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第四章
17世界
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第17世界を開通する。
17世界は岩だらけの世界だった。
いや、よく見ると地衣類が生えており、ところどころに氷が見える。
「もしかすると。氷期の終わりなのかもしれない」
「すると人類は?」
「こうみたところ、建物が見当たらないからな。
人類が到達していないのか、少なくとも西側を見ないとね」
その時だったダーンという銃声が響き渡る。
咄嗟にキャンプ全体を覆う物理障壁を展開。
「けが人は!」
「被害はありません!」
「敵は10時の方向。大きな岩の右側に一人。
距離約500m。」
「ストライカー偵察戦闘車出動!」
俺も多目的装輪装甲車パトリアAMVを収納から出して、上空から確認する。
ショートレンジサーチで確認すると人間は3人だけだった。
『対象は3人、周りにほかの人間はいません』
『了解です。
三人は確保しました』
ストライカーの横にパトリアを下ろして兵士と合流する。
「なぜ、攻撃してきたのですか」
「こ、言葉が話せるのか」
「ああ、大丈夫です」
「お前たちはスペインやイギリスの者ではないのか?」
「この世界ではないところからやってきました」
「そうか、最初の銃撃は誤射だ。謝罪する」
「もしかすると、マヤかインカ帝国の方ですか」
「マヤを知っているのか」
「この世界のマヤではないですが、知っています」
「お前は我々と顔立ちが似ている。
祖先が同じなのか?」
「あなた方の祖先は北の海を越えてこの大陸にやってきた。
僕は海の向こうの大陸出身です」
彼らの話によると、スペイン人は最初メキシコのメシコ民族と接触した。
最初は友好的であったが、次第に金鉱の場所などを調べ始め、戦闘となった。
スペイン人は銃を使い、メシコ民族は魔法で対抗したが劣勢となり、マヤとインカに助勢を頼み追い返すことができた。
ところが寒冷化が進み、ロシア・イギリスなどが移住目的の侵略を進めてきたため、マヤからインカまでの3国が一体となり対抗すること数百年。
ロシアとイギリスはアマゾン河口を独自に切り開き、一部が植民したらしいが、スペインとの紛争はいまだに続いており、彼らは偵察隊としてここまで遠征してきた部族の一部だという。
鉄砲や製鉄は捕虜にしたスペイン人からの情報をもとに独自に発展させたものであるという。
俺たちに侵略の意図はないと伝え、彼らを送り届けることにした。
俺は、ミュウの時の過ちを繰り返してはならないのだ。
そう考えると、胸がズキンと痛んだ。
彼らの部隊は30人の構成で、一通りの巡視を終えたので帰国するところだった。
彼らのペースだと何日かかるかわからないので。俺は簡単な魔道具を作った。
鉄製の飛行型10人乗り自転車を3台だ。
ペダルの代わりに、ソリ型のステップをつける。
彼らの文明は馬を持たない。
人力が基本なのだ。
したがって、荷物は人力で運んできているので、少しだけ荷台のスペースがあればいい。
「飛行速度は時速100kmです。
ここから国まで1000kmくらいですから、10時間飛んでもらいます。
寒いですから、十分暖かくしていってください。」
「おいおい、来たときは10日以上かかったのに、たった10時間だとよ……」
「これがありゃあ、スペインの奴らに小便かけてやれたのに!」
「間に合わせですから、安全機能はついてません。
落ちたら死にますからね」
先頭には風防をつけてあるが、たぶん寒い……
小隊長を一人つけてもらって、俺は先にマヤへ飛んだ。
17世界は岩だらけの世界だった。
いや、よく見ると地衣類が生えており、ところどころに氷が見える。
「もしかすると。氷期の終わりなのかもしれない」
「すると人類は?」
「こうみたところ、建物が見当たらないからな。
人類が到達していないのか、少なくとも西側を見ないとね」
その時だったダーンという銃声が響き渡る。
咄嗟にキャンプ全体を覆う物理障壁を展開。
「けが人は!」
「被害はありません!」
「敵は10時の方向。大きな岩の右側に一人。
距離約500m。」
「ストライカー偵察戦闘車出動!」
俺も多目的装輪装甲車パトリアAMVを収納から出して、上空から確認する。
ショートレンジサーチで確認すると人間は3人だけだった。
『対象は3人、周りにほかの人間はいません』
『了解です。
三人は確保しました』
ストライカーの横にパトリアを下ろして兵士と合流する。
「なぜ、攻撃してきたのですか」
「こ、言葉が話せるのか」
「ああ、大丈夫です」
「お前たちはスペインやイギリスの者ではないのか?」
「この世界ではないところからやってきました」
「そうか、最初の銃撃は誤射だ。謝罪する」
「もしかすると、マヤかインカ帝国の方ですか」
「マヤを知っているのか」
「この世界のマヤではないですが、知っています」
「お前は我々と顔立ちが似ている。
祖先が同じなのか?」
「あなた方の祖先は北の海を越えてこの大陸にやってきた。
僕は海の向こうの大陸出身です」
彼らの話によると、スペイン人は最初メキシコのメシコ民族と接触した。
最初は友好的であったが、次第に金鉱の場所などを調べ始め、戦闘となった。
スペイン人は銃を使い、メシコ民族は魔法で対抗したが劣勢となり、マヤとインカに助勢を頼み追い返すことができた。
ところが寒冷化が進み、ロシア・イギリスなどが移住目的の侵略を進めてきたため、マヤからインカまでの3国が一体となり対抗すること数百年。
ロシアとイギリスはアマゾン河口を独自に切り開き、一部が植民したらしいが、スペインとの紛争はいまだに続いており、彼らは偵察隊としてここまで遠征してきた部族の一部だという。
鉄砲や製鉄は捕虜にしたスペイン人からの情報をもとに独自に発展させたものであるという。
俺たちに侵略の意図はないと伝え、彼らを送り届けることにした。
俺は、ミュウの時の過ちを繰り返してはならないのだ。
そう考えると、胸がズキンと痛んだ。
彼らの部隊は30人の構成で、一通りの巡視を終えたので帰国するところだった。
彼らのペースだと何日かかるかわからないので。俺は簡単な魔道具を作った。
鉄製の飛行型10人乗り自転車を3台だ。
ペダルの代わりに、ソリ型のステップをつける。
彼らの文明は馬を持たない。
人力が基本なのだ。
したがって、荷物は人力で運んできているので、少しだけ荷台のスペースがあればいい。
「飛行速度は時速100kmです。
ここから国まで1000kmくらいですから、10時間飛んでもらいます。
寒いですから、十分暖かくしていってください。」
「おいおい、来たときは10日以上かかったのに、たった10時間だとよ……」
「これがありゃあ、スペインの奴らに小便かけてやれたのに!」
「間に合わせですから、安全機能はついてません。
落ちたら死にますからね」
先頭には風防をつけてあるが、たぶん寒い……
小隊長を一人つけてもらって、俺は先にマヤへ飛んだ。
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