分の血の流れをを変えたのかすぐに出血が止まった。まぁ話すまでもないが余裕で優勝した。
13歳から19歳まで故郷の「ルビー」に帰っていたから今までその2つの試合しか見ていない。久しぶりの「ミカツキ」だ。俺がAtoに出場しようとした決定的なきっかけは子供のころに30代半ばの見知らぬおじさんから
「Atoで優勝したら王様になれるよ。」
というような会話で男心に火が付いたからだ。何故か分からないがそのおじさんは俺をとてもかわいがってくれたのを覚えている。気づいたら家のベットで寝ていたからその後は分からない。
Atoは第1回戦目から3回戦目まで1:1で4回戦目から4:4のチーム戦。そして5回戦目は約30人の中から6人になるまでの個人戦。6回戦目は1:1:1で最後の決勝、7回戦目は1:1のタイマンだ。
Atoに出場するにはロボットと戦って勝つ必要がある。Ato出場者からは「選抜ロボット」と呼ばれている。そのロボットは見たこともないような金属で覆われている。前に『触れた金属を分解する』という能力者がいて選抜ロボットに触り分解しようとしたが…できなかったらしい。
純正の鉄のボールとかは分解できず刀とかは金属が混ざっているから分解できる…。つまり選抜ロボットは1つの金属で出来ているか、能力で作られているかのどちらかだ。…という言い伝えというか噂が毎回待機所での選手の間で交わされる。
Atoでの参加申し込みの日、俺は能力を書いた。
「『時間を巻き戻す能力』っと。」
この能力が反則にならないのかなと思いつつも申し込んだ。
この世界に不思議なことに同じ能力の人はいない。いたとしても既に死んでいる人と被った。という感じだ。
能力を仕事に使う人もいるし、趣味で使う人もいる。
俺は……使うとしたら株にかな。ギャンブルはあのリングを付けられた状態でするから使おうにも使えない。まぁ俺はやり終わったあとに使えば何回でも挑戦できるけどな。
選抜ロボットとの対戦は1ヶ月後に決まった。それに向けて能力の特訓をちまちまと始めた。
練習をしていたらあることに気がついた。それは時間が戻っても自分の姿は変わらないということ。いいことでもあるが悪いことでもある。まず、いいことは過去に好きなものを持っていけること。何かトラブルがあった後にそれを阻止できるものを持っていけば防げるかもしれない。
そして悪いことは怪我をしたときにそのまま怪我が残るということ。そのときは臨機応変に動かなければならない。
最大の弱点は使いすぎるとどんどん年をとっていくということ。同じ時間に過ごしていても他の人と1年ぐらい同じ場面を繰り返すことがあるからちゃんと使うときだけにしなければならない。よくよく考えてみると面倒な能力だ。
1ヶ月後
今日は選抜ロボットとの戦いの日だ。
大きなスタジアムに満杯ほどの人がいる。実に35412人だ。これから500人が選ばれるのだから今回の選抜は厳しいものとなるだろう。
一人一人呼ばれていき、順々と通路に入っていく。
「ファリム・バード様。通路にお越しください。」
きた!!
ついに選抜ロボットとの戦いだ。
キィィィと門が開き、人型ロボットが歩いてきた。
プーッとブザーが鳴り、戦いが始まった。
いきなりロボットの腕が振り落とされ、反射的に避けたが今さっきまでいた場所の地面が粉々にすり潰された。
「は!?そんなのありかよ!!」
機械音が部屋中に響き渡りロボットの脚で蹴られようとした。
「ッぶねー」
……?ロボットがクルッと1回転したときに後ろの首元に赤いスイッチが見えた。
「もしかして……」
俺はそのスイッチが勝利の道であることを信じてロボットが入ってきた入口の門のところへ行った。もちろん腕を振り回され、殺されそうになった。ロボットに察されたのか俺を掴もうとズカズカと走ってくる。
「残念だったな。」
能力発動
目の前にロボットが現れ、そして赤いスイッチが見えた。
思ったより高い。急いで俺はジャンプし………スイッチを押した。
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