【短編集】スライム・スライム

モモん

文字の大きさ
40 / 73
スライムショット

給水器

しおりを挟む
 俺は3枚の円盤を箱の底に固定した。
 魔法の作用点は、魔法陣の真上に配置した同じサイズの円盤だ。
 その手前には濃度の違う3種類の加工魔石を3組配置してダイヤルで選択できるように線を彫っていく。

 台の上部には、同じサイズのフードを作って、そこから外に続くダクトをつなげて、魔法陣を刻んだ送風機を付ければ完成だ。
 
「まさか……これは……」

「厨房内に……カマド?」

「火口が3口ありますからね。鍋でスープを煮込みながら、ケトルでお湯を沸かして、その横で肉も焼けます。」

「そりゃあ、厨房で煮物や焼き物が出来たら助かりますけど、匂いが籠ってしまいます。」

「ご心配なく。このスイッチを押すと、風の魔法が発動して、空気を外に逃がしてくれます。ああ、この辺に照明があった方が、調理しやすいですよね。」

 俺は改造型ライボを追加で取り付けた。

「さあ、試してみてください。」

「くっ、ライア、スープ鍋の準備。アリサは肉を切って。ミアは野菜を切って頂戴。」

「「「はい!」」」

「ああ、忘れてた。これ、給水器です。シャイ王女の発案で、ここに魔力を流すと、この先から水が出てきます。」

「えっ、水は井戸で……」

「これからは、ここからどうぞ。あっ、火魔法を組み合わせれば、お湯も出せそうだな。」

「ふう、やっぱりガルラ様はメイドの味方よね。」

「待ってよ。給水器は私の発案なのよ!」

「ああ、そうか。給水器とセットで洗い場を作ってやれば、食器洗いや野菜を洗うのも全部厨房でできますね。」

「えっ、まさか……」

「この食器庫を移動して、コウスラで洗い桶を作って排水管を外へつなげて……後で、排水溝へ接続しておきますよ。」

「ちゅ、厨房の常識が……」

「ダメよ、このお屋敷だけなんですからね。これを当たり前だと想ったら、他所でメイドが出来なくなるわよ!」

「そんな事はないわ。私が、これを国のスタンダードにするわよ!」

「「「シャイ王女様!」」」

「ふう、勝手にやってくれ。俺は部屋で少し寝るからな。」

「「「ありがとうございました!」」」

 まあ、女性に感謝されるのは悪い気分じゃねえ。
 俺は自分の部屋に戻った。

「で、何でついてくるんだ?」

「パートナーなんだから当然でしょ。」

「あとは、暖房用と冷房用の送風機を作ればいいんだろ。明日にでも作ってやるさ。」

「それだけじゃないわ。どうしたらこれらを量産化できるか考えないと。」

「それは俺の仕事じゃない。商業ギルドのヤツとか、城のスタッフを呼んで考えろ。」

「ねえ、何でガルラは私に冷たいのよ!」

「勘違いするな。単に興味ねえだけだ。」

「だぁかぁらぁ、私、王女だよ。独身だよ。ピチピチの20才だよ。顔だって、人並みには可愛いって言われるんだよ……」

「それがどうした。」

「部屋に二人きりなんだよ!……ちょっとはムラっとかしないわけ?」

「何だ、それは?」

「あれっ?あれれ?もしかして、若い女の子に興味ないの?」

「他人に興味がないだけだ。」

「おっ、おっかしいなー……もしかして、おこちゃま?」

「何だそれは?」

「……しゃ、射精とか……した事……ある?」

「だから、何だそれは?」

「もしかして、未成熟……」

「未成熟だと?」

「オ、オチンチンが、その……堅くなったりしない……の?」

「小便の話しか?」

「……あのね……私も、その、経験はないんだけどね……」

「何のだ?」

「急な婚姻が決まる可能性があるからね……一応、知識だけは教えられてるの……」

「どうした、顔が赤いぞ。」

「ダ、ダメ……、何で私がドキドキしてんのよ……」

「なにが?」

「こ、このお子ちゃまに……性というものを教えてあげるだけなんだから……」

「性?」

「ああーっ、もう。いいから、そこに座って目を閉じて!」

