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第二章
市民権
しおりを挟む「そうだfacetimeで娘とつないでもいいかな」
Lulululu
「はい、どうしたの・パ・パ……、キャー!ソフィアが……、ママ、カエデもいる!」
「二人をご自宅に連れていきましょうか」
「あ、ああ、できるんだな」
「では」
シュン!
「ぎゃぁ!」
シュン!
「お待たせいたしました」
「ああ、普段父親らしいことはしてやれないから、これで私の株も少しは上がるだろう」
「お役に立てて光栄です」
「早速本題だ。まず、我が国の牛を選んでくれたことに礼をいう。本当にありがとう」
「いえ、感謝しているのはこちらですよ。
突然現れた僕に、あっさりと110頭もの牛を譲ってくれたんですから」
「ジョンの動画も見たよ。
そこで初めてマーメイドという言葉が出てきた。
私はすぐに確認に行かせたよ。そして大理石の像と手形を見た。
それでも分析班の出した数字は70%だった。
30%の疑問は写真集が出た事で、20%になり、今日やっと確信が持てたよ」
「信じていただけて嬉しいです」
「どうだろう、アメリカにも拠点を置かないかね」
「拠点ですか」
「ああ、鶏肉だろうと牛肉だろうと、大量に入手するならアメリカだよ。
トウモロコシや麦も豊富だ。準国民としてフリーの滞在許可も用意してある」
「はい、こちらです。
プレジデントの署名済みです」
「浅見の名前まで……」
「君たちを世に出したのは彼女じゃないか。当然だろう。
それに、アーティストやファッション業界の本店も多いから、活動しやすいと思うよ」
「日本がダメだったら、アメリカに直訴しようと思ってたんです。
じゃあ、オフィスと倉庫を探さないと」
「本当かね。
これで私は国民に顔向けができる。
オフィスと倉庫はうちのスタッフが探してる。もちろん家賃は国が負担する」
「そんな」
「うちの情報部門も自由に使ってくれ。
というか、オフィスに一人派遣させてくれアリス」
「はいボス」
「今日から、シュウの元についてくれ」
「はい、承知いたしました」
「プッ」
「なんですか」
「いや、よく感情を抑えてるなと感心してる」
「クッ」
「シュウ、アリスはカエデの大ファンなんだ」
「ボス!」
「よろしくねアリスさん。
じゃあ、そろそろ二人を連れてきます」
シュン!
「こんにちわ」
「わっ、シュウさんだ!」
「アメリカに拠点を作ることになりましたので、また遊びに来させますよ」
「えっ、パパ、シュウさんを口説いたんだ」
「うん、フリーの滞在許可ももらったしね」
「絶対よ」
「大丈夫ですよ。
約束は守りますから、では」
シュン!
「あ、カエデ……さん」
「カエデ、ソフィア、こんどスタッフに入ってもらうアリスさんだ」
「カエデです。よろしくお願いします」
「こ、こちらこそ。
ボス、明日発表する記念写真を」
「おお、そうだったな」
翌日、アメリカの公式発表に世界が驚いた。
準国民として、国が全面的に支援すると公言したのだ。
俺のサイトも全面的にリニューアルし、新しいアドレスはアリスが管理してくれる。
アリスは栗色の髪で、青い瞳。
身長は175cmくらいある。どちらかといえばカエデに近い体つきをしている。
2日後には新オフィスも決まり、仕事の拠点は完全にアメリカへ移動した。
「二人には、物理障壁などの防御能力をセットさせてもらった。
こいつは常時発動だから何も意識しなくていい。
浅見には瞬間移動をセットしたから、好きな時に行き来してくれ」
「いいの?」
「ああ、アリスも様子を見て、必要な能力があれば付与するつもりだ。
ああそうだ、これを渡しておく」
「なに、このポーチは」
「2t車くらいの荷物を収納できる。入口の大きさに関係なく収納が可能で、収納・デロで出し入れできる。
収納した順番で取り出しになるから、人前で下着なんて引っ張り出すなよ」
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