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第二章
シマガメが到着した
しおりを挟むその夜、ソフィアたちのシマガメが浜に到着した。
シマガメは後ろのヒレで砂を掘り、30cmほどの卵をポコポコと生み落としていく。
100個ほどだろうか、終わるとタマゴに砂をかけ海に戻っていきそこで息絶えた。
マーメイド達はその亡骸に感謝と祈りをささげる。
シマガメの肉体部分は、一波ごとに崩れ、海に溶けていき、翌朝には甲羅だけとなった。
俺はマーメイド達の指示で、甲羅に残った鉱石類を回収していく。
鉱石類を回収した甲羅は水に浮くため、時には波で流されてしまうそうだ。
俺はアンカーを打って甲羅が流されないようにしておいた。
「みなさん、お疲れさまでした。
宿泊はそこの建物を使ってください。
一部屋4人まで眠ることができますから、一族ごとに分散して部屋を決めてください。
ベッドもありますし、着るものも用意してあります。」
「クイーン、男は」
「明日から何人か来るようにしてます。
今日、どうしても我慢できない人は、言ってください。
シュウがお相手させていただきます」
「食事は?」
「宿泊所の1階にゴーレムを設置してあります。
メニューは3種類ですが、ドリンクバーと総菜パン・菓子パンを用意してあります。
でも、今夜は宿泊所の横にあるホールでパーティーです。
ワインも用意してありますので楽しんでくださいね」
「「「はーい」」」
寝具も着るものも何とか間に合った。
宿泊所は5棟で4階建て60部屋になり、エレベーターも作った。
一階には食堂のほかに、大浴場と集会スペースも設置してある。
マットレスとタオルケットの調達は大変だった。
宿泊所を作った時まで、思いつかなかったのだ。
俺は全国の寝具店やホームセンターを回って何とか1200枚のマットレスを調達してきた。
チーターもフル稼働である。食堂のゴーレムに、エレベーター、ドリンクサーバーにシャワーに照明。
食材だって、半端な量ではない。
毎日200kgの鶏肉が消費されていくし、唐揚げ粉も半端じゃない。
サラダのレタスだって相当の量になる。
「大丈夫ですよ。
みんな自分でできることはやりますから。あん」
「そうですよ。魚だって取ってきて食べますし、寝るところだって前回の伴侶様は何もしてくれませんでしたわ。あん」
「前回のクイーンを知っているんですか?」
「ええ、シェルティーといって、もう100年くらい前に亡くなっているはずです。あん」
「あっ、ジェシカさん、そんなに激しく動いたら……」
翌日、夜になって二頭のシマガメが到着した。
今回は合同パーティーになる。
今日から道場の門下生10人と、兵士から10人応援を呼んである。
先生と領主には了解をとってある。
領主邸とここの往復便を作らせてもらったのだ。
「俺も、マリーの了解を取って応援にきたぞ」
「お義父さん、助かります」
「わしも来たぞ」
「先生!」
「やっぱり、マーメイドっちゅうのは男のロマンじゃからな」
その次の日には1頭、一日あけて最後の一頭がやってきた。
「やい、コンゴウ。お前マリーさんというものがありながら!」
「おお、久しぶりだなモスバガ。終わったら一杯付き合え」
「朝までなら付き合ってもいいぞ」
「お前に、いいものを見せてやろう」
トン
「な、なんだそれは。シュウ君、コンゴウにだけって事はないよな。
連邦制が可決された以上、両方の町は同じでないといかん」
「はいはい、どうぞ使ってください」
「よし、待てコンゴウ!」
浜の端に塩の精製所を作ってマーメイドに運営させる。ここで得た真水は宿泊所の高架水槽に送られて、シャワーや浴室で使われる。
浜には簡易食堂を設置して、魚専門のゴーレムを配備した。
焼き魚担当と刺身担当だ。
さらに、深海用のゴーレムを作り、新たな漁場を開拓した。
「シュウ、このカニのお刺身とっても美味しい!」
「大エビの網焼きもいけます」
「今日から、養殖もスタートした。
マーメイド達も頑張ってくれているから、これからは美味しい魚が食べ放題だぞ」
「「「キャー」」」
カエデに続いて、チートリアルも妊娠した。
チーターの妊娠と出産については知識がない。
「サクラ、チーターの妊娠について分かる?」
『妊娠期間は6か月。カエデよりも早い出産ですね。
出産自体は、概ね人の出産と変わりません』
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