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消えて産まれる編
立ち向かう『人』前編
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雨が降り始めてきた、俺とヤエは病院の駐車場で待機していた。いつでも走り出せる様に、原付のエンジンをかけたままにしてある。
「ごめんね天気までは、どうしても変えられないのよ」
「まあ? 終わった時に晴れてれば良いよ」
「怖いのね?」
俺の左手を握る。
「やさしいんだなヤエは……」
「私だけじゃないわ、ヒエも感じているはずよ」
「それにほら」
塚田さんと鷲尾さんが立っていた
「二人は待機で……」
「今回だけはついて行きますよ」
「俺はついでだな! 八神よお前、俺に言ったよな。ここまで見ちまったんだ、もう後戻りできねぇってよ」
二人の目は真剣だ、どうする? これで呪いの連鎖は止められるのか? 誰かを憎んで憎まれる。少なからず生きていれば、誰の心にも生まれる感情だ。そんな連鎖は、何処かで断ち切る必要がある。例えどんな形であれ産まれた『呪い』だけは完全に消滅させる必要がある。
「頼むよ鷲尾さん、塚田さん、俺に力を貸して下さい」
原付から降りて頭を下げる。
「ええ!」
「おうよ! 今日は原付の速度制限破って良いぞ。俺が特別に許可してやる!」
俺は頷く
「じゃあ鷲尾さんと塚田さんは、車で付いてきてください」
原付に跨ると塚田さんが話しかけてきた
「ちょっと待って下さい八神さん」
「何ですか?」
「前にも聞きましたね?改めて聞きます、覚悟は出来ていますか?」
「俺は出来ています!」
作戦開始だ、これが最後になるようにと、ヒエとヤエに祈った
「「あなた達と私達で終わらせましょう」」
「ヒエ! 頼む!」
そう伝えた
「任せて!」
数分もしない内にヤエが『呪い』を感知する。
「行くわよ健!」
すぐさまにアクセルを全開にして、ヤエを追いかける。後ろから鷲尾さんの車が続く、見覚えのある道を走り抜ける。ヤエは『呪い』を感知しつつ、俺達が追いやすい道をナビゲートしてくれる。本町を抜けて村松の方へ向かう、そのまま農道を走り抜け土手沿いの道へと向かう。この道は……この前のあそこかっ! アクセルをさらに回す。ヤエがそれに合わせて速度を上げる、この道ならもう対向車の心配はない、鷲尾さん達もついてきてる。
河川敷公園についた、今回の件はここから始まった。駐車場で鷲尾さんと塚田さんに合流する。ヒエも追い付いてきた、俺は全員に告げた。
「反論するなよ?ここからは俺一人で先に行く、鷲尾さんと塚田さんは様子を窺いつつ後から来てくれ。その後は各々の判断で行動してくれ、取り敢えず彼女と話し合って見るけどな」
「ヒエとヤエはもういいな?『呪い』が顕現するまで待機」
いつもの様に深呼吸を一つして……
じゃあ行くとするか! 全員に向けて親指を立てた。
「こんばんわ、いい夜だね。学生がこんな所に一人じゃ、危なくないかなぁ!?」
大声で話しかける。空は晴れていた
「わざわざ来てくれるなんてね、丁度今準備が出来たの」
「なぁどうせなら教えてくれよ。どうやって俺の顔とか調べたんだよ」
「馬鹿ね、自分から私の前に晒したことすら分からないの?」
「ひどくね自分ばっかりさ、オジサン馬鹿だから最後に教えて?」
「この公園に、ノコノコ間抜けヅラして来たじゃない。道具貸してあげたじゃない」
「あの時バーベキューしてた奴らの中に居たのか」
「ええ」
「流石に無理がないか? 俺がいつ来るかなんて分からないだろ」
「でも来たじゃないオジサマ」
「目的は何だ?」
「わかってるくせに。オジサマは私の家族を無茶苦茶にしてくれたじゃない」
「違うだろ、引っ込んで無いで出て来いよクソジジイ!!」
三角剣を突き付ける。
茉希の影が立ち上がった、そして目を開けて俺を見る
「いつから気付いていた?」
「教えねぇよ!!」
気付いたのは、千秋が病院に運ばれた後だった。その時ヒエが『呪い』が千秋だけだって言った事から、おかしいと思っていた。本来なら呪われて居なければおかしい人物。まぁ自信が無かったから言わないけど!!
