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第三章

呪術

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「待て、そやつらを捕らえるのじゃ」

「はっ」

「いい加減にしろよ。嫁に手を出すようなら城ごとつぶすぞ」

「面白い、やってみるがいい」

「ああ、お前たちは先にギルドへ行っててくれ」

「「「はい」」」

シュン!

「何!消えたぞ」

「単なる瞬間移動だよ。さて、相手になってやるからかかって来いよ」

「ほざくな!」

ゴフッ

今の俺はすべてのパラメータをFFFにしてある。
十進法で4095である。
一般的な大人で20程度である。
達人でも500いけばギルマスクラスと考えられるのに、その10倍近いとなると想像できるだろう。

ちなみに、マックスはFFFFであるが、そのパラメータで戦うと、とんでもないカロリーを消費する。
餓死したくないので、普段はFFFで生活しているのだ。

時速で考えると分かりやすいだろう。
相手が時速10kmで動くのに対して、俺はで400kmで動くことができる。

パンパンパンパンパン

相手が動き出した瞬間に手加減した腹パンで吹き飛ばしておく。

「おのれ、呪術『死神の鎌!』」

おぞましい感覚に、全身が総毛だつ。
バアさんから、黒い何かが染み出してきて、鎌を持った骸骨に姿を変える。
こいつはヤバいやつだ。

俺は瞬間移動でバアさんの背後に回り込み、脳と心臓を凍結させる。

その瞬間に骸骨は消えた。

「さくら、今のはなんだ」

『古代魔法形式の一つで、呪術です。
現在の障壁では防御できない術式の一つです』

「対策は?」

『同じ系統の術式をぶつけるか、今のように術者を殺すことです』

「なりゆきとはいえ、女王を殺してしまった。
どうする、今ならまだ蘇生できると思うが……」

「すまんな、手を汚させてしまって」

「うん?、ギルドのマスターじゃないですか」

「ああ、先代領主の息子タナー・ジュールだ。
そいつは義理の母親にあたるが、呪術によって恐怖政治を続けてきたそいつに城から追い出された。
みんな呪術が怖くて従ってきただけだから、蘇生の必要はない」

「やはり」

「そいつは、親父の後妻になった後で、城の禁書庫を漁り今の呪術を身に着けたようだ。
親父が死んだのも、そいつの仕業だったと思うが、なにしろさっきの術が強すぎて誰も詮索できなかったんだ」

「俺は一通り古代文字も読むことができる。
その禁書庫を確認させてもらえないだろうか」

「悪いが今の俺には、何の権限もない……」
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