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八神さんちのクリスマスその3
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「待ってよ~! 健~お酒分けてあげるから!」
「あいにく俺は下戸でな、それにもう両手がふさがってるんだよ!」
全く自分が呑む酒だろうに……
「じゃ茉希助けて!」
「ごめんよヒエ、アタシオードブル持ってるから無理」
「ヤッ」
「嫌よ」
「扱い酷くない!?」
しょうがないなぁコイツは……
「ほら、袋交換してやるから」
ヒエにエコバッグを押し付けると酒の入った買い物袋を引ったくる。おっ重い! カクテルやらハイボールやらビールに日本酒まで、くっそ1番ヒエに甘いのは俺か?
「ありがとう健! 大好き!」
「あぁそうかい! さっさと帰るぞ!」
「1番甘やかしてるのはアナタね、もう……」
「投げ捨てていいかな?」
ヤエは微笑みながら
「出来ないくせに……」
「本当だよ師匠」
「あ~もう! ヒエ! 俺達は両手がふさがってるんだから玄関位開けろよな!」
「あいさー!」
元気に走ってるよ……
「ヒエってさ、なんであんなにはしゃいでるんだ?」
「そうね……いつもよりテンションが」
「2人とも分かんないかなぁ? ヒエの気持ち」
「「??」」
「一緒だからに決まってるじゃん! ヤエと師匠はフルタイムで働いてて、ヒエは新聞配達で……」
「あっ……もしかして」
「そう、アタシは大学があるから良いけど」
「そっか……ヒエがトチをほっとけ無かった理由って」
「だからさ2人とも今日ぐらいヒエを」
「そうだねヒエの普段の態度で忘れてたけど、1番大切な所を守ってくれてるんだよな」
「私も忘れてた……台所いつも綺麗にしてくれて……」
「労ってあげようか?」
「そうしましょう!」
「だねっ!」
アパートに帰るとヒエが玄関を開けて待っていた。荷物を運び終えるとヤエが早速料理にかかる、その間に部屋の掃除をするヒエを手伝おうとしたが何かプライドがあるらしく
「隅っこで座ってて!」
邪魔者扱いされた、ヒエの掃除姿をちゃんと見るのは初めてかなぁ……テキパキしている散らかった物を丁寧に戻して……って1番散らかしてるのはお前だけどな、とにかく俺は暇になり茉希ちゃんは課題に取り組んでいた。しっかしこのクリスマスの飾り付けされたこの部屋……キャンドルやツリーは分かるが……ふてぶてしくぶら下がってる十字架って要るのか?
「あのさ、掃除してるところ悪いけどヒエ様? 十字架って必要か? お前は日本の女神としてどうなの?」
「えっ? 別に良いんじゃないの? 神って言ったって結局は天上界で一緒なんだから、ただ人間がどの神を崇めるか何て勝手よ?」
「俺が死んだら紹介してくれるか?」
「そうね、神の座に戻ったら探して会いに行ってみましょうか?」
「多分世界で一番有名だからな、合ってみたい……そして……」
今のクリスマスをどう思っているのか問い詰めてみたい。
「んっ?」
「まぁ良いや掃除頑張って!」
「まかせといて!」
あれ? 俺だけ何もしてなくないか? そう思ったら急にソワソワして来た、掃除を手伝おうと思ってもヒエが断るし……料理は論外だしな、トチと遊んでようかな?
「トチおいで!」
トテトテと俺の胡座の上に乗っかって来た、ブラッシングを何気なく始めると気持ち良さそうにしている……ほのぼの感を感じていると、何か忘れてる様な……? あっ! 忘れてた! トチをブラッシングしてる場合じゃない! やおらに立ち上がると慌ててジャケットを着込んで。
「ちょっと出かけてくる!」
「アナタもう御飯よ!?」
「コンビニに行ってくるだけだから、すぐ帰る!」
そうだった……プレゼントを通販で頼んでコンビニ受け取りにしてたんだった。だってそうしないとヤエと茉希ちゃんは大丈夫だろうが、ヒエは間違いなく開ける! アイツはそう言うオンナ? って言うか元女神だ、俺は雪が降り始めた中コンビニへとダッシュしていた。
小さな荷物を受け取り、手に持ちアパートへと歩く……喜んでくれるかなぁ皆? どうやら浮かれているのは俺もなんだな、誰かと過ごす日々が幸せだって事さえ忘れていたんだ俺は……本当に何年も、ヤエとヒエに出逢うまで何をしていたんだろうか? さぁ帰って来たぞ!