「そういう訳でさ。さっさと茉希ちゃん開放しな!」
「そうは行かんな、私の大事な孫娘だ渡せんて」
「さぁ茉希あいつが、お爺ちゃんとお父さんを不幸にした人間だよ」
「だからねオジサマには死んで欲しいの?」
「俺を殺したとして、その後どうするつもりだよ?」
「さぁ?」
「茉希やもう良いだろう、そいつをころ……」
「グフッ」
茉希の手が影を貫く、影は信じられないという表情を浮かべているようだ。
「まっ茉希何で!」
「お爺ちゃん!力を分けてくれてありがとう! お陰でワタシはこんなにも人を傷つける力を手に入れたわ」
「このままこの街のニンゲン皆殺しよ、オジイチャン言ってたよね、復讐したいって」
「ダカラ」
「ワタシに任せて喰われなさい」
「ちがうそうじゃないまっ」
「イタダキマス」
目の前で影を喰らうコイツはもう、茉希という人間じゃない。
「ゴチソウサマそれじゃオジサマ死んで下さい?」
無数の影を作り上げる。
「さあミンナでコロして喰らおう!」
一斉に向かってくる
「ヒエ! ヤエ!」
二人の女神が姿を表し、その身を輝かせながら影を消していく。
「ムダよ」
さらに影を増やす
「鷲尾さん!」
「よっしゃ! 全部やって良いんだな?」
「そりゃ無茶でしょ!」
「泣き言を言うな!」
三角剣を握りしめ俺は、影を切り捨てながら茉希の元へ向かう。だが数が多い、それに近付くにつれて影が強くなって行く。嘘だろこっちには女神が付いているんだぞ。ん? 待てよ
「ヒエ、ヤエ光を止めて!」
「何でよ!」
「逆なんだよ! お前たちが光れば影ってもんは、どうしても出来ちゃうでしょうがあああ!」
だから茉希は言ったんだろうムダと。光が収まっていくと影たちの力が弱まった。
「待ってろそこで!!」
俺は駆け出した、横には鷲尾さんが来てくれた。
「おう! 軟弱だな」
「おう! 軟弱だよ、だから助けてよ!」
「わかってるよ! ほら行け!」
茉希まで後一歩だが、減ったとはいえまだ数は多い。闇雲に斬りつける、押し切れない後一歩なのに!
「さあクワレロ」
影に完全に囲まれる。
「それでも、全て蹴散らして行ってやる! だから邪魔だああああ!」
突撃をしかけたとき、影が消滅した。
「!?」
「八神さん! 今のうちに!」
塚田さんが結界を張ってくれたらしい。茉希も巻き込んでいた。
「ぐjっfhgfっgっっはああああああ!」
茉希が苦しんでいる。今刺し貫けば終わる!
