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天界決戦編

Road to dawn 燃ゆる剣

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「これからヤガミさん抹殺を命じた神とそれに使える者達の名前を伝えます」
「覚悟は出来てますか?」
 まさか……でも久し振りに聞いたなその言葉、懐かしい1番最初に聞いたのは塚田さんからだったっけ、無事だろうか?
「師匠?」
「あぁ! 大丈夫だ教えてくれ」
「落ち着いて聞いてください、命じたのは心を司る神『アムト』天界の代理統括者です」
「他に居るんだよな、さっきの話じゃさ」
「はい……智慧を司る『グルマ』、力を司る『ガジャ』、戦女神『ハヤデ』の4柱です」
「ちょっと待て! ハヤデって大女神様じゃないか!」
 なんてこった、少しだけ希望が消えた茉希も動揺している。大女神様は確かに強い力の持ち主だ、時を止めたりしてたもんな。そんなに位が高かったのか……
「それでも行きますか?」
「行くよ、逆に嬉しくなったね俺は! 見たことも聞いたこともない奴ら何でねハヤデ以外は!」
「師匠……アタシは……」
「無理しなくていい、茉希は街を守ってて。これは俺がケリをつける!」
「…………」
 茉希にとって大女神は願いを叶えてくれた恩人のはずだ、不用意に逆らったら……
「ノエ早速行きたいんだがどうだ?」
「大丈夫ですが、その刀では少しだけ心許ないです! テーブルに載せてください」
 テーブルに神三角刀を載せると、ノエが前脚を載せて目を閉じる、途轍もない神気が集って来るのが分かる
「おいおいこれは切り札何だが?」
 神三角刀が光りに包まれ2つに分裂する。
「何してくれてんだ! お前!」
「もう……少しだけ…………ヤガミさんの神気も……両方に……」
「わかった……」
 光に両手をかざすと神気を流し込む、光は姿を変え不安定に変形を繰り返してる。どれぐらい流し込んだだろう……一瞬の閃きが頭をよぎる。剣と盾だった、剣にはヒエのイメージが……盾にはヤエのイメージが光となって収束すると、テーブルには短い剣と盾が仄かに蒼く光っていた……
「できました! 早速手に取ってください!」
「おっ……うん……」
 手に持つと随分としっくり来るじゃないか、右手に盾左手に剣を身体がというより武器がそうするように勝手に身に着けていた。少しだけいや……アイツ等の神気も感じる、待ってろよ今行くからな!
「ノエ! 行くぞ」
「待って師匠! 今日はここまでにしない? ゆっくり休んでさ! 明日出発すれば……」
「その方が……良いですね!! ゆっくり休むのです! お腹空きました!」
「ノエ……お前は神様だろう、まぁ俺も腹減ってるけど」
「じゃあさ! 猫缶で良いかなノエは? 師匠とアタシはカップラーメンで」
「猫缶でがまんします! 私ココで食べたいです! 茉希さん!」
「ノエ……ありがとう」
 何やら会話が聞こえたが、一度感じた空腹には敵わないな。明日で全てを終わらせれば良いんだが……
「じゃあカップラーメン食べようか? 後でヤエに怒られるな俺達……」
「うん……師匠、奥にストックあるから後缶詰めも」
「そっか! じゃあ、ささっと食べて! お風呂入って気合い入れていこうな……」
 不意にキスされた……そのまま押し倒される。泣いてる……ちょっとだけしょっぱい、俺の口内に滑り込ませてきた舌が答えを待つように俺を塞ぐ。本気だ……少しだけ絡ませると、それを答えと受け取ったのか吸い上げられ持っていかれる。ノエ気付いてたな……
 長いキスを終えると、茉希の解けた髪を優しく撫でる。
「し……タケシ……抱いて、このままじゃ嫌なんだ……アタシ、アタシ達の想いは!」
「茉希……ここで良いか?」
 返事は聞かなかった、交わり縺れ合い昇り詰める……時が過ぎた。腕の中で眠る茉希は社長の様にも見える、俺には勿体無い美人さんだよ本当にヤエもヒエも。外が薄っすらと明るくなるのがカーテンの隙間から見える……シャワーを浴びて行くか、起き上がると手をひかれる。
「茉希……行ってくる」
「アタシも行くよタケシ……覚悟は決めた」
「そっか一緒にシャワーしてから行くかい?」
「えっち! 先に行くね」
 頬にキスをするとさっさとシャワールームに消えていった……女って……今更だけど分からない。
 支度は整った、朝食もしっかり食べた。茉希と着替えると最後にもう一度キスをする。
「行こう! アタシ達の未来の為に!」
「それ俺の台詞……」
「へへっタケシが遅いんだよ!」
 事務所でノエが待っていた、皆で頷くと玄関を開け市役所へと向かって歩き出した。
 空気は天界が顕現して居るのに淀んでいる、ヤエが言ってたっけ慈悲がどうたらって、全く救いは無いもんかね……市役所に着くと崩壊はしていないがこんな早朝でも電気はついている、後は居てくれれば。
 探し人はすぐに見つかった、どうやら無事だったらしい。家族で避難してきたのだろうか、もうすぐ出産だっけ……声をかける。
「おはよう塚田さんと旦那さん!」
「あぁ! 八神さん! 無事だったん……で……?」
「ヒエ……さん達は? それにその物騒な……得物は?」
「塚田さん頼みがあるんだ、市の車を1台貸してほしい」
 俺と茉希で頭を下げる
「何かあったんですね?」
「もう誰も巻き込めない、ケリをつけなきゃならないんだ、だから……」
「巻き込めない? 何のことです?」
「1から説明してられない! 時間もないんだ! お願いだよキョーコ!」
「まさか……この現象は……」
 あっちょっとだけ怒ってる、それでも!
「頼むよ塚田さん!」
「はぁ~本当は説明が欲しいんですが……どうにかなるんですか?」
「「どうにかする!!」」
「外に市の車があります、どれも非常時の為鍵は付けっぱなしです」
「ありがとう塚田さん!」
「さぁ? 私は何も喋ってません、気を付けて……早く!」
 一礼をすると外に向かって走り出すと手頃な車を拝借すると。
「ノエ! 案内頼んだ!」
「はい!」
「飛ばして! タケシ!」
 もう社長の車じゃない無茶な運転上等! 行くぞ! 朝日に照らされながら車が走り出す……



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