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そんなとき、後ろの席の男性客の声が耳に届いた。
二十代後半くらいだろうか。三人の男性が声高に下品な話をしていて、つい、いつかの卯夏の父と兄に会ったファミレスを思い出した。
うんざりしながら、席を変えてもらおうかと思ったそのとき、親父の遺品整理、すげえきれいな男、という単語が聞こえてきて、席を立てなくなった。
それが卯夏のことだとは決まっていないけれど、その条件は卯夏に当てはまる。
男は声をひそめて話を続けた。
「……でさ、彼氏をよろこばせたいっつーから、いい方法を教えてやるって言ってフェラ、教えてやったの、実地で。男はみんなこれがすきだからっつって」
「は、男だろ? お前フェラしたの?」
「するわけねーだろ。しゃぶらせたんだよ。なんかちょっとばかなんだけど、そこがかわいいっつーか。んで超美人なんだって。正直うちの彼女より顔はいい。おっぱいはねーけど。でもくちだけだったら、おっぱい関係ねーじゃん」
「イヤイヤ、いくらばかでもそんなんしねーだろ」
「それがよ、したのよ。ほんとばかでさぁ、セックスはしねーっていうから、これはセックスじゃねえ。入れてねえだろっていったら納得してさ」
「は……? まじか。ばかじゃん」
「だから、ばかなんだって! しかも上手くなりてぇつーから、練習だっつって、さっきもしゃぶらせた」
「……おい、さっきって、あの電話のとき!?」
「そう。毎日ようす見に行ってやってんの。やっぱ顔がいいとフェラもいいわー。つーか、フェラっていうよりイラマ? 男だしさ、彼女でもねえし無茶できんじゃん」
「うっわ……、引くわ。お前マジ、クソ」
「親父の遺品整理が終わったらもう会わないし」
そういってげらげら笑う。
二十代後半くらいだろうか。三人の男性が声高に下品な話をしていて、つい、いつかの卯夏の父と兄に会ったファミレスを思い出した。
うんざりしながら、席を変えてもらおうかと思ったそのとき、親父の遺品整理、すげえきれいな男、という単語が聞こえてきて、席を立てなくなった。
それが卯夏のことだとは決まっていないけれど、その条件は卯夏に当てはまる。
男は声をひそめて話を続けた。
「……でさ、彼氏をよろこばせたいっつーから、いい方法を教えてやるって言ってフェラ、教えてやったの、実地で。男はみんなこれがすきだからっつって」
「は、男だろ? お前フェラしたの?」
「するわけねーだろ。しゃぶらせたんだよ。なんかちょっとばかなんだけど、そこがかわいいっつーか。んで超美人なんだって。正直うちの彼女より顔はいい。おっぱいはねーけど。でもくちだけだったら、おっぱい関係ねーじゃん」
「イヤイヤ、いくらばかでもそんなんしねーだろ」
「それがよ、したのよ。ほんとばかでさぁ、セックスはしねーっていうから、これはセックスじゃねえ。入れてねえだろっていったら納得してさ」
「は……? まじか。ばかじゃん」
「だから、ばかなんだって! しかも上手くなりてぇつーから、練習だっつって、さっきもしゃぶらせた」
「……おい、さっきって、あの電話のとき!?」
「そう。毎日ようす見に行ってやってんの。やっぱ顔がいいとフェラもいいわー。つーか、フェラっていうよりイラマ? 男だしさ、彼女でもねえし無茶できんじゃん」
「うっわ……、引くわ。お前マジ、クソ」
「親父の遺品整理が終わったらもう会わないし」
そういってげらげら笑う。
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