三角剣を突き立てようとした瞬間、結界が弾き飛ばされた。
「えっ!?」
俺も吹き飛ばされていた、そのまま地面に叩き付けられる
「ぐあっ!」
背中の傷が開いたようだ、打ち付けられた痛みと斬られた傷の痛みでのたうち回る。
「オマエラよくもヨクモコノわたしにいいい」
自身で産み出した影と空気が茉希へと向かって集まって行く
「おきろ!」
鷲尾さんが手を伸ばす、見ると手がボロボロになっている。もうこんなに……
「俺は良い! 塚田さんがさっきの反動で心配だからそっちへ!」
「おう! 任せな」
ヤバいなこれってもしかして……
「グゥおおおおヲヲゥウウ」
第2ラウンドってか
「ごめんね天気までは、どうしても変えられないのよ」
「まあ? 終わった時に晴れてれば良いよ」
「怖いのね?」
俺の左手を握る。
「やさしいんだなヤエは……」
「私だけじゃないわ、ヒエも感じているはずよ」
「それにほら」
塚田さんと鷲尾さんが立っていた
「二人は待機で……」
「今回だけはついて行きますよ」
「俺はついでだな! 八神よお前、俺に言ったよな。ここまで見ちまったんだ、もう後戻りできねぇってよ」
二人の目は真剣だ、どうする? これで呪いの連鎖は止められるのか? 誰かを憎んで憎まれる。少なからず生きていれば、誰の心にも生まれる感情だ。そんな連鎖は、何処かで断ち切る必要がある。例えどんな形であれ産まれた『呪い』だけは完全に消滅させる必要がある。
「頼むよ鷲尾さん、塚田さん、俺に力を貸して下さい」
原付から降りて頭を下げる。
「ええ!」
「おうよ! 今日は原付の速度制限破って良いぞ。俺が特別に許可してやる!」
俺は頷く
「じゃあ鷲尾さんと塚田さんは、車で付いてきてください」
原付に跨ると塚田さんが話しかけてきた
「ちょっと待って下さい八神さん」
「何ですか?」
「前にも聞きましたね?改めて聞きます、覚悟は出来ていますか?」
「俺は出来ています!」
作戦開始だ、これが最後になるようにと、ヒエとヤエに祈った
「「あなた達と私達で終わらせましょう」」
「ヒエ! 頼む!」
そう伝えた
「任せて!」
数分もしない内にヤエが『呪い』を感知する。
「行くわよ健!」
すぐさまにアクセルを全開にして、ヤエを追いかける。後ろから鷲尾さんの車が続く、見覚えのある道を走り抜ける。ヤエは『呪い』を感知しつつ、俺達が追いやすい道をナビゲートしてくれる。本町を抜けて村松の方へ向かう、そのまま農道を走り抜け土手沿いの道へと向かう。この道は……この前のあそこかっ! アクセルをさらに回す。ヤエがそれに合わせて速度を上げる、この道ならもう対向車の心配はない、鷲尾さん達もついてきてる。
河川敷公園についた、今回の件はここから始まった。駐車場で鷲尾さんと塚田さんに合流する。ヒエも追い付いてきた、俺は全員に告げた。
「反論するなよ?ここからは俺一人で先に行く、鷲尾さんと塚田さんは様子を窺いつつ後から来てくれ。その後は各々の判断で行動してくれ、取り敢えず彼女と話し合って見るけどな」
「ヒエとヤエはもういいな?『呪い』が顕現するまで待機」
いつもの様に深呼吸を一つして……
じゃあ行くとするか! 全員に向けて親指を立てた。
「こんばんわ、いい夜だね。学生がこんな所に一人じゃ、危なくないかなぁ!?」
大声で話しかける。空は晴れていた
「わざわざ来てくれるなんてね、丁度今準備が出来たの」
「なぁどうせなら教えてくれよ。どうやって俺の顔とか調べたんだよ」
「馬鹿ね、自分から私の前に晒したことすら分からないの?」
「ひどくね自分ばっかりさ、オジサン馬鹿だから最後に教えて?」
「この公園に、ノコノコ間抜けヅラして来たじゃない。道具貸してあげたじゃない」
「あの時バーベキューしてた奴らの中に居たのか」
「ええ」
「流石に無理がないか? 俺がいつ来るかなんて分からないだろ」
「でも来たじゃないオジサマ」
「目的は何だ?」
「わかってるくせに。オジサマは私の家族を無茶苦茶にしてくれたじゃない」
「違うだろ、引っ込んで無いで出て来いよクソジジイ!!」
三角剣を突き付ける。
茉希の影が立ち上がった、そして目を開けて俺を見る
「いつから気付いていた?」
「教えねぇよ!!」
気付いたのは、千秋が病院に運ばれた後だった。その時ヒエが『呪い』が千秋だけだって言った事から、おかしいと思っていた。本来なら呪われて居なければおかしい人物。まぁ自信が無かったから言わないけど!!
