俺の部屋が異世界に転移したみたいだ‼

第四章

キュア

マヤに戻って、ロシア・イギリスの植民村のことを伝える。
諍いがなければ、共存は可能だろう。

スペインの拠点は、壊滅的な状況だった。
手の出ない上空からの爆撃を実行したようだ。
この世界では、マヤ・インカの国は残るだろう。
たぶん、飛行式自転車をフル活動して勢力を広げていくことになりそうだ。



氷期に襲われた北ヨーロッパは悲惨な状況だった。
特に武力によって南下を図ったロシアは、強烈な抵抗にあい、壊滅的な状況になっていた。
そして、北ヨーロッパも戦争で疲弊した中での氷期到来で、十分な備えもできないままだったらしい。
逆にスペイン帝国はイベリア半島を吸収し、ギリシャとアフリカの一部を制圧。
その勢力はフィリピンにまで及んでいた。

そして、ドミニカ・キューバを抑えているスペインはマヤ・インカの土地を諦める気配はないらしい。

俺はこのまま侵略を続けるなら船を押収するとスペイン国王に宣告した。
できるものならやってみろというので、寄港していた船を収納していった。
生物は収納から除外されるので、船員は海に放り出される。

スペインの保有する半分の約１００隻を捕獲し、ドミニカ・キューバに保管されていた武器・食料を奪うとさすがに引き上げていった。

スペインへの布教はあきらめて、イギリスとフランスに入る。

１００年戦争と氷期の影響でさすがに疲弊していた両国に、麦と芋を提供しさらに牛丼店を数十軒展開する。
暖かいミソスープ付きの牛丼は大盛況だった。

牛丼店のキャラクターにルシファー像を使ったのだが、これも受けた。



エジプト、シリア、トルコなど主要国に布教を行ったのだが、こちらにはハンバーガーを使った。
いずれ、折をみて本格的な布教をやろう。
なお、エジプトだけはパン食い民族なだけに……、いや例の宗教の影響が少なく、絶対神ルシファーはすんなりと受け入れられた。


アジアにはすでに仏教やヒンズー教などが根付いており……、はあ、めんどくさい……
カレーとラーメンによる認知戦略からスタートだ。



さて、現地の俺の元には、病気やケガの治療申し込みが殺到している。
これらの申し込みは、一旦アメリカの某病院で精査し、俺の能力が必要なものだけ対応している。
そうしないと対応できないからだし、下手をすると単なる頭痛まで相談が来るからだ。

例えば手足の痺れなどを治してくれと言われても、原因がどこにあるのか分からないと治療のしようがない。
左手の薬指と小指がしびれている。
それは手に原因があるのか、肘・肩・首などに問題があるのか分からないのだ。

治癒（キュア）はそこまで便利な魔法ではない。
全体にかけて多少の効果はあるかもしれないが、それは多少緩和するだけで根治ではないのだ。

精神的な問題もある。
切断した足のつま先が痒いといわれても、俺にはどうすることもできない。
俺はカウンセラーではないのだ。