俺の部屋が異世界に転移したみたいだ‼

第四章

右の眉が……

ＷＨＯの依頼を対応した翌日から、国内への展開がどうなるのか窓口に問い合わせが殺到した。

ＷＨＯから泣きついてきたので、アメリカが終わったら3日開けて対応する旨回答した。
俺だって、少しくらい休みがほしい…

一律各国４００名以下で、一か所に集まること。
日本は丁重にお断りいただくようお願いした。

そしたら、首相から直接電話がかかってきたので、前回の5人を選抜した経緯を報告してくれと突っぱねた。
次は厚生大臣と官房長官から連絡がきたが、返事は同じである。

そうするとどうなるか。
厚生省の医政課長クラスが犯人に仕立て上げられ、謝罪の電話が入る。

「国で５人選抜しろとＷＨＯから通知が来たのに、課長さんが決裁したんですか」

「いや、まあうちで対応したものだから……」

「当然、局長か大臣まで上伸して決裁したんですよね」

「い、いや、私の判断で……」

「これから行きますから、担当の方と直接話させてください」

俺は電話を切って、瞬間移動で厚生省に出向いた。

当該の課長さんを訪ね、担当者を紹介してもらう。

「このＷＨＯの依頼をあなたが担当したんですね」

「はい」

「最終的な報告は課長までですか」

「はい」

「大臣あての文章を、上まで回さないんですか」

結果的には、担当者が点数稼ぎのために自己判断で選出していたことが判明。
内容を吟味せずに決裁した課長も同罪である。

仕方ないので、日本も加えることにした。
もっとドロドロしたもんが出てくるかと思ったのに拍子抜けである。



本番では、日本をはじめとして各国とも常識的な選出をしてきた。
その中でも、軍や自衛隊の職員が含まれているのはやむを得ないところだろう。

約一年間、淡々と同じことを繰り返す日々……
美形の子がいたら言葉くらい交わすよね。
それを察知したのか、毎日嫁が監視に来る。
えっ、俺ってそんなに信用ないの……

「なに馬鹿なこと言ってんのよ。
治療の必要な相談がきたら、対応してあげようときてるのよ」

嘘だ、カエデの右の眉が上がってる……