月の兎 ―真夜中のラブレター

ふうか

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 ぱんっと肉のぶつかる音と、自分の声だとは信じたくないような獣じみたうめき声。卯夏の手はいつのまにか左右に落ちて、すがるように布団にかけられたシーツをつかんでいる。

 手をつないでだきしめてやりたい。

 あたまのどこかでそう思うけれど、快感をおいかける動きはとまらなくて、イキたい、それだけでいっぱいになる。
 ぱちん、と腰を打ち付けるリズムに合わせて、卯夏の性器がゆれて、とぷ、とぷ、とあふれた精液をまきちらしている。こんないやらしい痴態ちたいさえも卯夏はとんでもなくきれいだった。ゆっくりと、閉じられていたまぶたがひらく。

 澄んだくろい瞳に、僕が写っていた。


 僕のものだ──。

 つよい衝動に、つよく腰を打ちつける。すがるように僕をみつめる瞳。訴えかけるように息をついで、からだをのけぞらせ、ひたすらに僕の動きを追う。

 僕のものだ、僕の──。

 かはっ、と音もなく息をはいて、ふるえるからだを引き寄せる。卯夏のからだの奥深く、まんなかに僕のしるしをそそいだ。じわり、とからだのなかから、卯夏をぼくのものにしていく。その快感にふるえながら、僕は卯夏のからだを強く抱いた。
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