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第四章

マモちゃん

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マモちゃんズは、今日も元気だ。
マモちゃんズは全体でマモちゃんズで、固体はすべてマモちゃんなのだ。

いちいち、固体に名前をつけても見分けがつかない。

身体強化したマモちゃんは、3mくらいジャンプする。



マモちゃんは、タイガとシズクとも仲がいいのだ。
今日も、タイガの頭に乗って散歩する。

散歩といっても、タイガたちは時速100kmくらいで走るから、結構大変なのだ。
タイガたちは、庭の周辺や壁の上を走る。
ジャンプされると体がフワッと浮くのが気持ちいい。

時々、握っている毛が抜けて、落ちそうになるがなんとかこらえる。

『タイガ、トマトが食べごろなのだ』

タイガは背中にカゴを背負っていて、マモちゃんが風魔法で切って落としてやる。

『あとはレタスとキュウリなのだ』

散歩に行くときには、カエデさんから朝食のサラダをとってくるよう注文される事がおおい。

『マテ、タイガ』

ブドウが美味しそうな香りを放っている。

マモちゃんはブドウの木にジャンプし、熟しているのを5房収穫する。
もちろん、味見したうえでだ。

「あっ、ご苦労様」

「チチッ!」

普段のマモちゃんはチッチッとなくのだ。

ご褒美にバナナ一切れをくれるのだが、ブドウ一粒でマモちゃんのお腹はパンパンなのだ。
だからご褒美は、いつもみんなで食べるのだ。

小さい子供の世話は、先に生まれたマモちゃん達の仕事なのだ。
バナナを少し切り取り、生まれた子供に咀嚼してから食べさせてやるのだ。

マモちゃんは、シュウから空の飛び方を教えてもらったのだ。
だけど、飛んでると寒くなるのだ。
だから帰って、シズクのお腹に包まれて寝るのだ。

午後のマモちゃんは、シズクと一緒に庭の巡回なのだ。
侵入者の痕跡がないかチェックするのだ。
小さい鳥は、威嚇の風魔法で追い払うのだ。
時々入ってくるキジやヤマドリは風魔法で仕留めるのだ。
そうすると晩御飯に鶏肉が出てくるのだ。

カラスは不味いから追い払うだけなのだ。

アライグマとかキツネとか、動物が入ってくることもあるのだ。
マモちゃんの風魔法では、まだ致命傷は与えられないのだ。
そういう時は、シズクに助けてもらうのだ。

シズクが何かを感じたのだ。
シズクはマモちゃんよりも匂いに敏感なのだ。
マモちゃんは、シズクの毛にしがみついているのだ。

大きなイノシシだった。
とっさにマモちゃんはシズクの頭から飛び上がるのだ。
シズクの必殺技は、相手の首にかみついて、グルグルと回転するのだ。
モタモタしてると振り落とされるのだ。

マモちゃんは家の人を呼びにいくのだ。
今夜は、イノシシ肉のステーキなのだ。

マモちゃん達には、ステーキは荷が重いのだ。
だから、ひき肉にして焼いてもらうのだ。
マモちゃんはすき焼きのたれで味付けした、イノシシひき肉が大好物なのだ。

晩御飯をたべて、クリーンの魔法をかけてもらったマモちゃんは、タイガのおなかに潜り込んで寝るのだ。
明日の朝も早いのだ。

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