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毎日、陽が昇るのも待ち遠しく朝を迎え、時間には丘に登って玄兎を待つ。森の中で一人暮らしをする白狼には、冬に備えてやらなければいけない事は沢山あったが、一人でする毎日の仕事でさえ、この後玄兎に会えると思うとウキウキと楽しくなるのが不思議だった。
玄兎は、毎日真っ赤なケープで身体も耳も隠して、ぴょこぴょことやってくる。相変わらず生意気な玄兎に負けずと応戦しているが、白狼は時折ドギマギして上手く対応できなくなった。
特に、今の様に服の裾を引っ張られ、下から見上げられたりすると、それだけで飛び上がりそうになる。
「なぁ、お前いくつ?」
「たぶん15、かな……?」
「何だ、そのハッキリしない答えは、自分の事だろ。……でも意外と俺と近いな」
「えっ!?」
「今は13、もうすぐ14だよ」
「えぇ……」
そう言われても、どこからどう見ても一、二歳差には見えない。10歳と言われても通用する。
「兎族は小柄だから。オ、レ、が、チビなんじゃないぞ。兎族ならこれでも普通だからな。白狼は? 狼族だと大きい方なのか?」
「どうだろ、わかんないな……。兄さんよりは大きくなったけど俺が知ってるのは何年か前までだし、父さんの服はまだ大きいけど、父さんが狼族で大きかったかどうかは……」
「何だよ、分かんないことだらけじゃねーか。ん? てことは、誰と暮らしてんだ? 家族は?」
玄兎は「使えねーな」と口を尖らし、無邪気に聞く。
「俺一人だよ。家族はいない」
白狼は一瞬止まって、静かに返す。
「一人……?」
流石に、独り立ちするには早いんじゃないか、とか、何か事情がとか、色んな事が玄兎の頭の中をぐるぐるする。
玄兎は、毎日真っ赤なケープで身体も耳も隠して、ぴょこぴょことやってくる。相変わらず生意気な玄兎に負けずと応戦しているが、白狼は時折ドギマギして上手く対応できなくなった。
特に、今の様に服の裾を引っ張られ、下から見上げられたりすると、それだけで飛び上がりそうになる。
「なぁ、お前いくつ?」
「たぶん15、かな……?」
「何だ、そのハッキリしない答えは、自分の事だろ。……でも意外と俺と近いな」
「えっ!?」
「今は13、もうすぐ14だよ」
「えぇ……」
そう言われても、どこからどう見ても一、二歳差には見えない。10歳と言われても通用する。
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「どうだろ、わかんないな……。兄さんよりは大きくなったけど俺が知ってるのは何年か前までだし、父さんの服はまだ大きいけど、父さんが狼族で大きかったかどうかは……」
「何だよ、分かんないことだらけじゃねーか。ん? てことは、誰と暮らしてんだ? 家族は?」
玄兎は「使えねーな」と口を尖らし、無邪気に聞く。
「俺一人だよ。家族はいない」
白狼は一瞬止まって、静かに返す。
「一人……?」
流石に、独り立ちするには早いんじゃないか、とか、何か事情がとか、色んな事が玄兎の頭の中をぐるぐるする。
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