「ただいま!」
「おかえりなさいアナタ、もうヒエが限界よ?」
「ごめんよヒエ!」
「謝るぐらいならさっさと来てよ!」
部屋の中に入ると小さなテーブルに料理が並んでいた酒も、主にヒエの前だけに……ヤエに促されて席に付くと。
「始めようか?」
「あいにく俺は下戸でな、それにもう両手がふさがってるんだよ!」
全く自分が呑む酒だろうに……
「じゃ茉希助けて!」
「ごめんよヒエ、アタシオードブル持ってるから無理」
「ヤッ」
「嫌よ」
「扱い酷くない!?」
しょうがないなぁコイツは……
「ほら、袋交換してやるから」
ヒエにエコバッグを押し付けると酒の入った買い物袋を引ったくる。おっ重い! カクテルやらハイボールやらビールに日本酒まで、くっそ1番ヒエに甘いのは俺か?
「ありがとう健! 大好き!」
「あぁそうかい! さっさと帰るぞ!」
「1番甘やかしてるのはアナタね、もう……」
「投げ捨てていいかな?」
ヤエは微笑みながら
「出来ないくせに……」
「本当だよ師匠」
「あ~もう! ヒエ! 俺達は両手がふさがってるんだから玄関位開けろよな!」
「あいさー!」
元気に走ってるよ……
「ヒエってさ、なんであんなにはしゃいでるんだ?」
「そうね……いつもよりテンションが」
「2人とも分かんないかなぁ? ヒエの気持ち」
「「??」」
「一緒だからに決まってるじゃん! ヤエと師匠はフルタイムで働いてて、ヒエは新聞配達で……」
「あっ……もしかして」
「そう、アタシは大学があるから良いけど」
「そっか……ヒエがトチをほっとけ無かった理由って」
「だからさ2人とも今日ぐらいヒエを」
「そうだねヒエの普段の態度で忘れてたけど、1番大切な所を守ってくれてるんだよな」
「私も忘れてた……台所いつも綺麗にしてくれて……」
「労ってあげようか?」
「そうしましょう!」
「だねっ!」
アパートに帰るとヒエが玄関を開けて待っていた。荷物を運び終えるとヤエが早速料理にかかる、その間に部屋の掃除をするヒエを手伝おうとしたが何かプライドがあるらしく
「隅っこで座ってて!」
邪魔者扱いされた、ヒエの掃除姿をちゃんと見るのは初めてかなぁ……テキパキしている散らかった物を丁寧に戻して……って1番散らかしてるのはお前だけどな、とにかく俺は暇になり茉希ちゃんは課題に取り組んでいた。しっかしこのクリスマスの飾り付けされたこの部屋……キャンドルやツリーは分かるが……ふてぶてしくぶら下がってる十字架って要るのか?
「あのさ、掃除してるところ悪いけどヒエ様? 十字架って必要か? お前は日本の女神としてどうなの?」
「えっ? 別に良いんじゃないの? 神って言ったって結局は天上界で一緒なんだから、ただ人間がどの神を崇めるか何て勝手よ?」
「俺が死んだら紹介してくれるか?」
「そうね、神の座に戻ったら探して会いに行ってみましょうか?」
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今のクリスマスをどう思っているのか問い詰めてみたい。
「んっ?」
「まぁ良いや掃除頑張って!」
「まかせといて!」
あれ? 俺だけ何もしてなくないか? そう思ったら急にソワソワして来た、掃除を手伝おうと思ってもヒエが断るし……料理は論外だしな、トチと遊んでようかな?
「トチおいで!」
トテトテと俺の胡座の上に乗っかって来た、ブラッシングを何気なく始めると気持ち良さそうにしている……ほのぼの感を感じていると、何か忘れてる様な……? あっ! 忘れてた! トチをブラッシングしてる場合じゃない! やおらに立ち上がると慌ててジャケットを着込んで。
「ちょっと出かけてくる!」
「アナタもう御飯よ!?」
「コンビニに行ってくるだけだから、すぐ帰る!」
そうだった……プレゼントを通販で頼んでコンビニ受け取りにしてたんだった。だってそうしないとヤエと茉希ちゃんは大丈夫だろうが、ヒエは間違いなく開ける! アイツはそう言うオンナ? って言うか元女神だ、俺は雪が降り始めた中コンビニへとダッシュしていた。
小さな荷物を受け取り、手に持ちアパートへと歩く……喜んでくれるかなぁ皆? どうやら浮かれているのは俺もなんだな、誰かと過ごす日々が幸せだって事さえ忘れていたんだ俺は……本当に何年も、ヤエとヒエに出逢うまで何をしていたんだろうか? さぁ帰って来たぞ!
「ただいま!」
「おかえりなさいアナタ、もうヒエが限界よ?」
「ごめんよヒエ!」
「謝るぐらいならさっさと来てよ!」
部屋の中に入ると小さなテーブルに料理が並んでいた酒も、主にヒエの前だけに……ヤエに促されて席に付くと。
「始めようか?」
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