「そういう訳でさ。さっさと茉希ちゃん開放しな!」
「そうは行かんな、私の大事な孫娘だ渡せんて」
「さぁ茉希あいつが、お爺ちゃんとお父さんを不幸にした人間だよ」
「だからねオジサマには死んで欲しいの?」
「俺を殺したとして、その後どうするつもりだよ?」
「さぁ?」
「茉希やもう良いだろう、そいつをころ……」
「グフッ」
茉希の手が影を貫く、影は信じられないという表情を浮かべているようだ。
「まっ茉希何で!」
「お爺ちゃん!力を分けてくれてありがとう! お陰でワタシはこんなにも人を傷つける力を手に入れたわ」
「このままこの街のニンゲン皆殺しよ、オジイチャン言ってたよね、復讐したいって」
「ダカラ」
「ワタシに任せて喰われなさい」
「ちがうそうじゃないまっ」
「イタダキマス」
目の前で影を喰らうコイツはもう、茉希という人間じゃない。
「ゴチソウサマそれじゃオジサマ死んで下さい?」
無数の影を作り上げる。
「さあミンナでコロして喰らおう!」
一斉に向かってくる
「ヒエ! ヤエ!」
二人の女神が姿を表し、その身を輝かせながら影を消していく。
「ムダよ」
さらに影を増やす
「鷲尾さん!」
「よっしゃ! 全部やって良いんだな?」
「そりゃ無茶でしょ!」
「泣き言を言うな!」
三角剣を握りしめ俺は、影を切り捨てながら茉希の元へ向かう。だが数が多い、それに近付くにつれて影が強くなって行く。嘘だろこっちには女神が付いているんだぞ。ん? 待てよ
「ヒエ、ヤエ光を止めて!」
「何でよ!」
「逆なんだよ! お前たちが光れば影ってもんは、どうしても出来ちゃうでしょうがあああ!」
だから茉希は言ったんだろうムダと。光が収まっていくと影たちの力が弱まった。
「待ってろそこで!!」
俺は駆け出した、横には鷲尾さんが来てくれた。
「おう! 軟弱だな」
「おう! 軟弱だよ、だから助けてよ!」
「わかってるよ! ほら行け!」
茉希まで後一歩だが、減ったとはいえまだ数は多い。闇雲に斬りつける、押し切れない後一歩なのに!
「さあクワレロ」
影に完全に囲まれる。
「それでも、全て蹴散らして行ってやる! だから邪魔だああああ!」
突撃をしかけたとき、影が消滅した。
「!?」
「八神さん! 今のうちに!」
塚田さんが結界を張ってくれたらしい。茉希も巻き込んでいた。
「ぐjっfhgfっgっっはああああああ!」
茉希が苦しんでいる。今刺し貫けば終わる!
三角剣を突き立てようとした瞬間、結界が弾き飛ばされた。
「えっ!?」
俺も吹き飛ばされていた、そのまま地面に叩き付けられる
「ぐあっ!」
背中の傷が開いたようだ、打ち付けられた痛みと斬られた傷の痛みでのたうち回る。
「オマエラよくもヨクモコノわたしにいいい」
自身で産み出した影と空気が茉希へと向かって集まって行く
「おきろ!」
鷲尾さんが手を伸ばす、見ると手がボロボロになっている。もうこんなに……
「俺は良い! 塚田さんがさっきの反動で心配だからそっちへ!」
「おう! 任せな」
ヤバいなこれってもしかして……
「グゥおおおおヲヲゥウウ」
第2ラウンドってか
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