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第四章
神
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第19世界を開く
第19世界は真っ白な部屋だった。
俺は恐る恐る中に入る。
『シュウよ』
「ゼウス様ですか」
『俺もいる』
「ルシファー様……」
『実はな、お前にあらためて話があるのだ』
「はい……」
『お前は、わしらの後任として、この世界の神になるのだ』
「……?」
『ゼウス、いきなりそれじゃあ混乱するぞ』
『おまえの布教のおかげで、わしとルシファーは次なる存在となった』
「次なる存在……ですか」
『そのへんは、俺たちにもよく分らんのだが、突然この世界の外側にいくことができたのだ』
「世界の外側に、まだ何かあるんですか?」
『例えば、この世界全体をミカンだとしよう。
フサの一つが、一つの世界だ』
「イメージですね」
『そうだ。そのミカンの外側に何もない空間があったんだ』
「無の空間ですか」
『そこに、新たなミカンを作ることもできたし、まあ、自在に操作できるようなんだが、俺たちはその空間に出て他に何かないか探る旅に出る。
だから、ここのミカンはお前にくれてやる。
ただし、布教は続けてくれ。
ことによると、信仰の力で別の力を得るかもしれんし、何かが生まれるかもしれん』
「はあ、俺自身は、今までと何か違うんですか」
『一つの世界を滅ぼすのも、創生するのも自在になる』
「要りませんよ、そんな怖い力」
『何もしないというのもお前の自由だ』
「それって、前の状況ですよね」
『ああ。マヤが滅びようが、鳥インフルエンザで人類が滅亡しようが無関心でいればよい』
「それ、卑怯ですよ。そういう言い方……」
『事実だから仕方あるまい。
嫌なら自分で動けばいいだけだ』
『お前と、お前の一族には不老不死を与える。
だが、自然に老いて死ぬことも可能だ』
「そしたら世界は……」
『勝手に転がるじゃろう。
わしらは、ここへは戻らん』
『お前が管理を放棄しても、誰も文句は言わんよ。
知らんのだからな』
「俺にメリットはあるんですか?」
『わしらと共に、お前も信仰の対象になるんだ。
そうしたら、いつか今のわしらと同じように上の存在になれるやも知れん』
「肉体を持ったままで大丈夫なんですか?」
『嫌なら、肉体を捨てればよい。
わしらのように、精神体になるのも自由でいいぞ』
「当面は体を大事にしますよ。
子供たちはどうなるんですか?」
『好きにすればよい。神から生まれるのだから、神として生まれる。
自分で判断できるようになったら、自分で判断させればよいだろう』
「スキルエディットなんかも、付与できるんですか」
『ああ、もうできるぞ』
「もうって、神になっちゃってるんですか」
『この部屋に入った時点で神になっておるぞ』
『神になったことで、世界を俯瞰できるようになっているはずだ。
全部の世界を遠くから眺めるようにしてみろ』
「遠くからですか……
ホントにできる」
『じゃあ、わしらは行くからな』
「ま、待ってくださいよ。
他に変わったことはないんですか」
『並列思考が可能になってるだろ。
それで複数の案件を同時に進められるぞ』
『基本的には、あらゆる事が可能じゃ。
思い浮かべるだけで物体の創造もできるし、美女のハーレムも思いのままじゃぞ』
「セ、セックスは……」
『性行為で子作りすることも可能じゃし、創造で天使を作り出すことも可能じゃ』
『これでいいだろ。じゃ、頑張ってな新人の神様よ』
「……今まで、ありがとうございました」
『さらばじゃ』
俺は、ながい時間礼をしたままだった。
第19世界は真っ白な部屋だった。
俺は恐る恐る中に入る。
『シュウよ』
「ゼウス様ですか」
『俺もいる』
「ルシファー様……」
『実はな、お前にあらためて話があるのだ』
「はい……」
『お前は、わしらの後任として、この世界の神になるのだ』
「……?」
『ゼウス、いきなりそれじゃあ混乱するぞ』
『おまえの布教のおかげで、わしとルシファーは次なる存在となった』
「次なる存在……ですか」
『そのへんは、俺たちにもよく分らんのだが、突然この世界の外側にいくことができたのだ』
「世界の外側に、まだ何かあるんですか?」
『例えば、この世界全体をミカンだとしよう。
フサの一つが、一つの世界だ』
「イメージですね」
『そうだ。そのミカンの外側に何もない空間があったんだ』
「無の空間ですか」
『そこに、新たなミカンを作ることもできたし、まあ、自在に操作できるようなんだが、俺たちはその空間に出て他に何かないか探る旅に出る。
だから、ここのミカンはお前にくれてやる。
ただし、布教は続けてくれ。
ことによると、信仰の力で別の力を得るかもしれんし、何かが生まれるかもしれん』
「はあ、俺自身は、今までと何か違うんですか」
『一つの世界を滅ぼすのも、創生するのも自在になる』
「要りませんよ、そんな怖い力」
『何もしないというのもお前の自由だ』
「それって、前の状況ですよね」
『ああ。マヤが滅びようが、鳥インフルエンザで人類が滅亡しようが無関心でいればよい』
「それ、卑怯ですよ。そういう言い方……」
『事実だから仕方あるまい。
嫌なら自分で動けばいいだけだ』
『お前と、お前の一族には不老不死を与える。
だが、自然に老いて死ぬことも可能だ』
「そしたら世界は……」
『勝手に転がるじゃろう。
わしらは、ここへは戻らん』
『お前が管理を放棄しても、誰も文句は言わんよ。
知らんのだからな』
「俺にメリットはあるんですか?」
『わしらと共に、お前も信仰の対象になるんだ。
そうしたら、いつか今のわしらと同じように上の存在になれるやも知れん』
「肉体を持ったままで大丈夫なんですか?」
『嫌なら、肉体を捨てればよい。
わしらのように、精神体になるのも自由でいいぞ』
「当面は体を大事にしますよ。
子供たちはどうなるんですか?」
『好きにすればよい。神から生まれるのだから、神として生まれる。
自分で判断できるようになったら、自分で判断させればよいだろう』
「スキルエディットなんかも、付与できるんですか」
『ああ、もうできるぞ』
「もうって、神になっちゃってるんですか」
『この部屋に入った時点で神になっておるぞ』
『神になったことで、世界を俯瞰できるようになっているはずだ。
全部の世界を遠くから眺めるようにしてみろ』
「遠くからですか……
ホントにできる」
『じゃあ、わしらは行くからな』
「ま、待ってくださいよ。
他に変わったことはないんですか」
『並列思考が可能になってるだろ。
それで複数の案件を同時に進められるぞ』
『基本的には、あらゆる事が可能じゃ。
思い浮かべるだけで物体の創造もできるし、美女のハーレムも思いのままじゃぞ』
「セ、セックスは……」
『性行為で子作りすることも可能じゃし、創造で天使を作り出すことも可能じゃ』
『これでいいだろ。じゃ、頑張ってな新人の神様よ』
「……今まで、ありがとうございました」
『さらばじゃ』
俺は、ながい時間礼をしたままだった。
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