 何だか分からないが、俺は言われたとおりベッドに腰掛けて目を閉じた。
 空気の動きが、王女の接近を感じさせ、隣に座ったのが分かる。
 彼女の息遣いが荒い。

 ふいに、王女の手が俺の手に触れた。
 考えた事もなかったのだが、意外と柔らかい事に驚く。
 その手が、徐々に上へと移動し、首から耳。そして唇に触れた。

 少しの間唇を触っていた指が、下に降りていく。
 そして、王女の顔が近づいてきたのが分かる。
 息が頬にかかり、そして指よりも柔らかいものが微かに唇に触れた。
 震える唇はすぐに離れた…… 
 ハアハアと王女の息が、更に荒くなるのが分かる。

 何故か分からないが、胸がドキドキしてきた……
 王女の唇が、さっきよりも少し長く唇に触れ、また離れる。
 王女の手は、俺の左胸を触っている。

「うふっ、ドキドキしてる……」

 腰の辺りが熱くなってきた……
 目を開けると、真っ赤になって目を潤ませた王女の顔が目の前にあった。
 目を閉じながら王女の顔が近づいてきて、唇が強く押し当てられてくる。
 今度はヌルっと柔らかいものが口の中に入ってきた。
 頭の中が真っ白になって、俺は王女に押し倒された。

 王女の柔らかな胸が俺の胸に押し当てられる。
 王女の足が俺の股間に割り込んでくる。

「これが……男と……女……よ……」

 王女の足が俺の股間を刺激してきて、俺は激しい快感を感じながら股間から何かが出ていくのを感じた。

「あっ……」

 王女は俺のパンツの中に手を入れてきた。
 ヌルヌルしていた。

「これが射精……よ。多分……」

「どうして……」

「こうして気持ちが高ぶって……子供を作るのよ。」

 王女は布で俺の股間をふき取ってくれた。

 俺は体を入れ替えて王女を下にして、唇を強く押し当てた。
 さっきされたように、舌を王女の口の中に入れて強く吸う。
 手で王女の体をまさぐる。
 柔らかな胸を触ると、王女の口からアアッっとあえぎ声が漏れる。

 食事ができたと声がかからなければ、どうなっていたか分からない。

「この事は、誰にも言っちゃダメよ。」

「何で?」

「ホントは、結婚前にこういう事をしちゃいけないのよ。特に私は王族だから、人に知られたら……」

「……分かった。」

 王女に連れられて食堂にいき、食事を済ませた後で、王女は城に戻っていった。
 俺は何をするのもうわの空で、考える事ができなかった。
 頭の仲は、王女の唇や手でいっぱいだった。
 王女の唇の感触を思い出す度に股間が熱くなった。

 翌日、王女がやってきて、城のスタッフであるエリザベスさんと商業ギルドのローズさんとで、給水器と魔道ストーブの量産化について打ち合わせがおこなわれた。
  
「給水器は、見本があればいくらでも模倣できてしまいますね。どうしましょう。」

「私は、普及してくれればいいから、そこは気にしないけど。」

「商業ギルドとしては……、そうですね、マネされるよりも早く普及させればいいので、銀貨2枚くらいで販売しましょうか。」

「そこまで下げられるんですか?」

「ガルラ様、この魔法陣って刻印みたいな形でも作動しますか?」

「えっ?あっ、ああ、大丈夫だと思う……」

「どうしたんですか?具合でも悪いみたいな……大丈夫ですか?」

「ああ、ちょっとボンヤリしてしまって……ゴメン。」

 コウスラで圧縮用の型を作り、柔らかい鉛を使って魔法陣の稼働を確認した。
 給水器は、王女が国王の承認を得て正式に商業ギルドから銀貨2枚で販売される事になった。


【あとがき】
 魔道具の普及
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

囚われの姫君の♥♥♥な舞台裏

AIに♥♥♥な質問
ファンタジー
清楚で可憐な王女、魔物を操る敵国に幽閉、肉体改造。何も起きないはずがなく…。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...