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第四章

ガンジス2

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「ここは、マガダという国で、バラモン教と仏教とヒンズー教があるそうです。
今、王様に会わせてくれるそうで、案内してくれるそうです」

「すごい。新たな文明発見と、王様の謁見ね!」


「お前たちは何者だ?」

「東の国から海を越えてきました。東の国の神の使いです」

「何をしにきた」

「こちらに砂糖があると聞き、何かと交換できないかと思ってきました」

「そちらには何がある」

「そうですね、トウモロコシという穀物や、豚という家畜など、多くのものがあります。
もし、湯を沸かしてよければ、このトウモロコシを調理しますので食べてみませんか?」

「湯なら沸いているであろう、試してよいぞ」


この場でトウモロコシを皮ごと茹でて提供します。

「おお、この触感とほのかな甘み。これはこの地でも栽培可能か?」

「種もこの通り持ってきていますから大丈夫ですよ」

「その一袋と、砂糖10袋の交換でどうだ」

「契約成立ですね。
今度、もっと色々なものを持ってきますから、また会ってくれますか」

「うむ、歓迎するぞ」



「ふう、うまく交渉できましたよ。
これからも会ってくれるそうです」

「シュウさんって、場慣れしてるというか、すごいですね」

「ああ、カメラ越しに見ていても、本当に一国の代表として接しているのがわかったよ」

「まあ、一国の代表をやってましたからね。
ついでにエジプトへ行っていいですか。
砂糖をあげてこようと思いますので」

「ビビ王女様ね!
この間の放送で見たけど、きれいな人でしたね。すっごい反響だったから、視聴者も喜ぶわ」



「ビビ、こちらキャシー。
東の国で砂糖を仕入れてきたけど、要るかい」

「砂糖とは?」

「指につけて舐めてごらん」

「どれ……、おお!甘いぞ。蜜のようじゃな」

「料理とか、パンに練りこんでもいい。
粉だから、使い勝手もいいと思うよ」

「10袋もあるのか!
だが、こちらは何を提供すればいい」

「今のところは何もいらない。
今後、この世界の中で交易を盛んにしていこう。
そのための準備だと思ってくれ」

「ファラオに会っていけ。礼をさせるから」

「うん、この二人も一緒だけどいいかな」

「もちろんじゃ」

こうして王様にも謁見できて、この日の撮影は無事に終わった。


「ガンジスの文明か、私も迂闊だったよ」

「それで、次期ファラオの座を砂糖10袋で買い取ったと」

「やめてくださいよ。
あれが放送されたら、嫁たちに殺されますよ」

「まあ、4人も5人も変わらんだろう」

「向こうの世界では、一夫三妻制で、マーメイドは別枠だからいいんですよ。
今の状態は法的にも問題ないんです」

「冗談はさておいて、ガンジスの文明か」

「ええ、インダス文明の本拠ですね」

「インド、エジプト、中東に声をかけて、本格的に駐留してもらうか」

「ですね。どのように接するかは一任で」

「となると、残りのあそこか」

「どうしましょうかね……」
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