俺の部屋が異世界に転移したみたいだ‼

モモん

文字の大きさ

大中小

64 / 224

第二章

合衆国の大統領

しおりを挟む

「いちゃら〇放送の田村です。
彼女たちとの性交渉は、人間の姿ですかそれとも人魚の姿ですか」

シュンシュンシュン！

「どこの放送局か知りませんが、その質問に意味はありませんね。
あなたがその情報を活用できる機会は絶対に訪れませんから」

「逃げるのかよ！」

「くだらない質問があった時は、５人ずつ帰らせます。
他には」

「経済ジャーナルの川島です。
国際的に、日本でマーメイドを独占するのはおかしいという意見が出ていますが、どのようにお考えですか？」

「必要があればどこへでも行きたいと思います。
ただ、マーメイド達は海で魚をとって暮らしていければいいと言っています。
でも、女の子ですからね。今回の撮影のように可愛い服を着れば喜びますし、甘いスイーツをご馳走すれば飛び上がります」

うんうんと後ろで頷くのが分かる。

「国籍をいただいて、表立って活動できますが、本拠はあっちの海ですからね。
そのへんは誤解されないようにお願いします」

「中華〇〇のスーです。
人権を考えるならば、彼女たちを自由にしてあげたほうがいいんじゃないですか？」

「自由ですよ。向こうの世界で。
こちらには、私のオファーに同意した人だけを連れてきています。
まあ、彼女たちが、こっちの世界の方が魅力的だと感じたら、その時は考えます」

「そこは、彼女たちとフリーで交渉させてあげた方がいいと思うんですけど」

「３歳児を、あなたの国の夜の街に一人で出せますか？」

「……ですが、どう見ても成人じゃないですか！」

「あなたの国で、女性が夜独り歩きできるとは思えませんけど。
はっきり申し上げておきます。
万一、彼女たちが拉致されたり、傷つけられたりしたら、僕は報復に出ます。
組織であろうと、国であろうとです。
スーさん、国家情報局で第３２チーム所属ですよね。
特技は扇動ですか。
あなたのキャリアもおしまいですね」

「ばかな……」

「それから、この建物内に仕掛けられた盗聴器です。
官房長官どうぞ差し上げます」

パラパラパラ

「あ、あなたはいったい……」

「善良な日本国民ですよ。
ただ、それ以前に彼女たちの保護者です。
〇〇国のせいで、とんだ会見になってしまいましたが、以上です。
さあ、帰ろう」

「「「はい」」」

シュンシュンシュン！

Lulululu

「はい、末永です。はい大使館なら知ってます。えっ、プレジデントが、わかりました、これから伺います」

シュン！

「バーバラ、今日はありがとう」

「どういたしまして」

「シュン、さっきの電話……、プレジデントって」

「ああ、合衆国だ。カエデにも会いたいそうだから、一度家に帰ろう」

シュン！

「カエデ、合衆国大統領が君に会いたいそうだ」

「まあ大変、着替えないと」

「そのままで大丈夫だよ」

「ワンピースドレスをいただいたの。こんな機会じゃないと着るときないもの」

「了解」

「た、大変、私カーテシー練習中なのよ」

「普通のお辞儀で大丈夫だよ。さあ行こう」

シュン！

アメリカ大使館に行き、名前を告げると案内された。

「おお、早速なんだが、プレジデントとＴＶ会議がつながっている。
こちらへ」

「初めましてプレジデント。シュウ末永です」

「おお、会えて嬉しいよ」

「えっと、そちらへ伺ってもいいですか」

「構わないが、来られるのかい？」

「ええ」

シュン！

「おお！中継では見ていたが、本当に瞬間移動できるんだね」

「ええ、行ったことのある場所と、ライブ映像の見られるところだけですけど」

「まず、プライベートの用事から済ませてしまおう。
娘がソフィアさんのファンで、妻がカエデさんのファンなんだ。
サインを貰っていいかね。ちょっと待ってくれ」

プレジデントは机の引き出しから写真集を取り出した。

「これにお願いしたい」

「「光栄ですわ」」

しおりを挟む